フィリピン留学で6つの学校に行った社会人の体験談。SME、CNE1、PICO、EB、F2F、クラークフィリピン留学院。場所もマニラ、セブ、クラーク、ターラック、タガイタイと違う。日本でもNCCで勉強経験ありなので、かなり濃い学校比較です!
セブのSME
フィリピンの6つの学校に留学したんでしょ。感想を聞かせてください。
最初は2012年にセブのSME。恐らく、その時くらいに日本人経営者の学校が出てきた。CNE1はもうあった。
SMEスパルタに行ったんですか?
いや、SMEのIELTSコースです。当時、僕は外資系のサラリーマンで英語が必要でした。以前から、アメリカやヨーロッパのMBAに興味があって、TOEFLを受けようと思ってた。で、よくよく調べるとIELTSというテストがあって。
MBAも良いけど、IELTSも良さそうだと思いました。TOEFLはコンピューターに向かってスピーキング試験するけど、IELTSは筆記もスピーキングもやるし。それで、googleで「留学」って調べたら、富山県の個人エージェントが出てきて、怪しいなと思いつつ問い合わせをしました。レスポンスが良かったので、オススメされたSMEのIELTSコースに行きました。今のクラシックって校舎なのかな。
セブのSMEは当時とは変わってますね。元々、英語は勉強してたんですか?
大学受験以来、英語はずっとやっていなくて。最初に入った会社が商社だったので、アメリカ出張もあったんですがブロークンで。言ってる意味も分からないまま、仕事をこなしていた感じですね。いや、こなしてなかったな。全部、訪問先の日本人の社員に通訳してもらっていました。
でも、仕事で英語を使ってたんですね。
そうですね。ビジターが来れば。
すでにIELTSを受けていたんですか?
外資のヨーロッパの会社に入った時、上司がイギリス人だったんですよ。僕は紹介で入社したので、英語ができない前提でしたけど、上司がイギリス人だし、社内の公用語は英語ですから、「これはマズイ」となったのが32、33歳。
それで、NCC綜合英語学院っていう新宿にある英語学校に行って。転職したのが32歳。そこから3年間自分で勉強して、34、35歳の時に、SMEに2週間留学しました。その時に、IELTSを考えていたんです。
SMEに留学した時は初級者ではなかったんですね。2週間は短期ですが英語は鍛えられたんですか?
良かったですね。僕はIELTSの試験構成をまったく知らなかったんですよ。IELTSコースに行けば、それごと学べるかなと思って行きました。単語や文法は自分でやってました。初めての海外留学だったので、10年ぶりに社会人から学生に戻って、感動しましたね。当時のアメリカ人の社長に「セブ留学に行く」と言ったら「お前、どこに行くんだ?」って、鼻で笑われました。
でも、「仕事は全部捨てて、英語に集中してきなさい。それ位やらないとダメだろう。」って言ってくれました。仕事を全部忘れて、英語に集中できたので楽しかったです。SMEのマンツーマンはスピーキングとライティングのレッスンだけで、リーディングとヒアリングはグループレッスンでした。今思うと、グループが多かったな、と思います。
何人位ですか?
リーディングが4人、リスニングは聞くだけだから8人位。スパルタだから、朝6時なんですよ。朝6時は20人~30人位。外国人のインタビューを見て、ディクテーションするんです。
SMEは短期ですけど、得るものはあったの?
安くて良い物があるんだなって感じた。衝撃的でした。SMEの時のバッチメイトとは、今でも仲良いし。セブを満喫しましたね。
それでIELTSを受験したんですか?
滞在中にIELTS模擬試験を受けました。スコアは3.0か3.5でした。
目標スコアは?
当時、MBAに行きたかったから、IELTS 7.0
道のりは険しいですね
IELTSってこんなに難しいんだと思って。帰国後、自分で勉強して、IELTS 6.0まで取って止めちゃいました。それが2年前になります。アベレージで5.5、スピーキングは6.0かな。
日本に帰ってきてからも、仕事をしながら自分で英語学習を継続していたんですね?
そうですね。SMEのスピーキングの先生に、お金払って個人レッスンでお願いして。スカイプで。ウエスタンユニオン(海外送金サービス)という存在も初めて知って。先生に海外送金して勉強してた。良かったですよ。
その後は?
