親子旅行としてセブ親子留学をした親の感想。留学の英語以外の価値についてです。フィリピン親子留学は不登校の子供のキッカケや、親子問題を抱えた家族のキッカケになってます。
親子旅行でオススメのセブ親子留学
2015年に2週間、親子でセブ留学に行きました。
どんな経緯で親子留学したんですか?
当時、娘は小学校4年生だったんですけど、娘が大きくなる前に母娘2人で旅をしたいと思ったんです。というのは、私は東京で単身でビジネスをしていて、娘と一緒に暮らしたことがなかったんです。時間や距離を縮めるためにも、いろんな話をしなければならないと思っていて。ちょうど仕事も落ち着いてきていたので、思い切って2週間仕事を休んで、親子留学することにしたんです。
それまで2人だけで過ごすことがなかったんですか?
娘は赤ちゃんの時から私の実家にいて、姉が母親代わりで育ててくれていたんです。娘も小さいながらに自然と姉を尊重していました。もちろん、お正月やお盆に1週間ほど実家に帰りますけど、会うのは年に5回ぐらいなので、家族の中だとお互い気兼ねするんです。家族に娘の面倒を見てもらっているし、またすぐに東京に戻るので、でしゃばれない…。母親ですけど、家族との距離を感じていて。私だけじゃなく、娘も、家族もみんなそうだったと思います。
どうして普通の旅ではなく、親子留学を選んだんですか?
娘とゆっくり時間が過ごせて、英語の勉強ができる親子留学は一石二鳥だと思ったんです。
英語の勉強がしたかったんですか?
そうですね。私はビジネスをやっていますが、ビジネスシーンで英語は武器になると感じています。以前は、海外ビジネスも通訳を使えばいいと考えていたんです。でも、英語が話せたら、食事の時間とかでもっと深い人間関係が作れますよね。だから、今更ですけど、英語は必要だなと思って(笑)。
あと、親として、娘に英語と中国語を話せるようになってほしいと思っています。その2つの言語ができたら、生きていく上でプラスになると思うんです。
留学先はフィリピンにすぐに決まったんですか?
フィリピンの手軽な価格設定が良かったです。アメリカとかだと2週間留学でも費用がかさむので。それに、セブ島は良い街じゃないですか。私の中ではリゾート(笑)。
リゾートと思ってる人が多いですね。セブの治安に不安はなかったんですか?
正直言って、家族や周りから「フィリピンは大丈夫?」って心配されました。でも、なんとかなると思ってました。
行く前のセブのイメージって、治安が悪い場所なんですか?それともリゾート?
やっぱりフィリピンは危険な印象がありました。リゾートと危険エリアがあるので、事前に治安が悪い場所は調べました。安全な国ではないですよね。
どうやって学校を決めたんですか?
セブ留学のホームページを作っている知り合いがいたので、その方に紹介してもらいました。日本人経営だと、日本語中心になるので、どうせなら日本人のいない環境に行ってみようと思って、最初はセブではなくて、全く日本語が通じない学校を紹介してもらったんです。でも、私も娘も一言も英語を話せないので、ちょっときついかなと思って。それで、日本語ができる韓国人オーナーの学校を紹介してもらったんです。それがシンディの学校のNLSです。
ホームページをチェックして、問い合わせをして、日程と授業数を決めたら、金額が確定して。他の学校よりも安くて即決したんです。
留学前のやり取りはそれぐらいですか?
そうですね。シンディにはセブ空港で初めて会いました。滞在先はラモスタワーというコンドミニアムで、学校は歩いて2分ぐらいのところです。韓国人の子がいましたが、日本人の生徒はいなかったです。
心配していた治安はどうでした?
空港から学校に向かうときに、車のドアはちゃんとロックするように言われました。信号待ちの時に物を盗るためにドアを開けられることもあるみたいです。最初は怖くてタクシーには乗らなかったんですけど、4、5日目ぐらいからは普通に乗ってました。全然問題なかったです。
完全オーダーメイドの英語カリキュラム
あの学校はオーダーメイドだから、形がよくわからないんですよ。
完全にオーダーメイドでした。1日目の午前中にレベルチェック試験を受けるんです。私と娘は別室で、それぞれ先生と話して。それで、その試験結果をもとに、先生が私たちに合う教科書を本屋に買いに行くんです。そこからスタートなんです。
教科書を買いに行くんだ(笑)。教科書は別料金?
