貧困者にモノを与えても社会問題は解決しない。路上生活者を支援するNGOインターンの体験談

マニラのNGOでインターンをしている大学生の体験談。フィリピンで路上生活者の支援をして学んだのは、貧困者にモノを与えても問題は解決しないということ。パンをあげるのではなく、経済的に自立する方法を教える。

フィリピンのNGOでインターン

22歳女性、期間7ヶ月、創価大学4年生(休学中)

フィリピンのNGOのインターンで路上生活者を支援

バギオに語学留学して、デラサール大学で3ヶ月勉強して、UPに来ました。1か月ちょっと経ちました。いまはマニラのNGOでインターンシップもしてます。

インターンで英語の勉強になってるんですか?

はい。日本人が経営してるNGOなので、日本人のスタッフさんとはもちろん日本語で話しますけど、フィリピン人のスタッフとお話をするときは基本的には英語です。

どんな団体でインターンしてるんですか?

路上で生活している子供たちの生活を向上させる団体です。実はJICAのプログラムの1つなんですよ。JICAは大きい組織なので、JICAが実際に海外の問題を解決することは実はあまりなくて、JICAがNGOとか企業に委託してるんです。

資金はJICAが出して、資金をこう使ってほしいって細かく指定してくれるんです。だからJICAのプログラムなんですけど、自分はマニラにあるNGOでインターンシップをしてます。

マニラのフィリピン大学の授業の様子

具体的には、ドロップインセンターっていう保護施設でご飯をあげたり、シャワーを浴びさせてあげたりしてます。路上で生活をしていて、保護者や大人からの保護がない子供たちは、食べるものがないとか本当に死と隣り合わせなんです。

ボランティアの緊急支援は永続的じゃない

でも、そういうボランティアの緊急支援って永続的じゃないんです。パンをあげてもその子供が一生食べていけるわけじゃないから。モノを与えても根本解決はしないんです。だから、これからやるのは、路上で生活してる子供たちがパン屋さんを作って自分たちで生活していけるように支援することなんです。

パンを作る技術を教えるってことですか?

それはもうかなり習得してるみたいです。NGOの路上生活者の支援プログラムが始まってもう結構経つんです。パン作りのトレーニングは終わってて、もうすぐお店がオープンするんです。子供って言っても20前後の子供も多いので、年齢は自分とあんまり変わらないんですけど。職業訓練ですね。

マニラの路上生活している子供に経済的に自立する方法を教えるんですね。難易度が高いですね。そもそも大学で授業を受けながら、インターンってできるんですか?

いま大学で授業を2種類受けてるんですけど、その授業が週3日です。インターンが週3日で、日曜日だけお休みです。インターンと授業の曜日が重なっていないんです。インターンでも学びがありますよ。

(2015年9月10日(木)マニラのクバオのレストランにて)

編集後記

ボランティアに関しては個々人のスタンスがあると思います。僕はボランティアをする人を肯定も否定もしないですが、僕はボランティアはしません。与えることは何も解決しないと思っているからです。魚をあげるな。魚の釣り方を教えろとよく言われてますよね。

僕は、ボランティア団体からモノを与えられて、与えられることが当たり前になってしまっている人をたくさん見ました。与えることは与える人の自己満足と、与えられる人のハングリーな気持ちを奪うと考えています。いろいろ経験してこの結論に至っています。これを人に押し付ける気もないので、ボランティアに興味ある方はぜひやってほしい。若い人はいろいろ経験してほしい。フィリピンにはネタがいっぱいあります。

体験談に出てくる学校

JIC Baguio (バギオ)

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中谷 よしふみ

中谷 よしふみ

エンジニアベースの元コンサルタント。2012年にフィリピン留学を体験。自身の体験をシェアするため、このサイトを作ると、サイトが有名になる。圧倒的に詳しくなったので書籍を出す。そして、留学エージェントになる。体験した学校は105校。TOEIC845(リスニング450、リーディング395)。年間半分以上は海外で生活しているノマドクリエイター

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