旅行ついでに英語を学ぶ!セブでSTEAM授業を体験した小学生の3日間

小学生の息子さんの英語教育に力を入れているお母さんにお話を伺いました。留学ではなく、短期滞在でサマースクールやホテルのキッズクラブを体験しながら、段階的に英語力を伸ばしているそうです。そして今年は、ついにセブに挑戦!

セブ旅行ついでにSTEAM授業を体験した小学生

小学3年生、8歳、3日間

小学1年生:ハワイのスプリングスクール

息子が小学1年生のときに、ハワイの小学校のスプリングスクールに参加しました。当時は、英検5級だったと思います。ただ、スプリングスクールの日程が私たちの休みとタイミングが合わず、3日間しか通えませんでした。

3日は短いので、ホテルのキッズプログラムにも参加しました。コロナ明けで、アウラニのディズニーランドしかやってなくて、3時間で1万円でした。高いですが、キャラクターも登場するし、ハワイ価格としてはむしろ安いくらい。楽しかったので、2回参加しました。

「セントアンドリュース」という女子校のサマースクールにも参加しました。女子校ですが、サマースクールには男の子も参加できます。3日間で6万円でした。ただ、日本の学童のような雰囲気で、手続きがとても大変でした。提出書類も多く、現地の住所も必要なため、個人での申し込みはできず、仲介業者を通すことになりました。仲介料が7万円かかったので、結局3日間で13万円になりました。

交通費もかかりました。学校はワイキキなどの中心地から離れていて、家族3人でバス移動。片道だけで1100円かかりました。学費は良心的でしたが、仲介料と交通費が負担になりました。また、内容は英語教育というより「子どもを預かってもらう」という感じです。英語環境に触れるという意味では良い経験になりましたが、費用を考えると少し高く感じました。

小学2年生:グアムのキッズクラブ

2回目は小学生2年生のとき。グアムのホテルのキッズクラブに参加しました。4時間で7000円ほど。授業というよりアクティビティ中心でしたが、内容が充実していて満足度は高かったです。

グアムではプライベートの語学学校にも行きました。サマースクールの時期ではなかったので、個人レッスンです。先生とペアになって「マイクロニシアモール」というグアム最大のショッピングモールへ行き、クイズ形式で指定された品物を探すという実践的な内容でした。店員さんに場所を聞いたり、「お金は足りるかな?」と考えたりと、リアルな英語体験ができて、とても満足でした。ただし、3時間で2万円とやはり高めです。

そうした経験を重ねて、「今度こそしっかり勉強したい」と思い、3年生のときにセブに行くことにしたんです。

小学3年生:セブの語学学校に通学

セブ家族旅行は6日間で計画しました。いろいろ調べたんですが、旅行の合間に、通学できる学校があんまりなかったです。それで、中谷さんのサイトに辿り着きました。

紹介してもらった学校の中に、通学で20コマというプランがあったので、その学校を選びました。6日間のうち、3日間を学校にあてて、初日5コマ、2日目、3日目は6コマで17コマにしました。退屈しないように、運動や算数なども教わりたいと伝えました。

セブの英語学校に通学したときのスケジュール

全体的にとても良かったです。英語学習については正直、不安がありました。カリキュラムが分かりにくく、不透明な部分もあったんです。でも、最終的な満足度はかなり高いです。

通学したのは子どもだけで、私たち親は送り迎えだけです。それでも見学をさせていただいたおかげで、学校の雰囲気をしっかり感じ取ることができました。私たち両親もとても満足しています。

何より嬉しいのは、本人が毎日楽しそうに帰ってくることです。朝も「行きたくない」と言うことはなく、お昼には「楽しかった」と話し、迎えに行くと「今日も楽しかった!」と笑顔で言ってくれます。
本当に通わせて良かったです。

