クラークのことを書いていたら地名がややこしかったので整理します。昔にフィリピン留学したとき、アンヘレスに行ったけど、みんなクラークと呼んでいた。セブにいる時に、「昔にクラークに行ったんだ」と言うと、「ああ、パンパンガね!」と言われた。クラークとアンヘレスとパンパンガの違いがわかってませんでした。そんな人は多いと思うのでまとめることにしました。
一言で説明すると、パンパンガ州の中に、クラーク経済特別区とアンヘレスシティがあるイメージです。
クラーク、アンヘレス、パンパンガの地図
パンパンガ州はフィリピンのルソン島にある州です。マニラの北です。
マニラ空港からアンヘレスまで車で2時間弱です。
クラーク経済特別区はエリアの名前
クラークは米軍基地があった場所です。1991年6月にピナツボ山が噴火して、基地が使用不能になりました。1991年8月にアメリカ空軍のクラーク空軍基地が返還されて、1993年にフィリピン政府が旧クラーク空軍基地を「クラーク経済特別区」に指定しました。
アメリカ空軍基地があったエリアなので、敷地が広くて、区画整理もキチンとされています。2007年には、クラーク・フリーポート・ゾーン(Clark Freeport Zone)」と名付けられました。
クラーク経済特別区に入るにはゲートを通過する必要があります。だから、ストリートチルドレンがいません。セキュリティがしっかりしていて治安がよいです。
フィリピンの国際空港は、マニラ、セブ、クラークの3箇所にあります。フィリピン政府はクラークを経済特区にして、積極的に各種産業の誘致を行っています。だから、ホテル、ゴルフ場、カジノ、免税店、国際会議場などがあるちょっと特殊なエリアです。横浜タイヤやアデランスなどの日系企業の工場もあります。
しかし、都市部のように混雑はしていません。敷地が広いので、緑が豊かで、のどかな場所です。ものすごく大きな公園のような印象です。
物価は高く、カフェに入っても雰囲気が少し違います。ランニングやサイクリングをしている人も多いです。あと、戦闘機がよく飛んでいます。
マニラのニノイ・アキノ国際空港が近い将来、処理能力が限界になると予想されています。でも、空港拡張がほぼ不可能なので、クラーク空港を次期ハブ空港にする計画があります。だから、マニラ空港とクラーク空港間の鉄道や高速道路のインフラ整備が行われています。首都機能もクラークに移動する計画もあるので、今後の都市機能を担う場所として期待されています。
10年以上前から期待されて、現在に至ります。開発の歩みは遅いですが、じわじわ発展しています。
新しいクラーク国際空港はアジアのハブになれるか?
2018年3月、ジェットスターが関西からクラークの直行便を運航。2018年8月には、セブ・パシフィック航空が、成田からクラークへの直行便を開始。「これからはクラークだ!」と期待する声があがっていました。でも、思ったより本数は増えないままコロナになって欠便になりました。
2022年5月2日、クラーク国際空港の新ターミナルがオープンして、年間キャパが420万人から800万人に増えました。マニラ空港の混雑を緩和する役割が期待されています。予定から2年遅れてのオープンでしたが、緩やかに発展しています。
2023年5月21日から、セブ・パシフィック航空が成田ークラークの直行便を再開します。週4本です。利用者が多ければ便数は増えるでしょうが、利用者が少なければ減るでしょう。マニラ空港のターミナルも整備されていってます。クラーク空港はアジアのハブになれるのでしょうか?
ちなみに、マニラとクラークを結ぶ新幹線の工事はめちゃ遅れています。フィリピンと中国の外交の問題が関係しています。
フィリピン運輸省は15日、同国政府による鉄道建設計画3件について、中国による資金援助が白紙になったと明らかにした。建設費は計2760億ペソ(約6800億円)の見通し。マルコス新大統領は南シナ海の領有権問題で中国に対して強硬な姿勢をみせており、中国側の対抗措置である可能性がある。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM157AQ0V10C22A7000000/
2023年4月に久しぶりにクラークに来ました。SMクラークの前に、クラークシティフロントモールという大きな商業施設ができていました。まだテナントは入ってないけど。
あと、韓国人の勢いがすごかったです。韓国からクラークはアクセスがいいので、遊びにくる人が多い。高級ホテルに滞在して、カジノやゴルフを楽しむようです。
発展度合いで言うと、マニラやセブのほうが勢いがあります。でも、セブはもうスペースがない。だから、コロナ後のクラークに注目しています。
アンヘレスはパンパンガ州にある市
アンヘレスシティはクラーク経済特別区の南にあります。パンパンガ州にあるシティの名前がアンヘレスです。
アンヘレスは観光地として有名です。それは歓楽街のウォーキングストリートがあるからです。バリバコというエリアです。
米軍基地があった場所には、兵士の士気を高めるため風俗街がありました。その名残が今も残っています。だから、夜遊びする方が多いです。
アンヘレスにあるウォーキングストリートは歌舞伎町のような通りです。大通りにはホテル、飲食店、ディスコ、ゴーゴーバー、ゲイバーが立ち並びます。フィリピン最大の歓楽街です。
西洋人が多いので、欧米の飲食店も多くて便利です。スポーツバー、カジノ、ビリヤード場もたくさんあります。
ウォーキングストリートから南に移動していくとどんどん田舎になっていきます。フィリピンらしい雑多なエリアです。僕が2012年にフィリピン留学した場所はアンヘレスです。だから、思い入れのある場所です。
アンヘレスは適度に田舎。だけど、不便は感じません。
アンヘレスをぶらり旅!クラークに来たついでに閉校した母校ストーリーシェアを訪問した
アンヘレスシティにある語学学校もクラークと表記されている
語学学校はクラーク経済特別区とアンへレスシティにあります。このエリアにはリタイアした西洋人が多いので、ネイティブ講師がいる学校が多いです。ただし、フィリピンにいるネイティブ講師はただのネイティブであることが多いです。過剰に期待するのはやめたほうがいいです。また、ゴルフ場が多いので、ゴルフ練習場が併設されている語学学校もあります。
クラークとアンヘレスは雰囲気が全然違います。クラークは洗練された安全なエリア、アンヘレスは雑多でフィリピンらしいエリアです。ただ、アンヘレスにある学校もだいたいクラークエリアに分類されています。
クラークもアンヘレスも学校数は少なく、新しい学校もできていません。競争の中で発展していってる印象はないです。だから、学校は悪くはないけど、よくもない。
日本人経営の学校はほとんど閉校してしまったので、いまは韓国の学校ばかりです。僕は、韓国の学校はほとんど同じと思っています。違いは施設環境です。アンヘレスは遊びに来ている方がいるので、英語学習重視の方には基本的にはオススメしてません。でも、こういう環境が好きな方には面白いエリアです。クラークの学校を検討している方は、その学校の場所をしっかり確認しましょう。
観光情報
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