世界の教育事情を知るためインドとケニアのNPOへ行く大学生!フィリピンの学校インターンで英語と国際協力を学んでいます。
フィリピンで英語と国際協力を学ぶ大学生の体験談
リョウヤです。大学4年生を休学して、4月から3ヶ月間ドゥマゲテのDETiに留学しています。残り3週間です。
留学の目的は?
8月からケニアでギャング社会復帰支援のNPO活動を4カ月、年明けからインドでNPO活動を3ヶ月する予定です。休学1年間はほぼ海外での活動なので英語力が必要なんです。
国際協力にはいつから興味を持ち始めたの?
大学からです。小中高はサッカー一色だったんです。大学では違うことに打ち込もうとした時に見つけたのが「国際協力」で、大学1年生の夏休みにインドのスタディツアーに参加したんです。
インドのスタディツアーで何をしたの?
児童労働、人身売買、ストリートチルドレンの3つのグループに分かれて、それぞれが調査して、解決策を考えました。滞在中に現地の子供達と仲良くなって、もっと深く関わりたいと思って、これまで5回インドに行きました。長期休暇中はインドNPO活動にスタッフとして参加しています。それで、もっと英語を勉強したくなったんです。
留学先はすぐにフィリピンのDETiに決まったの?
インドスタディツアーの主催者がIMAGINUSというNPO団体で、その代表の高橋大海さんがDETiのオーナーでもあるので、フィリピン留学の話は聞いてたんです。だから、自然な流れでDETiに決まりました。
DETiには普通の語学留学ではなくて、インターン50というコースがあったのも良かったです。生徒とインターンが半分ずつで、月火と水の午前が英語授業、水の午後と木金がインターン、土日がフリーなんです。
もともとの英語力はどれくらい?
中学3年の時に、英検3級を取って、それ以降は受けていないです。中学の英語の授業は好きでした。若い男の先生で、フレンドリーだったし、授業も分かりやすかった。中学の修学旅行がロンドンだったから、街散策の時は、教科書の中の買い物や道案内の表現を使って英会話実践をしました。でも、高校の英語の授業は眠くて、好きではなかったです。TOEICは大学1年時は400点の後半で、大学3年時で525点。
大学の3年間でTOEICのスコアは少し伸びているね。
インドでのNPO活動は英語が必須の環境だったから、伸びたんだと思います。インドでは主張しないと事が前に進まないのでサバイバル英語力は鍛えれました。2回目のインドで日本人がいないところで2週間過ごした時、「あ、英語が聞き取れてるわ〜。」って感じました。
フィリピンは初めてですよね?ここはフィリピンの田舎だから、私は道中の牛に驚いたんだけど(笑)。
インドやミャンマーにも行っていて、アジアの国に対する免疫はあったので大丈夫でした。インドには野犬も野良牛もいたから、フィリピンに来て大きなカルチャーショックはなかったです。生活環境で困ることも特になかった。
英語授業ではディスカッションに力を入れる
授業は何コマ?
一日5コマです。
どんな授業?
シミュレーション、映画、ディスカッション、Show&Tell、ミッションデーかな。あと、プレゼンテーションという授業があります。先生5人に発表をして、誰が一番上手かを見るんです。テーマは、国際協力インターンの内容の時もありますけど、基本は自由。
最近やったのは、「一番説得力のある寄付の集め方」についてです。発表時間は5分くらいで、パワーポイントにまとめるので授業外で準備が30分から1時間くらいかかります。
授業はどうやって決まるの?
まず用意されていた授業を一通り受けて、変更したい授業は先生と相談しながら変えます。トピックは興味のある国際協力だけじゃなくて、死刑制度や国際結婚とかの社会一般の問題も扱うようにしています。テーマが変わると語彙も変わるので、新鮮で面白いですね。英語学習はモチベーションを保つのが難しいから、自分がやりたいことをリクエストした方が良いです。先生方は応えてくれるので言わなければ損だと思います。僕は、プレゼンテーションの回数を減らしてもらいました。やる以上は中途半端はよくないし、時間と労力をかけて質をあげたかったので。こだわっちゃうんです(笑)。
お気に入りの授業はありますか?
ディスカッションの授業は力が付くと感じています。だから、授業数を増やしてもらいました。基本はマンツーマンですけど、時々、他の先生たちも参加してきて3、4人でする時もあります。
映画の授業では何を扱ったの?
1回目は「トトロ」でしたけど、内容を知ってるから、英語で質問されても日本語の知識を英訳して答えてしまうんです。だから、2回目からは海外ドラマの“GOOD DOCTOR” に変えてもらいました。医療ドラマだから専門用語が出てきて大変でしたけど、内容も面白くて最後までモチベーション高く臨めました。
部屋にたくさんTOEICの本があったけど、TOEIC対策を自主勉でやっているの?