台湾人経営の英語学校ICL

本人に楽しかったランキングを聞いたら、1位がホテルのプール、2位がキャニオニング。そして3位が「学校」。それくらい授業が楽しかったようです。

息子の英語レベルはB1と言われました。もともと英語は少し話せるので明確な変化は測りづらいのですが、本人いわく「英語が前より話しやすくなった」と言っています。

初日に見学したとき、最初の授業がワードクイズで、絵を見せて「これは何?」と答えるものでした。すごく簡単で、初めて英語を学ぶ子向けのレベルだったんです。

10分ほど見て「少し退屈かも」と感じたので、日本人スタッフに相談しました。スタッフさんの話では、最初は全員初級レベルから始めるそうなんです。でも、うちの子は英検2級にも合格していて、それでは物足りないので、「スピーキング中心に、ディスカッションやロールプレイのような実践的な内容にしてほしい」とお願いしたんです。

すると、午後にはもう授業内容が変わっていました。「この言葉はどういう意味?」といった形で子供に英語で説明させていました。対応が早くてありがたかったですね。小規模校だからこその柔軟さだと思いますし、マンツーマンの良さも感じました。

STEAM教育で、算数や理科を英語で学ぶ

子ども向けに「STEAM」という教科があるんですが、これがとても良かったです。STEAM教育は、科学(Science)・技術(Technology)・工学(Engineering)・芸術(Art)・算数(Mathematics)の5つの分野を通して、横断的に考える力や問題解決能力を育てる教育のことだそうです。

1日目は宇宙について、惑星の話などをしたそうです。2日目は自然科学で、「なぜ植物に光が必要なのか」「光は食べ物なんだ」ということを学んだそうです。英語で理科を学んでいて、それも楽しそうでした。「ロボットがもっと多くなったら世界はどうなる?」みたいな、未来についてのディスカッションもしていました。

算数も学びました。まだ日本の学校では、掛け算の筆算を習っていないんですが、レベルを調整してくれて、英語で算数を教えてもらえたようです。それも楽しかったと言っていました。

学校の地下でバスケを楽しむ小学生

運動のようなアクティビティもあるんだと思うんですが、授業後みたいなんです。私たちは15時に帰るのでアクティビティについてはわからないです。ただ、私たちがお昼に行ったときに、家族で地下でビリヤードをやったり、外でバスケをやったりしました。家族で遊んだのが気分転換になって良かったです。

——20コマは使い切ったんですか?

いえ、1コマ増やそうかとも思ったんですが、8歳には、1日6コマは少しハードですね。本人に聞いたら「朝から3時までで十分。楽しいけど、これ以上は疲れちゃう」と言われたので、そのままにしました。結果的にちょうど良かったと思います。

正直、もっとラフな感じだと思ってたんです。日本だと、外で遊びながら英語を学ぶようなスタイルが多いんです。サッカーしながら英語を学ぶとか、ゲームしながら英語を学ぶとか。

だから、そういうのがないと本人はつらいかなと思って、「運動とか遊びの要素も入れてほしい」とお願いしたんです。でも実際は、そういう授業はなくて、しっかり勉強する感じでした。それでも子どもがちゃんと頑張って、しかも楽しんでいたのを見て、「ああ、成長したなあ」と思いました。フィリピンの先生たちは本当に子どもの扱いに慣れていて、何のトラブルもなく、むしろ安心して見ていられました。

ーー日本人は、子供の楽しさを重視する親が多いんですけど、台湾とか韓国はしっかり勉強させることを望んでる親が多いです。うまくいって良かったです。

日本人スタッフのサポート

授業も良かったんですけど、日本人スタッフの方の対応が素晴らしかったです。小さい学校なので日本人スタッフはお2人しかいらっしゃらないんですけど、その2人がしっかりされてるんです。それが満足度を上げたと思います。あのお2人がいらっしゃるなら安心です。

いっぱい生徒がいたらあそこまで対応してくれないのかもしれないけど、私たちが行った時は、全部紹介してくれました。私たちがいなくなると、授業中も息子の様子を見に行ってくれたり、休憩時間に声かけてくれたり、声をかけなくても良さそうなら見守りだけしてくれて。子供のフォローは完璧でした。過剰にフォローしないところがすばらしかったです。私が授業を見学しているとき、主人は日本人スタッフと喋っていて、フィリピンの生活も聞かせてもらったそうです。それもすごい楽しい思い出です。

