台湾人オーナーのマルコムってどんな人?セブにあるWinning English Academy!

Winning English Academyは2015年にフィリピン人と台湾人オーナーにより創設された語学学校です。台湾人オーナーはマルコム(Malcolm)、フィリピン人オーナーはスタンリー(Stanley)。セブで初めて設立された台湾人オーナーの語学学校です。

Malcolm Stanley - Winning English Academy

ご縁があってWinningを体験しました。その時に、マルコムと一緒に過ごす時間が多くて、いろんな話をしました。学校のオーナーである台湾人のマルコム、フィリピン人のスタンリー。彼らの経歴と性格がこの学校を表しているので紹介します。

台湾人オーナー マルコムの経歴

台湾人オーナーのマルコム
台湾人オーナー マルコム(Malcolm)

マルコムの両親は二人とも、教育学部体育学科で修士号を取得しており、定年退職するまでの40年間、台湾の高校で体育の教員でした。

そして、マルコムの伯父さんとスタンリーのお父さんはビジネスパートナー。40年前からフィリピンで共同経営ビジネスをしています。事業の1つがレチョン屋。長く続いている老舗のお店だ。そして、もう1つが人材派遣ビジネス。台湾のIT系企業でたくさんのフィリピン人が働いているんです。

マルコムは台湾で生まれ育ったけど、昔からフィリピンとの繋がりがあったんです。大学を卒業したマルコムは伯父さんのビジネスを手伝うようになった。セブでの人材派遣ビジネスに関わりビジネスの基本を学んだ。学校で英語の勉強はしていたが、話す機会がなかった彼は、2年ぐらいで英語にも困らなくなったそうです。

「大学では友達を作って遊んでいただけ!」と言うマルコムは人懐っこい性格です。営業は向いていたと思う。一方、スタンリーは現場のマネジメントが得意。この性格が違う2人は気が合った。

ある時、日本の企業から連絡があった、「フィリピンの英語講師を日本に送りたい」と言う。その学校は、セブにある有名な語学学校の関連企業だったんです。その時に、彼らは「セブ留学」というものを知った。

多くの語学学校のオーナーは韓国人か日本人、フィリピン人が運営する学校はほとんどない。その事実を知ったスタンリーは学校を設立したいと思って、その思いをマルコムに伝える。彼らはすでに10年以上にわたってビジネスパートナーだった。セブで実践英語を身につけたマルコムもセブの魅力を感じていて、2人は学校を設立することを決める。それが2015年です。

フィリピンでは外国人が単独で会社は作れません。だから、名義上のフィリピン人が必ずいます。だいたい名義を借りているだけなんです。しかし、WInningではフィリピン人のスタンリーも運営に関わっています。ローカルビジネスを数世代に渡っておこなっているので、現地のコネクションが強い。これはすごい特徴です。

マルコムがマーケティング、スタンリーは学校運営、そういう役割分担になっています。

2018年に撮影されたマルコムとスタンリーのインタビュー動画

IT企業が加入後、コロナが直撃

コロナ以前、Winningはホテルの一部を借りて学校を運営していました。滞在先はホテル寮です。小規模な学校だけど、台湾人経営者の語学学校としてはパイオニア。だから、いろんな企業から投資の話があり、投資を受けて学校の規模拡大は狙っていた。

そんな中、2019年の中頃に台湾人のジェームズと出会う。ジェームズは台湾で留学エージェントとデジタルマーケティングの会社を経営していた。マルコムはコミュニケーション能力は高いけど、ITスペシャリストではなかった。

「君の会社ももうちょっとIT化をすすめるべきだ。」というジェームズの提案も腑に落ちたようだ。そして、共同経営者としてジェームズがWinningに加わった。ここで、またパズルのピースが重なった。

ジェームズは大学を卒業してすぐに起業していて、英語はイギリスで勉強したので、ブリティッシュアクセント。台湾の会社はマルコムの10倍の年商規模だ。

ジェームズが加わり、本格的に日本マーケットに力を入れ出した。アヤラモールの近くにいい物件を見つけて、学校移転の話を進めていた。しかし、契約書にサインをする直前でコロナウイルスが流行りロックダウンが始まる。

