「英語は10000時間でモノになる」という本の紹介です。書籍のタイトルを見て、「え、10000時間?」って思いました。どんなスキルでも習得には1000時間程度が必要と言われています。その10倍です。多読をベースに英会話を習得する方法が書かれています。
著者はデジタルハリウッド大学教授の橋本大也さん。大人になってから「なにかをやり遂げた!」と言える著者がすごい!腑に落ちることが多かったです。特に、「知識英語」と「感覚英語」の定義がしっくりきました。
知識英語と感覚英語
冒頭で「知識英語」と「感覚英語」があると定義しています。「知識英語」は知識から入る英語。学校で習った英語知識を使って、文法構造を理解できること。「感覚英語」は感覚で理解できる英語。Thank youと言うときに、文法は考えていない。英語を使う頻度が上がると、知識英語から感覚英語に変わっていく。そして、無意識に使えるようになるというわけです。
英語がちょっと得意な人って、知識英語タイプか感覚英語タイプかに分かれますね。「読み書き」が得意か、「コミュニケーション」が得意か。でも、英語がものすごく得意な人は、4技能しっかりできる。
英語ビギナーとは何か?
著者は、接触頻度が上がると「知識英語」が「感覚英語」にシフトしていくと定義しています。だけど、海外には、読み書きできないけど、話せる人はいっぱいいるし。英語圏で生まれ育った子供は、話せたとしても、勉強してないと読み書きできない。英語を使う頻度が多かった人は、「感覚英語」は備えているけど、「知識英語」がないことがありますよね。僕が出会った英語初心者を紹介します。
I Cauted Traffc Im Gonna Late Sorry.(渋滞で遅れます)。Yes Pledse (はい。すいません) Im Arryebd (到着しました)。
https://ph-radio.travel-book.info/i218/
上の文章は小さいころから英語環境で育った方とチャットした時の文章です。結構ペラペラしゃべれるけど、勉強してないから読み書きが苦手です。音から入ってるので、スペルを知らないし文法知識がない。
日本人ですが、全然英語がわからないのに、キレイな発音で喋れます。上級者と言われて悩んでいました。この方はまず「知識英語」が必要でした。留学する外国人初心者はこういうスペックの人が結構います。
当時の写真には、one two threeって書いてありました。数字からやってました。そんなレベルです。Basic Grammar in Useからやりました。
https://ph-radio.travel-book.info/english-beginner-to-ielts6/
上の写真は、フィリピンのスパルタ学校に飛び込んだ女性の授業メモです。この生徒に必要なのも、まず「知識英語」でした。英語ができないと言ってもいろいろあります。日本人はほぼ全員が英語ができないと言います。でも、みんな全然違う。謙遜からマジで知識がない方までの幅が広い。
留学前にTOEIC750だった人がいました。その方の体験談にその情報を入れたかったけど、「恥ずかしいから消してください」と言われました。渡航前にTOEIC860だった人も、「みんな900はあると思っているから書かないで欲しい」と言われました。誰かの英語学習論を参考にするときは、その人のスタート時点をしっかり確認してください。
そして、「知識英語」と「感覚英語」は別物と理解してください。「勉強したか」「使用したか」の違いです。どっちも必要です。「知識英語」が得意な人は「知識英語」が大事と言い、「感覚英語」が得意な人は「感覚英語」が大事という傾向があります(笑)。
英語の接触回数を増やす
一般的に日本人が弱いのは「感覚英語」。この「感覚英語」を身につけるには、多読のときに「完全理解を諦めることが大事」と著者は言います。え、量をこなすことじゃないの?と思って読み進めると、「接触回数を増やす」と書かれていました。やっぱり量なのかと思ったけど、これも、完全に理解せずに量に触れることが大事なのかもしれない。
Have you been to Japan?
日本に行ったことある?
って聞くとき、この質問は現在完了系だから…、とか考えていない。ただ、こういう時は、こう聞くものだと染み付いている。それだけこのパターンに何度も接触した。
だから、深く考えずガンガン話している人が、ある程度までは成長するんだなあ。とこれまた納得した。
結局、量が大事!
考えすぎる人、勉強しすぎる人は、初期に話す量が少なくなってる傾向がある。もちろん勉強は無駄ではなく後半に生きてくるけど、最初に成果を感じられずモヤモヤしている人をよく見る。
英会話には読書が最強
そして、英語との接触回数を増やすには読書が一番!というのがこの本の結論です。読書する際の注意点やマテリアルがたくさん紹介されてます。
目標は10000時間です。普通にやってたら何年もかかります。だから、生活から日本語を追い出して、少しでも英語環境を作る工夫も紹介されてます。読書して書評を書くことをベースとして、日本で脳内英語を作る事例が満載です。
ただ、著者の橋本大也さんはもともと本の虫で、日本語で書評を書くのも日課。そんな著者だからこそ、英語で書評を書く勉強法がバッチリだった部分はある気はします。
そんなに本を読めないよ。再現性がないよ。正直なところ、そんな気持ちにもなりました(笑)。
僕は日本語でたまに本のレビューを書くけど、サラッと書いても大変です(涙)。このサイトの記事を書くのも時間がかかります。英語でやることを考えるとゾッとします。それでも、多読が大事だし、書くことは自分に必要だと理解しています。だから、簡単な英文を読むことを生活の中に入れてみようと思います。
結局は英語との接触回数です。近道はなし!
英語を武器にする人はここまでやってるんだ!とモチベーションが上がりました。ライティングから極める人、リーディングから極める人、人それぞれの英語学習論がありますね。