もう一回、英語を鍛えたいなと思いました。ただ、SMEは施設が超厳しくて。建物が古い、飯も厳しい(苦笑)。
韓国人経営(笑)
今は日本人経営に変わったみたいなんですが、当時のSMEはもろ韓国人経営。本当に厳しい飯で。韓国人生徒もフィリピン人の先生も厳しいと言っていた…。セブで外食してました。
韓国の学校は食事が厳しいところが多いですよ。
部屋も相部屋だったんですよ。オーストラリアに留学するの、しないのっていう沖縄の子だったかな…。3カ月位いるけど、TOEICは400点位のままで、100点も上がってませんみたいな。
モチベーションがない生徒がルームメイトだとツライね。
毎日寝ていて。「1カ月前までは、モデルの子がいて凄く楽しかったんだけど、皆帰っちゃって、友達いなくて超寂しいんだよね」って言っていて。その子が、あまり部屋を清潔に使っていないのもあった。
僕は23歳の時にインドでバックパッカーやっていたんで、施設は比較的大丈夫なんですけど、30歳を超えてSMEの施設は厳しいですよ。次はちゃんとお金を払おうと思った。
SMEは費用が安かったんですか?
安かった。当時LCCはなかったけど、2週間で6万円、7万円位。もっと安かったかな。飛行機代も10万円はいかなかったと思うので、費用は諸々で20万もいかなかったですね。
クラークフィリピン留学院
次は1年後の2013年のゴールデンウィークですね。有給を取って2週間の短期で行ったんです。
留学の目的はIELTS?
次はIELTSじゃなくて、ビジネス英語。それとネイティブ講師の授業も受けてみたいと思って、クラークフィリピン留学院にした。
先生が全員ネイティブ講師のクラークフィリピン留学院!
SMEでバッチメイトだった大学生が、イギリス留学前にSMEに来てたんです。彼はその後、投資銀行に入社した早稲田の大学生4回生で。独学でTOEFL 100点取ってたんです。その彼が、やっぱりマンツーマンレッスンが良い、イギリス留学は大教室だからよくないと言ってて。マンツーマンでネイティブ講師だったら相当効率が良いと思うって言ってたんです。
オススメされたんだ。
クラークフィリピン留学院を勧められたわけじゃないけど、ネイティブ講師とマンツーマンが効率が良いってオススメされた。イギリスやアメリカよりも良いと思うって。
それで見つけたのがクラークフィリピン留学院ですか?
そう。学校を建てて1年経ってない位のときかな。エージェントを使わずに直接学校に申し込みました。
オーナーの芦田さんが対応してくれたんですか?
芦田さんとはスカイプとメールでやり取りしたけど、1回もお会いしていません。クラークではSMEとは全然違う体験でした。
宿泊施設は何パターンかありますよね。どれを選んだんですか?
真ん中です。新設のアパートメント。日本のアパートみたいな、2階建てで5部屋あるようなアパートでしたが、凄く綺麗でした。宿泊施設は良かった。
クラークフィリピン留学院は、地元の大学の施設内に語学学校があるんですよね。大学はそんなに綺麗じゃないでしょ。
大学は…、これがまたね…。学校の写真は…。
サイトに出てる写真は大学の外観なんですよね。あれは綺麗に見えますけど、中に入ると…。
現地に着いて「学校どこですか?」って聞いたら「ここです」って言われて、「アレ?」みたいな(苦笑)。いやー、嘘とは言わないけど…。
オフィスと、教室が大学内にありますね。
教室は裏側なんですよね。
現地の大学クオリティですよね。
当時は、マンツーマンの教室はキュービック型だと思っていたんだけど、パーティション型だったんでビックリしました。今ではパーティションがスタンダードですが、当時は、横で他の生徒が話しているところで授業するの…、みたいな。
完全密室のキュービックは静かすぎて日常の状態じゃないから、生活音が聞こえるパーティション型が一般的になってきてますね。とはいえ、横の奴がめっちゃ近かったら、気になりますよね。
仕切りがポンッとあるだけなのでね。グループレッスンも同じ空間でやっていたんですよ。だから、勉強環境はあんまりだった気がしますね。
人口密度が高かったんですね。人の距離が近かった。住居環境は良かったけど、学習環境は思ったほど綺麗じゃなかったと。
でも、慣れたら大丈夫。気になるのは最初だけ。
たぶん、あの学校に行ったら皆そう思うでしょうね。
自習室もなかった。大学の教室を使って良いよと言われましたが、その教室も埃っぽくて…。
フィリピン現地大学のクオリティですから。
勉強に集中できる環境ではなかったですね。
前回の経験を元に、施設の良い学校を探したけど、学習環境は予想を下回っていた訳ですね。
そうですね。SMEは自習室がちゃんとあったので、そこは良かったです。あと、クラークフィリピンは食事はよかった。湯布院という日本食料理屋でランチを食べるんです。
夕食は自分で食べに行っていました。アンヘレスは飲み屋の街なので、飲食店もイタリア料理の美味しいお店がたくさんあったので外食してました。日本と変わらない金額でもいいやと割り切ってお金をかけていたので、食事はまったく問題はなかったです。
授業は?