日本人スタッフに、「息子が苦手なことも知りたい」と伝えたら、最終日に5段階評価と総評、そしてそれぞれの先生からのポジティブフィードバックとネガティブフィードバックを貰いました。

大人だったら自分で聞けますが、子供の場合はしつこく先生に聞かないと、「英語上手だよ!」くらいの反応しか返ってこないことが多いんです。英語の弱いところが明確になって、これからの英語学習の参考になりました。

食事は子どもには辛かった

食事はつけなかったんですが、「親も一緒に食べていいですよ。」と言われて、お言葉に甘えて、ランチをご馳走になりました。ただ、うちの子供が食べるにはちょっと難しかった。衛生面の問題ではないです。たまたまかもしれないですが、麺や食べ物が辛かったです。私たち親は全然食べれたんですけどね。

日本の学校の給食って美味しいんですよ。でも、フィリピンでは日本料理とは全く違う海外の味。ビュッフェ形式でしたが、種類は多くはないので、子どもが食べられるのは1種類くらいでした。だから、ご飯を食べれなかったときのためにドーナツを買っていったり、ジョリビーを買っていってました。何でも食べる子でもちょっと厳しいかもしれないですね。うちの子はお肉が好きじゃないんです。フィリピンって肉料理じゃないですか。それもあったと思います。

セブの大気汚染がひどい、環境はイメージより悪かった

セブシティのラディソンホテルに滞在して語学学校に通学しました。その後、マクタンのシェラトンに滞在したので、セブとマクタンの雰囲気の違いが見れてよかったです。

シュラトンホテルのプール

ホテルは問題はなかったんですが、私は喘息持ちなので、セブシティではひどい喘息になっちゃいました。セブの大気汚染は思っていたよりひどかった。みんなマスクをしてないけど、ホコリっぽいです。器官系が弱い人は注意。マスクしたらちょっと良くなりましたし、マクタンに行ったら治りました。

環境面での注意点といえばトイレですね。日本のトイレは綺麗だし、ずっと綺麗な環境で育ってきてるから心配だったんです。うちの子はトイレはちょっとダメでしたね。

学校でもホテルでもトイレには行けてました。オスロブでも大丈夫でした。ただ、おしっこはできるけど…っていう感じなので、ひどい便秘で帰ってきました。まあ、男の子なので大丈夫ですけど、もっと小さかったらダメだったかもしれない。低学年の女の子はきついかも。

大気汚染がひどいセブシティ

環境もイメージより悪かったです。YouTubeにセブ旅行の映像が出てくるんですけど、ショッピングセンターとか街がキレイなんですよ。でも、実際はキレイな建物の真横にスラムがあったりするでしょ。

カンボジアには行ったんですけど、カンボジアは全部が貧しい感じでキレイな街はないんですよ。だけどセブってキレイなエリアはキレイ。だけど、そのすぐ近くにスラムがある。シュラトンホテルはリゾートエリアですけど、周辺はローカルな雰囲気でした。

学校もアヤラモールが近くて便利な場所ですけど、1歩道に入ると雰囲気が違いますよね。

セブシティの語学学校付近の道
セブシティの語学学校周辺

ラディソンホテルの辺りはスラムってわけじゃないですけど、雰囲気はちょっと変わります。

ラディソンホテルから見たセブシティ
ラディソンホテルから見たセブシティ

私と主人は結構カルチャーショックでした。でも、うちの子供は気にならないみたいでした。映像で見るのと行くのは全然違うことがわかって、色々考えさせられた旅でした。

オスロブとカワサン滝の日帰りツアー

週末旅行はオスロブとカワサン滝の日帰りツアーに参加しました。ツアー会社はいろいろあって金額差もあるので悩みましたが、結局セブセレクトツアーズというツアー会社を利用しました。