契約していたら学校は潰れていただろう。契約前にロックダウンが始まったので契約は中止。コロナで帰国を余儀なくされた生徒へは全額返金。国のポリシーで帰国が出来なかった中国人一家には、学校のホテル寮を継続して提供した。小規模な学校だったことが幸いした。

オンライン英会話 Winning Plusが成功

コロナを乗り切れたのは新しく加入したジェームズの力が大きかった。彼が加入したタイミングは最悪だったかもしれないが、Winning には最高だった。彼はWinningに加入する何年も前にオンライン英会話のサービスをスタートさせていた。自社システムを構築してマーケティングも行った。しかし、思ったほど会員が集まらずクローズしていた。

コロナ禍、Winningはオンライン英会話サービスを開始することを決める。この際、ジェームズの過去の経験とシステムが大いに役立った。マルコムは新キャンパスに移転するための予算をオンライン事業に投資する。ものすごいスピードでオンライン英会話サービス「Winning Plus」が開始。自社システムなので顧客の要望にも柔軟に対応できる。これをマルコムが販売した。台湾だけでなく、モンゴル、ベトナムにも販売した。営業先は主に教育機関。

オンライン英会話で規模が大きくなると問題がでてくるのがシステムだ。Winning Plusはシステム開発に強いメンバーが内部にいるため、システムを外注している競合より優位な立ち位置を築いている。

教育機関に営業すると、日本でも有名なオンライン英会話サービスが競合になる。他の企業では「それはできない」と言うことに柔軟にこたえた結果、大口の顧客を獲得できた。その1つがモンゴルの企業だった。

オンライン事業は大成功。現在、「Winning Plus」は世界中の100以上の教育機関に英語レッスンを提供している。売上は右肩上がりに伸びている。

台湾、中東、日本を繋ぐ学校再開

コロナが明けてきた2022年頃からセブの現地校の再開の準備を始める。そして、2023年3月にシティキャンパスがオープンした。

学校のメインターゲットは台湾、日本、中東の3国籍。マルコムは親戚が日本にもいて、日本のことにかなり詳しい。新日が多い世代だ。コロナ前に、台湾人の生徒と日本人の生徒が楽しそうに交流しているのを何度も見ていて、あの環境をまた作りたい気持ちを持っている。

中東の生徒が多いのも特徴だ。イスラム教徒の人にはマレーシアに留学するのが一般的だ。しかし、マレーシアに行くとイスラム教徒の人が多くて、どうしても母国語を使ってしまう。だから、あえてイスラム教徒が少ないエリアに行きたいというニーズがある。お金持ちのサウジアラビアの親が子供をセブに送る。その受け皿になっている。

この3国籍の生徒で安定したら、モンゴル、中国、韓国、ベトナム、タイに広げていく予定だ。オンライン英会話にはモンゴル人の生徒が多いので、次はモンゴル人が増えそうだ。

彼はニコニコしながら何でもオープンに話す。そして、いつも笑いながら言う。「俺はラッキーだ!」。しかし、運も実力のうち、彼の人柄が人を巻き込んでいくんだと思う。そして、これからも、また誰かを巻き込み、いろんな事業を展開していくだろう。

学校はまだベンチャーのフェーズだ。よい学校を作りたいという気持ちを強く持っていて、急速に発展している。正直、日本人スタッフに手厚くサポートしてもらいたい人には向かない。でも、国際交流に興味のある方や、日本人の少ない学習環境で留学したい自走できる方におすすめの学校です。

2024年にはマクタンに新キャンパスをオープン予定。現在建設中です。期待している学校の1つです。

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WINNING (セブ島)

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中谷 よしふみ

中谷 よしふみ

エンジニアベースの元コンサルタント。2012年にフィリピン留学を体験。自身の体験をシェアするため、このサイトを作ると、サイトが有名になる。圧倒的に詳しくなったので書籍を出す。そして、留学エージェントになる。体験した学校は105校。TOEIC845(リスニング450、リーディング395)。年間半分以上は海外で生活しているノマドクリエイター

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