先生はネイティブなので、それは良かったけど、カリキュラムはなかった。
2013年時点ですね。今はカリキュラムあるのかな?
ちゃんとカリキュラムを作ったほうが良いですよって提案してる生徒はいました。僕は目的意識があったので、やりたいことをガンガン言うタイプなので、うまくカスタマイズして使えましたけどね。ネイティブともやり取りできたし。
授業は?
ビジネスと発音。当時はIELTSを意識していて、イギリス人がいたので発音をマンツーマンでやっていました。
生徒のレベルは高いんですか?
SMEよりは高かった気がします。生徒はみんな社会人でしたね。
価格がちょっと高いから、学生は少ないですね。
SMEは試験対策の学生や、ワーホリ、韓国人が7割いるような学校で、学生の雰囲気が強かったですね。
フィリピン人の授業を比べて、ネイティブ講師の授業はどうでした?
ネイティブ英語のヒアリング力はつきますよね。あと、来る前から通っていた日本の英語学校があるんですが、帰ってきたら急に喋れるようになっていたんです。今までインプットは結構していましたから。2週間英語を吐き出してきたので、帰った直後は結構スーパーな状態になっていました。ネイティブ英語に慣れました。
SMEの時は会話力のレベルアップはなかったんですか?
SMEはそれほどでもなかったです。あの時は試験対策だったので、スピーキングは全体の2割、3割程度しかやってなかったし。でも、クラークフィリピン留学院から帰ってきたら、「喋られるようになったね」って言われました。だから、ネイティブ英語を意識するのであれば良い学校だと思います。今はカリキュラムもきちんとしていると思います。
カリキュラムがないって言ってる生徒が多かったのは事実。だから、困惑してる生徒はいました。先生も年配の方が多くて、若い人は1人か2人でした。先生はリタイアしたネイティブが多いんですよ。
普通の英語の先生はいなかったですか?
バックグラウンドが多彩なのは、良い、悪い、あると思います。ヘッドティーチャーはアメリカで高校教師をやっていた人でした。リタイアしてたけど教えるのは一番上手でした。あと、元経営者、某教授、自分でビジネスをやっていた、と色々な人がいました。
英語が専門ではないんですね。フィリピンで本気の英語の先生をネイティブで見つけるのは難しいですからね。
クラークは元アメリカ基地だから、奥さんがフィリピン人で、リタイアした先生が大半でしたね。
ネイティブ講師が多いALECという学校がもともとあって、そこで満足できなかった芦田さんがクラークフィリピン留学院を作ったんです。でも、良いネイティブ講師の採用には苦労していました。いまは2013年の設立当時とは状況が変わってきてると思いますけどね。
当時は立ち上げたって感じでしたね。今は分かんないですけど。
その後は?
英会話力がついてきたところで、英語を使う部署に異動になったんですよ。
良いじゃないですか。
そこで、実践で恥ずかしい思いを1000回位しましたね。テレカン(遠隔会議)で、グローバルで20人集まるところで喋って。「お前、何言ってるか分かんない、もう一回言ってくれ」って言われて、俺も「パードンミー」ばっかり言って。分からないから後でメールを送ってくれ、とかそういうのを何百回と経験して。半年位で力はついたけど、またフィリピン留学でしっかり勉強しようと思ったんです。
Face to Face
Face to Faceはネイティブ講師がいるタガイタイの学校ですね。
先生と場所は良かった。タガイタイは涼しい。僕は好きですね。のんびりしているし、ストリートチルドレンが全然いないし、治安が良いし、クーラーがいらない。
先生も良かったですか?
Face to Faceの先生のレベルは高かったと思いますね。
それがFace to Faceの売りですからね。
どの先生も良いし、発音の良い先生が多かった気がします。良い先生を集めてるなって印象。ネイティブのマットの授業も受けましたが、すごい良かったですね。
マットの授業は、本当に評判が良いですね。
彼はコツが分かっている。芋づるで色々なことを教えてくれるんです。今回、先生のレベルが分かるなと思ったのが、単語の意味が分からない時に、辞書で調べないで「どういう意味なの?」って聞くんです。
教え方の上手い先生は、その単語を英語で上手く説明しますね。要は英英辞典みたいなもんですよ。上手く説明できない人は、レッスンも上手ではない気がしました。
能力がある先生は、難しいことを簡単に説明できる訳ですね。
そう。だけど、施設はちょっと落ちたね。
どこに滞在していたんですか?
ホワイトハウス。
ホワイトハウスって、Face to Faceの中では綺麗な方に分類されると思いますけどね。駄目でした?