金額は他と比べると結構高めでしたが、契約したら質問してもほとんど返事が返ってこないツアー会社があるという口コミが多く、子供を連れていくので心配でした。

キャニオニングをしたいけど怖がりな息子ができるか心配だったし、セブで大きな地震があったあとだったので、現地の状況も気になってました。セブセレクトツアーは、LINEで質問するとすぐ返信をくれました。割高だったけど安心料だと思えば妥当な金額だったと考えています。ただし、当日フィリピンペソで現金払いだったのは少し負担でした。

セブセレクトツアーでオスロブ

そのツアーで、中谷さんに教えていただいたカワサン滝の裏側の滝でのキャニオニングに行きました。ジンベイザメとも泳ぎましたが、子供は滝が楽しかったみたいです。高いから怖くて滝に飛びこめなかったんです。でも、フィリピンの人って優しいですよね。「飛びこめないよ!」って言っても、「ベイビーだな」って優しくフォローしてくれて。すごく楽しかったみたいです。

セブ留学は小学3年生にオススメ

セブ留学は、小学校中学年の時に行くのがいいと思います。うちの子はいい時期に行けたと思います。英語教育を本気でやってる家族は、中学とか高校で専門性がある学校に入れると思うんです。そうすると、学校で留学するから、個人でセブに行こうってならないと思います。だから、小学校の間にがっつり英語を学ばせたいって子がハマる気がするんですよね。

だけど小さすぎると治安が心配。なので、うちの子ぐらいの年齢で短期で経験できるのがいいと思いました。あと日本の人って夏休みに1ヶ月休んでどっか行くとかなかなかできないですよね。知り合いでも、海外に連れて行きたいけどまとまった期間は行けない。だけど短期で経験できるなら行きたいって声はあります。それに対応できる学校が少ないけど、見つけたらきっといい経験ができると思います。

ただ、合わない人もいると思うし、人は選ぶと思います。正直、小学校1年生だとキツイかもしれないです。小学2、3年生で、1日授業を受けることに慣れていて、さらに英語がちょっと分かる子供にはすごくオススメです。英検4級ぐらいはないともったいないかな。条件を満たしていたら、英語以外にも学べるものが多いと思います。日本でできることは海外でやらなくていいかなって思いますね。

あとは治安ですね。悪くないんだけど、やっぱり日本よりは気になるじゃないですか。衛生面も日本よりは気になる。そういう意味でも、小学校2、3年生からが良い気がします。親がずっと一緒ならいいんですけどね。行く前、色々調べて不安だったけど行ってよかったです。お勧めできます。色々相談にのっていただいて、本当にありがとうございました。すごくよい体験ができました。

(2025年10月22日)

編集後記

子どもがまだ英語を話せなくても、セブ留学には価値はあります。ただ、少しでも英語を理解できると、得られるものがぐっと増えます。予算や期間は家庭によってそれぞれ違います。自分たちのライフスタイルに合わせて、セブの学校を上手に活用してください。

ニーズは人によって違いますが、基本的に僕が子ども向けの学校を選ぶときに大切だと思うのは、日本人経営ではないこと、小規模であること、そして子どもの教育に情熱を持ったスタッフが常駐していることです。

最近では、STEAM教育やプログラミング教育を取り入れる学校も増えてきています。一方で、人気の語学学校になると「通学」の受け入れをやめるケースも多く、スタッフの入れ替えも頻繁にあります。状況は常に変わっていくので、これからも最新情報をアップデートしていきます。うまくいかないケースも見てきてるので万人にオススメはしませんが、あいそうな人にはセブを紹介していきたいと思います。

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中谷 よしふみ

エンジニアベースの元コンサルタント。2012年にフィリピン留学を体験。自身の体験をシェアするため、このサイトを作ると、サイトが有名になり、学校に呼ばれるようになる。体験した学校は100校以上。いろんな学校を体験すると、ほとんど同じだけど、一部の学校は全然違うことを知る。業界で一番詳しい自信を持った、2016年に「英語はフィリピンで学べ」という書籍を出す。TOEIC845(リスニング450、リーディング395)。年間半分以上は海外で生活しているノマドクリエイター。英語を身につけて日本から出て視野を広げてほしい。そんな思いでエージェントをやっています。

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