いえ、TOEICの勉強はしていないです。僕はシャードーイングをやっています。最初は英語のスピードについていけなくて…。口も舌も回らなくて、適当になっちゃうんです。でも、先生から絶対にやれって言われてるから、時間があればずっとやっています。いつもこのバンブーコテージでやってるんですけど、風が通って、解放感があって気持ちいいです。
シャードーイングが上手くできるコツは見つかった?
僕は集中力が切れるんですよ。だから、TED Talksから好きなトピックを選んでやってます。最初は字幕で見て、その後にひたすらシャードーイングします。
TED Talksでシャードーイングはいいですね。なりきれるし。格好良く歩きながらやったらまた良い(笑)。
ほんまにそれです。やりきったら、むちゃくちゃ楽しいんですよ(笑)。
間の取り方も勉強になっていいよね。聞き手を意識してしゃべる練習にもなるしね。私は、目を閉じたらいいよって教えてもらって、やってみたらちょっとだけ上手くいったよ(笑)。
それは僕もやっています。でも、僕は目を閉じたら寝ますね(笑)。あと、電子辞書に入っている簡単な英会話の用語集でもシャードーイングをやってるんですが、意外と実用的でした。
国際協力インターンで商品開発と教育調査を担当
学校インターンと国際協力インターンの2つを兼ねているんですよね。業務内容は?
学校のインターンは9時から17時までが勤務時間です。ゴミだし、プール掃除、皿洗いとか日常的なこと。あとは、お客さんが来た時の対応。他にも頼まれることがありますけど、自分たちで考えて行動することが多いです。
プールはすごくきれいだけど、どうやって掃除しているの?
塩素入れ、ポンプ回し、バキュームクリーナーで汚れ取り、網で草すくいなどです。
国際協力のインターンは何をするの?
2つあって。1つは、前のインターンが立ち上げていた“Chada(=よりよい) Project”です。サトウキビ畑で働く農家の収入がすごく低いんです。だから、一緒にフィリピンコーヒーを商品化して販売して、その売上げを地元生産者に還元してます。
もう1つは、教育分野にフォーカスしたもので、今は活動前の調査段階です。僕はどちらかというと教育に関心があるので、教育に注力しています。
どちらの取り組みも地元の人との共同作業ですよね。
毎週金曜日には業務報告を兼ねて大海さんやスタッフにプレゼンをしています。そこでアドバイスをもらいながら計画を詰めていきます。現地の人との交渉は大海さんがやってくれますけど、自分たちで直接連絡をすることもあります。その場合でも必ず大海さんには報告をして行動してます。
教育分野での活動の方向性は見えてきた?
山間部の子供達は学校に通えていない場合があるんです。貧困だけじゃなくて、学校が遠いから登校に対するモチベーションが上がらないとか。片道、歩きで2時間かかる子もいます。車でも40分位。フィリピンの義務教育システムはちゃんとあるので、全ての子供が学校にアクセスできる方法はないか考えているところです。
授業以外で英語を使う機会はありますか?
はい。地元での調査では、英語が話せない村人もいるので、先生に通訳をしてもらうんです。だから、先生とは英語でやりとりをしなければならないし、事前の打ち合わせとかプレゼンももちろん英語です。
インターン50は、仕事の中で英語が使えるのがいいね。使った英語は身体にしみこみやすいんだよね。
そう思います。でも、使う頻度が高い単語や文章だけ使ってたりするんです。いろんな言い回しができるように意識して語彙数を増やしていきたいですね(笑)。
ボキャブラリーを増やすには類語辞典がいいらしいよ(笑)。DETiで今2カ月過ごしてみて、英語力の進歩は感じますか?
はい。TOEICの模擬試験はリスニングだけ月1回受けているんですが、来たときは495点中300点位で、今は360点位。スコアが飛躍的に伸びたわけではないですけど、英語に対する意識は変わりました。今までは単語でも伝わればいいと思ってたんです。それでも日常生活は生きてはいけます。でも、適切な表現でないと、伝えたいことが伝わらないこともあるので、文法も意識して、もっと正確に表現しようという意識に変わりました。実践の場はいくらでもあるので、小刻みにジグザグしながら進歩はしていっていると思います。
今後の英語に目標は?
オフィシャルの場、ディスカッションの場で、日本語と同じようなスピードとクオリティで英語が使えるようになりたいです。うまくしゃべれなくて悔しい気持ちになりますけど、日本にいたら気づかないので、フィリピン留学をしてよかったです。
自然豊かでビーチ好きに最高の学校
学校周辺の環境はどう?
このネグロス島は自然が豊かで空気はおいしくて、街がきれいです。学校の目の前にもきれいな海があって。熱帯魚もいるし、市場で見かける大きな魚もいるし。まだ捕まえたことはないけど、食べれる魚もいると思いますよ。学校の隣の人は漁師みたいだし。
学校の前のビーチにDETiの手漕ぎ舟があるでしょ?