うーん…。いや、清潔感はあるんですが、30代後半で行くとちょっとツライ。ポイントはトイレ、シャワー周りになると思うんですよ。
ボーディングハウスは初めてだったけど、トイレとシャワーがあって、出入口が2つあって、部屋からお互いが使うタイプ。片方が使う時は鍵を閉める。僕が入った時は、インターン生が何週間か使っている状態で。
シャワー周りの掃除があまり行き届いていなかったので、すぐ掃除してもらいました。その時はツライと思ったけど、あとに行ったEBに比べると…。まあ、値段も安いし、こんなもんだろうなって。
Face to Faceも値段が安いですからね。
慣れれば大丈夫。値段も安いしね。共有ハウスは凄く清潔感があった。トイレとシャワーが一体化してるのはフィリピンでは当たり前だけど、日本だと相当古い施設にしかないので最初はビックリする。
ビチャビチャになりますからね。
SMEを思い出しました。
SMEもあんな感じでした?
いや、SMEの方が汚かった。ごめんなさい。
クラークフィリピン留学院はセパレートですもんね。
セパレートで綺麗だった。PICOのボーディングハウスはカーテンがちゃんとあって、綺麗なんですよね。
スペースとトイレが分かれていますもんね。
Face to Faceはちょっとお金を持っている女性だと最初は「ん?」と思うんじゃないかな。
シャワー、水回りはみんな言いますよ。一体型は下がビチャビチャになってしまうから。
でも、Face to Faceの良いところはバッチメイトの女性が「せめてカーテンだけつけてくれ。」って言ったら、すぐに簡易型のカーテンを買ってきて、取り付けてくれたんです。対応力は非常に良い。
オーナーは動きが早いですからね。やるべきことは速攻で対応しますね。
インターンも素直な良い子が多くて、スタッフも良かったです。お金をかければ良い部屋があるんですが、私が選択したのは最安値の部屋だったので仕方ないですね。
英語の勉強は?
良かったです。先生のレベルも高かったし、初めて文法のグラマーインユースをやってみました。よかったです。
授業はどうやって決めたんですか?
オーナーのジュンさんと話をして、どういう授業を組み立てますか?という流れなんですが、ジュンさん的にはスピーキングをやった方が良いって考えなんです。ネイティブ講師もスピーキングをたくさんやると他も伸びるという考えなんです。
ただ、他の生徒も言っていたのですが、先生同士が繋がってないし、カリキュラムとしては少し弱い。うまく使えばいろいろ学べるので、僕はすごいよかったんですが、先生の力量に頼っているところが強いと感じました。
それはあります。ちなみにクラークフィリピンでもカリキュラムがないなって感じたんでしょ。それと共通しているんですか?
共通していますね。ただ、クラークフィリピンの場合、当時はヘッドティーチャーと英語で喋って、カリキュラムを決めてたんですよ。だから、英語でうまく伝えられない生徒もいたと思います。インターンが傍にいるんですけどね。Face to Faceはジュンさんに日本語で伝えられるから、まだ良いです。
僕も同じ感想です。Face to Faceって経験豊富な先生が多いんですが、仕組化していないというか。サッカーで例えると、良い選手を11人連れてきたけど連動性はない、みたいな感じはありますね。ただ、連動してる学校はほとんどないですけど…。
ブラジルサッカーの個人プレーみたいね。
みんな個人能力が高いからね。SMEは連動してたんですか?
SMEはIELTSコースだったので、そこに従ってやる。
試験対策コースは、そういう意味では分かりやすいですね。フィリピンの学校は先生任せの学校が多いと思います。
今まで6つの学校に行ったけど、連動していたのはPICOだけかな。あそこはビシッとしていて素晴らしかった。他の学校もそうでしたが、先生同士が連携していないから。
例えば、スピーキングを2時間、2時間で取って学校側から指定された教科書をやると、1から50はA先生、50から100がB先生となるけど、先生同士が連携を取ってないから、凄く非効率だと感じる。同じことをやってる場合もあるしね。先生同士がキチンと連動する学校のほうが当然嬉しい。そういう学校が増えると良いなと思います。
実際には難しいんでしょうけどね。
そう思います。
食事は?
Face to Faceの食事は頑張ってるかなって感じです。
昔は凄く美味しかったんですよ。なんか心ない生徒がフィリピン料理にクレームしたみたいなんです。それで、作られる料理が限定されてきて。行く度にFace to Faceの料理は普通になっている気がします。凄く美味しいフィリピン料理があったんですけどね。
僕が行った時は、女性陣は結構厳しそうな顔をしていることもありました。「今日のは凄く良いね」、「これはいいや」とか。朝飯はスキップしている人も多かったし。僕もそうでしたけど。
もう食事が売りの学校ではないんですね。
フィリピンの学校の中ではよく頑張っているなという印象。
(2015年9月16日(木)マニラのカフェにて)