セブ島にある「シマラ教会(Simala Parish Church)」はパワースポットとして有名な観光地です。聖母マリア像の前で祈ると奇跡が起きると信じられていて、病気回復を願う人で大行列になっています。何度も行かれている方に詳しく聞きました。
シマラ教会のマリア像の前で祈れば奇跡が起きる
ーーシマラ教会によく行ってるんですよね、詳しく教えてください。
シマラ教会はフィリピン人には有名な教会です。サントニーニョ教会に行くような感じなんですが、病気が治ると信じられていて、それだけのためにツアーが組まれていたり、直行バスが出ているんです。
日本にも病気を治すと言われている神社はありますよね。フィリピン人にとってはそれと似た感じで行ってると思います。教会は1998年に建てられたので、まだ20年ちょっとしか経ってないんです。歴史的には浅いんです。地元のお爺さんにおつげがあって「ここに教会を建てなさい」と聞こえて、教会を建てたら、マリア像から涙が流れたみたいで、それがはじまりみたいです。マリア像の顔に涙のあとがある写真があります。
奇跡の教会と言われていて、信じている人は行ってます。テーマは病気、健康なんです。でも、ビジネス成功や大学合格を祈願しに行く人もいます。「治りました」って書かれたお礼の手紙と一緒に松葉杖とかが飾られています。「どこに合格しました!」とかも書かれています。
僕は無宗教で、どちらかというとオカルトとかスピリチャルをバカにしていました。そういうのは信じていませんでした。
だけど、親が大きな病気になって、藁にも縋る気持ちになったんです。地元の人がそれだけのために教会に行ってるので、もしかしたら何かあるかもしれないと思って。神頼みじゃないけど行ってみたんです。昔は観光感覚でしたが、いまは本気で行ってます。4、5回行きました。
ーーフィリピンは黒魔術を信じてる人が多いでしょ。人の神秘的な力を信じてますよね。でも、シマラ教会には人はいないですよね?
いないです。イエスキリストの母のマリア像があるだけです。独特な教会です。外国人にとっては神聖な場所というよりは観光地になってます。お城のような奇抜なデザインをしているので、観光地として訪れる人が多いです。
一般的なセブツアーでは、オスロブの帰りに立ち寄って、外観の写真を撮って帰ってくるだけなんです。でも、外観を見るだけじゃあの凄さはわからないです。行列に並んで、最後のマリア像までいって拝んでほしいです。マリア像を見ないとシマラ教会の本質は見えないです。
人気の教会なので日曜日はめちゃ混みます。休日はミサもやってるので大行列です。平日に行けたらいいんですが、仕事だから週末しか行けないんです。
マリア像は屋外の遠くにいるわけじゃないので、前までいかないと見れないです。割り込めないので、ちょっと様子を見に行くことはできないです。行列に並んで建物に入って、細い通路を進んでいくと、最後にマリア像があるんです。週末だと2時間ぐらいかかります。それでも行く価値はありますよ。
最後のマリア像まで辿り着いて、みんなが拝んでいる姿を見たら、みんなの本気が伝わります。涙を流している人もいます。すごい人なので、長い間はいられないです。流れ作業的な感じです。
マリア像を拝んだ後は、建物の外に出てロウソクに火を灯すんです。ロウソクはいろんな色があって、健康は金色、サクセスは緑色みたいになっています。ロウソクは1本40ペソだったかな。自分が叶えたい色のロウソクを買って、火を灯して、祈って帰ります。入場料は無料ですけど、ドネーションボックスがあるので、みんな寄付してますね。
ーーその後、変化を感じているんですか?
いやー、わからないです。でも、拝んだあとは、頭がスッキリした感じがします。瞑想も似たような感じだと思いますけど。ぜひマリア像まで行ってみてください。
セブシティからシマラ教会への行き方
ーーシマラ教会ってどうやって行くんですか?
セブ島の南のシボンガというエリアなんですが、ツアーやタクシーで行く方が多いです。でも、セブシティのサウスバスターミナルからバスが出ているので、バスで簡単に行けます。バス停で「シマラ教会(Simala Church)に行きたい。」と言うと教えてくれます。
数は少ないですがシマラ教会への直通バスもあるので、タイミングよく直通バスがあればスムーズに行けます。バスは200ペソぐらいです。普通のバスだと大通りのジャンクションで降りて、そこからバイタクで15分ぐらいです。バイクは50ペソぐらいです。
複数人で行く時は車で行きますが、ガソリン代がかかるので、1人だとバスで行ってます。バスのほうが楽です。時間帯にもよるんですけど、サウスバスターミナルからジャンクションまで2時間はみていたほうがいいです。カルカルまで混むんですが、カルカルを過ぎてからまだ30分はかかります。アルガオのへんです。
セブ旅行に来ると、みんなオスロブのジンベイザメを見に行くでしょ。だから、オスロブの帰りに立ち寄るのがオススメです。朝3時にセブシティを出て、オスロブに行って泳いだら、10時とかになるので。その帰りにオスメニャピークに行って、シマラ教会に行って。カルカルでレチョンを食べて帰ってくるのがいいと思います。いちおうドレスコードがあって、露出の多い服装では入場できないこともあるので注意してください。
平日ならそんなに混まないので、行けるなら平日の朝がいいと思います。ぜひマリア像まで行ってください。旅するときに宗教的な場所に行くのが好きなんです。無宗教ですが、本気で祈っている人の姿は美しいです。
スピリチャルを信じるようになった理由
実は、興味を持つようになったのは最近なんです。知り合いの整体師が不思議な力で治療するんです。整体って解剖学的な感じでやりますよね。でも、その方は軽く触れて祈るだけで治すんです。北斗の拳のトキみたいです。強くも押さないで、そっと触って祈るだけなんです。
なおりなさい
なおりなさい
って囁く感じです。最初は信じられなくて、嘘だと思ったんです。でも、腰が曲がった老人が、5分後に普通に歩いていて走って帰っていくんです。それを見てびっくりしてしまって…。
間近で見て、科学では説明できない世界があるって思いました。それもあって、いままで信じてなかったものにも可能性があるのかもしれないと思ったんです。
その方はお金を出せない人には無料で治療しています。セブでもチャリティをやっていて、セブの村長に呼ばれたりします。世界中を飛び回っていて、フィリピンだけじゃなくて、スペインやネパールにもよく行ってます。
特殊な力が身についたのは、震災の後にボランティアに行ったのがキッカケみたいです。床の下の泥を触っているときに、声が聞こえてきて「あなたはこれから人を癒すようになる。」って聞こえてきて。そこから、力を入れなくても治せるようになったそうです。漫画みたいな話でしょ。信じられないでしょ。でも、僕は何度も治った人を見てるんです。機会あったら話してみてください。
(2024年3月11日)
編集後記
僕は非科学的なことをあまり信じてないです。パワースポットもスピリチャルも関心がないです。でも、これは興味深い話でした。教会なのに英語表記ではSimala Churchだけでなく、Simala Shrineと書かれているのが不思議です。セブで時間が作れたらシマラ教会に行きます。レチョンとビビンカはセットで行けそうです。整体師の方とも話してみたいですね。
一番おいしいレチョンはカルカルのマーケット!セブシティから南に1時間半行く価値あり