途上国のフィリピンは、自然災害リスクが日本より大きいです。台風シーズンは大雨で洪水になるエリアがありますし、停電、断水は定期的に起きます。地方の場合は、復旧に時間もかかります。地震はあまりないですが、建物が耐震設計ではないので、たまに地震があると被害が大きいです。
停電
フィリピンの災害の話をしないと!マニラに来てどれぐらいのときにトラブルがあったんですか?
マニラに来て3週間の間に、地震と停電と断水を経験しました(笑)。まず停電です。マニラに来て1週間たったとき、18時ぐらいに、雷がバーンって落ちて。パソコンを使っていたから、ヤバい!思って、パッて電源を抜いたんですけど。真っ暗になりました。それで、ダーッて大雨になりました。お風呂上りで髪を乾かしてなかったんだけど、しょうがないから寝たら、朝になったら停電は直ってました。
あのとき、マニラの大雨は大変でしたね。2019年の4月ですね。その時にマニラに留学してた方はみんな大雨の被害にあってましたよ。
この大雨はすごいですね。
フィリピンは停電が多いですが、ほとんどが計画停電なんです。ただ、たまに台風や大雨で停電になるときがあって、その時は復旧にどれぐらい時間がかかるかわからないんですよ。あのときのマニラの停電はすぐに復旧してよかったです。
地震
次が地震です。停電の翌週だったかな。授業が終わって、17時過ぎ、グラッて揺れました。大きな問題はなかったんですけど、地震の後ってエレベータとかの点検が入るでしょ。それで、AVIDAコンドミニアムのエレベーターが停まってしまって。
「AVIDAに滞在している生徒は学校で待機してください。」ってなって学校に待機してたんです。そのあと、「解除されたから戻っていいよ」ってなって。何もなかったんですけど。フィリピンって地震があまりないから、みんなパニックになるんですよね。
あの地震のとき、僕はマニラ空港にいたんですが、空港もパニックでした。日本人は地震に慣れてますけど、フィリピンでは地震が珍しいんです。他の学校では、次の日に先生が来なくなって、授業が受けられない生徒もいましたよ…。地震でパニックになった親が子供を自宅待機させて…。
えー、そうなんですか。PICOは授業には影響なかったです。
断水
一番大変だったのは断水です。4月の終わりに、マニラが雨不足で、水が使えなくなりました…。出たり出なかったりですけど、2週間ぐらい断水は続きました。水が使えないと、お風呂に入れないし、トイレも流せないから、衛生状態が悪くて。本当につらかった…。部屋に水のタンクをいつも置いていました…。
コンドミニアムのAVIDAは水が出なかったんですが、近くのAZUMI HOTELはタンクがあったみたいで、水が出たんですよ。それで、学校マネージャーのリーゼルがホテルの5部屋をすぐに確保して、タイムテーブルを作ってくれて。みんなが自分の名前を書いて、順番にシャワーを浴びれるようにしてくれたんです。だから、しばらくは毎日AZUMI HOTELにシャワーを浴びに行ってました。
あの対応は素晴らしかった。日本人でも、あんなに迅速な対応ができるマネージャーはなかなかいないって、日本人の生徒はみんな絶賛してました。非常事態時に学校の対応力の差が出ますね。
そうですね。でも、断水のときは本当にしんどかったです。リーゼルは神対応だったけど、体調をくずしている生徒がたくさんいました…。
最初の1ヶ月で、停電、地震、断水が起きたんですね…。首都のマニラで、滞在環境のいい学校でも、自然災害はどうしようもない。途上国のリスクですね…。
5月末にお会いしたとき、私はすごい咳をしてたでしょ。体調が悪かったんです。咳がしばらく止まらなくて。病院に2回行きました。熱も出ました。水不足のときは、お腹もこわしました。水がダメだったのか、体が弱っていたのかはわからないです…。
学校からは、「歯磨きはウォーターサーバーの水を使ってください。」って言われています。歯磨きのときの水が原因とは思わないけど。可能性はありますからね。
アジアに免疫がない人は、最初は体調をこわしますね。僕も初めてフィリピンに来たとき、お腹をこわしました。もう壊さないですけど、疲れてるときは体調を崩しやすいですから注意しないといけないですね。
その後は、お腹が壊してないです。でも、ものすごく気をつけているので。強くなったかどうかはわからないです。フィリピンは途上国だから覚悟はしてましたが、断水は経験したことがなかったので、本当に大変でした。運が悪いと、そういうこともあることは知っておいてほしいです。
(2019年9月1日(土) マニラにて)
編集後記
2012年からフィリピン留学に関わっていますが、いろいろな災害を聞きましたし、経験もしました。学校の屋根が飛んで青空授業になったり、先生の家が壊れて先生が来れなったり、停電が1週間続いて、ロウソク生活になったり、断水が続いてトイレが流せなかったり。振り返ればいい経験ですが、その時は笑えないこともありました。
そういう災害に遭遇する可能性は極めて低いです。しかし、日本でもそうですが、運が悪いと災害に遭遇する可能性があることは理解していてください。そして、フィリピンは途上国ですので、災害時の被害が予想以上に大きくなることがあります。そういった非常事態時に学校の運用体制の違いがでます。学校内にジェネレーターを置いてる学校は停電の復旧が早いですし、すばやく意思決定できる方が学校に常駐していると災害時の対応が素早いです。