教科書の料金は留学費用に含まってます。食事もついてるので、お金を使うのは、スーパーやコンビニに行く時ぐらいでした。
授業は?
授業は娘と私で別々で受けました。本気で勉強というか、楽しく、ゆるい勉強でした。
1日何コマですか?
8時間です。午前3時間、午後5時間。お昼休みと授業の合間に休憩がありました。私のレベルがあまりにも低かったので、午前中は発音、午後から文法みたいな感じです。
8時間は疲れるでしょう?
疲れる間もなかったです(笑)。笑い話でみんなに言うんですけど、「This is … 」ってフレーズの発音練習を3時間ぐらいさせられたんです(笑)。最初は2週間どうなるんだろう…、と思いました。
お子さんはどうだったんですか?
やっぱり子供は柔軟性がありますよね。すぐに打ち解けて、話していましたよ。
授業はフィリピン人の先生とですが、シンディが授業前後でフォローをしてくれるんです。だから、朝から晩までずっと一緒です。お母さんみたいな感じなんですよ。
休みの日は、モールとかに連れていってくれるんです。夜は自由行動ですけど、だいたい一緒で。そういうのも、すべて留学料金に含まれていて、別料金ではないんです。
食事は?
朝食はホテルに付いています。昼食はシンディか誰かが作ってくれたものを先生と一緒に学校で食べます。夕食は、先生と一緒の時もありましたし。シンディのお友達とご一緒する時もありました。韓国人の男子留学生も一緒で家族のようでした。ホームステイをしている感じ。
困ったことはなかったですか?
シャワーは水しか出ない時がありました。でも、暑い国だから、まぁいいかって。あと、21時以降はホテルのロビーと廊下の電気が消えて真っ暗になりました。でも、不満というほどではなかったです。「ちょっと怖いよね。」ぐらいで(笑)。
海外に出ると、日本は独特な島国ってことに気づきますよね。衣類を洗濯したら、翌日には乾いているので、着替えなんて2枚で十分。洋服は結構持って行ってたんですけど、「何にもなくてもこんなに幸せに生きれるんだ。」って思いました。正直、英語の勉強よりも、カルチャーショックのほうが印象に残ってます。
ジプニーにも乗ってみました。道を歩けば子供達が裸足でたくさんいて、娘が「子供達は何で裸足なの?」って聞くので、途上国の事情を話しました。多感で心が形成される時期だったので、2週間でしたが、娘の心がぐっと成長していった気がします。途上国の子供達と日本での自分の環境を重ねたんだと思います。「結局、何もいらないよね。」って2人で話しました。
ランチは固まった冷ご飯がボーンって出てきて、娘は初めて見る冷やご飯に驚いていたんです。今の若い子達は冷ご飯を食べたことがないんじゃないかな。でも、娘は冷ご飯をだんだん美味しく感じてきたみたいで、そんなにおかずもいらないと言って、最後はおかわりするようになっていました(笑)。
夜は2人で毎日2時間ぐらいベランダで話をしました。お互い今まで話せなかったことを。英語の勉強だけでなく、毎日たくさん話せて楽しかったです。英語だけではなく、もっと大事なことを学ばせてもらいました。
親子留学後の親子の変化
私は帰国して2ヶ月ぐらい仕事ができなくなったんです。ビジネスマンとしてはダメなんですけど、何のために仕事をしてお金を稼いでいるのか、分からなくなってしまったんです。自分の過去、現在、未来についてすごく考えました。
よくある感想なんです。日本人って将来のために今を犠牲にしてる部分があるけど、フィリピン人は将来をあまり考えないけど、今を楽しんで生きてる。その違いを感じたとき、人生には何が大切なんだろうって考えちゃうんです。結論は出たんですか?