はい。まだ舟に乗ったことはないけど、大海さんは沖まで行っているみたいですね。海もいいけど、プールも面白いですよ。深さ2mくらいあるので、岩から飛び込んで楽しんでいます。親子留学の子供と一緒に泳ぐ時もあります。学校の目の前がビーチとプールだから泳ぐのが好きな人にはすごくオススメです。
深さ2mのプールって、泳げない人は浮き輪がないと危ないよね。
深い所は限られているから大丈夫ですよ。それに、子供がプールに入るときは、僕たちインターンか親御さんが必ずついているので問題はないです。
住んでいるあのビーチハウスは何人泊まれるの?
1階は2段ベッドの部屋とツインベッドの部屋があって。2階はベッドがないけど布団をひけば5人は余裕で泊まれます。2階の部屋にはオーシャンビューの広いテラスがついているし。リビング、キッチン、シャワールームもあります。
かわいくて秘密基地みたいだもんね。
ほんまにそれです(笑)。
今、大学生男子3人で暮らしているんだよね?
そう。4月に初めて会ったんですけど、結構、仲良いんですよ。
フリーの時は何をしているの?
雨で暇だった時、人生初の出張マッサージを興味本位でやりました。オジさんが来て、メチャメチャ強い指圧でした(笑)。
あと、近くには温泉もあるんですよ。大海さんがジープを運転して連れて行ってくれたんですけど、川なのでむちゃくちゃ熱い所と冷たい所があって、その境界を行ったり来たりしてました。
学校のご飯
学校のご飯はどう?
DETiの食事は抜群に美味しい!平日、食事担当のアンが作ってくれるご飯は本当に美味しくて、毎回楽しみにしてます!
土日はご飯はないよね?どうしてるの?
たまに外食もするんですけど高いので、だいたいマーケットで食材を買ってきて、みんなで料理しています。カップ麺の時もありますけど(笑)。
外食っていくらぐらいするの?
日本円で150円くらいかな。でも、自炊した方が安いし、食べたいものが食べられるので自炊が多いです。
魚料理とかも作るの?今日、大海さんが大きなシーラをさばいていたみたいに。
いや、魚はまだ手を付けていない…。イカです(笑)。イカメシ、イカ砂糖醤油煮、イカバター醤油炒め、イカ茹で刺身!
美味しそう。3人の中で誰が料理上手なの?
僕が一番上手いんじゃないですかね(笑)。
大学の教育学部の今後に期待
将来設計は?
まだ未定ですけど、教育学部なので教員になるのが1つの選択肢です。その時には今の経験を授業に織り交ぜて、子供達に還元していきたいです。だから、ケニアではギャング社会復帰支援以外にも、現地学校を訪問してケニア教育事情も見てこようと思っています。
大学の教育学部では何を学んでいるの?
大学の授業では授業展開、生徒指導、学級経営の手法を学ぶことが多くて、ディスカッションとかプレゼンをする機会はないです。教育学部の生徒はみんな意見を持っているはずですが、それを表に出す機会がないんです。だから、僕は学校外のイベントで経験を積みました。自主的に仲が良い子とはよく話すんですけど、授業でも概念的なものをシェアする機会をもっと持ちたいです。
DETiがオススメなタイプ
どういう人がDETiはオススメですか?
英語が必要って思っているけど、何をしていいか分からない人にオススメです。授業が柔軟で、苦手な部分を補ってくれるんです。
あと、親子留学もオススメです。今も1歳、3歳、4歳の子供が来ていて楽しそうだし。先生もインターン生も子供が大好きなので、遊びには間違いなく付き合います。4月から親子留学が4、5組来ましたけど、「過ごしやすかったよ。」ってよい評価もいただいています(笑)。ネグロス島はいいですよ。鶏と牛が交互に鳴いていて、学校の前はきれいな海ですから。気張らずに楽しめると思います。
この後のケニアには「トビタテ留学JAPAN」で行くんですが、二次試験対策もDETi経営者のきよみさんとか他のインターン生に見てもらって準備をしました。きよみさんは昔は英語の先生だったのでいろいろアドバイスしてくれるのでそれもよかったです。
逆にDETiに合わないのはどんな人?
自主性はあった方が良いですね。キッチンの使い方にしても、分からないことは自分から聞かないといけないです。そうじゃないと朝ごはんで卵も焼けないので。ここにいれば社会性はおのずと身に着くとは思います。でも、来てみたら、みんなフィットする気もしますけどね。
わかりました。ありがとうございました。頑張ってください。
(2018年6月5日(火) DETiにて)
編集後記
ネグロス島海辺の自然豊かな環境は、本来、人が持っている生きる力が目覚める場でもあると思います。癒しの家庭に住む感覚での留学。リフレッシュ、ボランティア活動など、英語力だけでなく海外生活の経験値は格段に上がります。親子留学にもオススメです!
教育に対する熱い思いを語るリョウヤ君の今後の活躍が楽しみです。体験を重視して実践英語を学ぶ学校のDETiは「想い」を「形」にすることができる場。興味ある方は公式サイトへどうぞ!
大学生にオススメのスタディツアー、ネグロス島イノベーションスタディツアー!
Podcast: Download (Duration: 37:45 — 21.6MB)