会社経営をしているから、責任は全うしなければいけない。ただ、自分の人生設計はしっかりとできました。最終目的はお金ではなく、人生を豊かにすること。そのために今やるべきことを明確にできました。
英語以外の発見があったんですね。
そっちの方が私には大きかったです。でも、英語もよかったです。この歳で仕事しながら英語を覚えるのは大変だし、2週間では限界があります。短期留学では、劇的な英語の成長は難しいです。でも、苦手意識をなくせるだけでも大きな価値ですよね。英語恐怖症でしたが、英語に抵抗がなくなったのは本当によかったです。
英語恐怖症だったんですか?
はい。外国人の前だと構えてしまって、固まって何も喋れなかったんです。それが、フィリピン留学後には自分から声をかけるようになって(笑)。会社の近くには外国人がよく通っていて、地図でホテルとかを探しているから、声をかけて道案内をするようになりました。
外国人としゃべっていても、分からなかったら、「I don’t know.」って言えばいいし。どうしても通じない時は、アプリがあるじゃないですか。先々週アメリカに行ってたんですけど、怖がらないで、何でも聞くことができました。
帰国後、娘さんの英語に対するスタンスは変わったんですか?
今、娘は中学生で、勉強は嫌いなんです。でも、英語は好きみたい。フィリピン留学は英語に対する抵抗をなくすキッカケになったと思います。
あと、自分で何でもするようになりました。途上国の貧しい状況や靴も履けない人たちを見て何かを感じたんだと思います。日本では祖父母や伯母と過ごしているから、ご飯を残しても怒られないんです。でも、食べれる量しかご飯はいれなくなった。
包帯を巻いていて、手がない子供を抱いている親がいるでしょう。シンディから、「ストリートチルドレンにはお金をあげないほうがいい、もしお金をあげちゃうとその人たちがいっぱい生まれてきちゃうでしょ。」って説明してくれて、その状況を子供ながらに考えたようです。子供の時に、途上国を見たら人生観は変わりますね。
オススメな理由は子供の長所を伸ばしてくれるから
娘は高校では海外留学したいと言ってるので、シンディの学校がいいかなと考えています。その時は娘一人で。
またシンディの学校に行くんですか?
たぶん、ほとんどの親はシンディにまた預けたいと思うと思います。娘の海外の母親みたいな感じ。シンディと2週間一緒に生活させてもらって、勉強だけでなく心の教育の面でも、この人に預ければ間違いないって信用できました。他人でそう思える人ってなかなかいないでしょ。しかも海外で。
親からの人気が絶大なんですよね。それで15年ぐらいやってますからね。シンディが信頼できるのは、どういうところなんですか?
うちの娘はちょっと個性的なんです。それでも、娘の特徴を瞬時に理解して、向き合ってくれたところ。すごいと思いました。
先日、中学校2年生の韓国人の女の子と話したら、声が小さくて、口数も少なかったんです。その子の親は「この子はすごい人見知りでシャイなんです。」と言ってシンディに預けたらしいんですよ。でも、シンディは「アクティブな子だから、フィリピンで引き伸ばしてあげる。」って言って、親が驚いていたみたいなんです。今の話と繋がりますね。
子供の個性って親でも分からない時がありますからね。親は子供に期待するし、つい贔屓目で見ちゃうので。でもシンディは、子供をまっさらな状態で見て、短所ではなく、長所に対して親ができないような細かいアプローチをしていくんです。あの学校の子供はみんな生き生きしてます。
韓国の留学生が疲れて「勉強したくないー」と言った時でも、ちゃんと話を聞いた上で判断していました。甘えている時は「絶対ダメ!」ってビシッと言うし、本当に疲れている時は「じゃあ、授業を遅らせよう。」って。
本当にお母さんみたいですね。
親でも子供にイライラする時がありますけど、シンディは状況を理解して、包むように子供と接する才能があると思います。
日本で居場所を作れてない子供のための学校
大満足だったんですね。
だってあんな人いないもん。親が安心して預けられる人だと思う。夏休みとかに短期で行って様子を見てみてもいいと思います。
どれぐらいの期間が適切だと思いますか?
2週間以上は欲しいですね。1週間は短い。短期すぎて、街の事も人の事もわからないから。
シンディとはもう3年ぐらいの付き合いなんですけど、あの学校は形がないから紹介しにくいんです…。
うちの娘は個性的なので、型がありすぎると逆に合わないと思う。型がない学校を求める人もたくさんいると思う。日本の学校って、型でガチガチじゃないですか。それに馴染めない子供が1クラスに2、3人いると思います。そんな子に適した最高の学校だと思います。
だから個性的な子供にオススメしたいです。日本社会でなかなか居場所を見つけにくい子。学校に馴染めなくて、ストレスを感じて、心を閉ざしてしまった子。そういう子供はシンディの学校に行けば何かのキッカケになると思います。シンディが良い所を教えてくれるから自信を持てると思う。
実際に、不登校の子とか、日本社会に適当できない子供もフィリピンにはたくさん来てるんです。親子で来るケースもあれば、親が匙を投げたような子もいます。そんな子達が、日本と全然違うフィリピンの環境で、自分の居場所を見つけられたら素晴らしいですよね。
そっちの方が大切だと思う。勉強を重視するなら、しっかりとカリキュラムが組まれた学校に行くべきだし、それなら日本国内でもいいかもしれない。でも、もし、勉強だけが目的でないなら、シンディの学校はすごくオススメです。親みたいに子供に接してくれて、その子供に必要なことを提供してくれるから。
親子留学は親子の問題を解決するキッカケになる
今は、問題を抱えた親子って結構多いと思うんです。一緒に住んでいても、親子の距離を埋められないこともあるでしょうし。何かが原因で子供が心を親に閉ざしてしまってることもあると思います。子供が不登校で悩んでる親もいっぱいいると思う。一度不登校になると、何かキッカケがない限りは復帰するのは難しいと思うんです。無理に登校させようとするよりも、環境を変えて、リセットしてあげるのも1つの方法だと思います。
だから、親子関係がギクシャクしてるなら、親子で新しい環境を見てみたらいいと思う。もしよかったらまた行けばいい。そういう感じで、シンディの学校でフィリピン留学に触れてみるのはすごく価値があると思います。あんまり英語学校としては見てないかもしれない。シンディという人に子供が出逢うことが、子供の人生にとって大きな財産となると思う。
子供達は自信喪失していることもあるから、そういう時は肯定してあげないと。でも、親だけでは難しいと思うんです。全然違う環境で、良いところを褒めてもらって、自分は良いところがあるんだって気づいた時に、本人が変われると思うんです。
日本に居場所がなくても、海外にはあるかもしれないし、日本一択でもないですからね。いろんな価値観を知るのは大切ですね。
子供が小学校高学年の時に、親子旅行で濃い時間を過ごすのは一生の想い出になると思います。ディズニーランドとかいろいろ行きましたけど、「行ったよね~。」みたいな感じで深い記憶には残らないんですよ。でも、セブの親子留学は、多分、私は一生忘れない、娘も一生忘れない。
有意義な親子旅行だったんですね。
セブ最後の2日は、マクタン島のシャングリラホテルに泊まったんですよ。セブの貧しい所と良い所を娘に見せてあげようと思って。けど、五つ星ホテルの感想は「ゆったりしていて、いいよね。でも、することないね。」みたいな(笑)。今度はどっちに行きたいか聞いたら、学校の方が良いって言っていました。NLSは特別な学校ですね。あの時、娘と一緒に留学できたことに大満足しています。
親子留学は本当にいろんなニーズがありますね。
安くて内容も良くて大満足でした。同じような環境の親子がいたら、1つ選択肢として親子留学を検討して欲しいです。
(2018年6月21日(木)飯田橋にて)
編集後記
親子旅行として親子留学が使えるんですね。子供に途上国を見せて、何かを考えるキッカケを与えるのは英語以外の価値だと思います。そういう価値ももっと広まって欲しいです。
NLSは親の紹介で15年ぐらい続いてる学校です。残念ながらホームページは更新されないし、日本人生徒もいません。でも、関わった親はみんな満足しています。興味がある方は検討してみてください。
http://cebu-nls.com/
Podcast: Download (Duration: 38:53 — 8.9MB)