2025年8月15日、フィリピン・マニラ市マラテ地区で日本人2名が射殺される事件が起きた。フィリピンで日本人が殺されて日本でニュースになるのは久しぶり。ちょうどフィリピンに滞在していたので、「大丈夫?」という問い合わせがめちゃきた。フィリピンの治安の説明を何度もしているので、今回の事件についてまとめておきます。

マラテ日本人殺害事件の概要
日時・場所
2025年8月15日夜、フィリピン・マニラ市マラテ(Malate)地区のマルヴァー(Malvar)通りで事件が発生しました。日本人2名がタクシーから降りた直後に後ろから射殺され、両名とも現場で死亡しています。
マニラのマラテは旅行者があんまり行く場所ではないけど、ホテルや観光地もあるので、何も知らずに行く人もいると思う。僕ははじめてマニラに行ったとき、なにも知らずマラテのホテルに泊まったこともある。事件が起きた場所も知ってる。シュラトンホテルのようなホテルもあれば、レッドプラネットのような安いホテルもある繁華街です。ロビンソンも近いし、スパのYamachu、デラサール大学も徒歩圏内。コロナ前までは語学学校もありました。マラテはカラオケが多い夜遊びエリア。だけど、怖くて誰も足を踏み入れないような場所ではないです。
被害者
Akinobu Nakayamaさん(41歳)、Hideaki Satoriさん(53歳)という日本人男性2名が犠牲になったと発表されている。
状況証拠
監視カメラ映像には、犯行の一部始終が映ってました。タクシーが止まると、3人ぐらいが集まってきて、ドアを開けた。乗車していた2人は降りたが、そこではいざこざはなかったように見える。
その後、後ろから別の人物が現れて、いきなり発砲。撃たれたとき被害者は射殺されることに気づいていなかったです。最初にいた何人かは走って逃げた。しばらくしてタクシーが移動すると、倒れている2人の被害者の持ち物をあさっている男が映っていた。バイクが現われて物色していた男はバイクの後ろに乗り、犯人2人が逃走していった。その様子は全部映っていました。
捜査の進展
容疑者の逮捕
捜査の結果、フィリピン人の兄弟(50歳と62歳)が逮捕されました。なお、兄(62歳)はツアーガイドとして被害者と同行していました。
共謀の背後に…日本人関与か?
警察の調査により、日本在住の日本人が金銭的トラブルを理由に、兄弟へ殺害を依頼した疑いが強まってきています。報奨として2300万円相当(約900万ペソ)、前金として1万ペソが支払われたと報道されています。
容疑者側の主張
兄弟の弁護士は容疑を否定し、実行犯とされる50歳の弟は事件当時マニラにいなかったと主張。一方で兄は被害者と同行していたが関与は否定しています。
ネット上の憶測
事件直後からネット上では、
「カジノ帰りで勝ち金を狙われたのでは」
「遺体の背中に大きな刺青があり、その筋のトラブルでは」
といった噂が流れています。いずれも裏付けはなく、現時点での事実は警察発表に基づくものに限られます。
15日のマラテ射殺事件は報酬約2300万円で依頼された暗殺だったとマニラ警察が発表 まにら新聞
フィリピンの事件は、まにら新聞でチェックするのがおすすめです。
「暗殺」の標的となった被害者について、サリグンバ分署長は「カジノで遊ぶために1~2カ月に一回フィリピンに来ていた」と説明。まにら新聞が捜査当局から入手した遺体写真によると、被害者の1人の背中には全面に入れ墨が彫られていた。被害者は福岡県在住のサトリ・ヒデアキ(53)さんと、静岡県在住のナカヤマ・アキノブさん(41)。
この事件が日本で大きく報道されことを受け、フィリピン旅行や出張のキャンセルが相次いでいることについて、モレノ市長は「ちょうど日本の投資家が来ようとしている時期にこのような事件が発生してしまった」とし「容疑者を捕まえるためにはフィリピン中を探す。一つの確かなことは正義は果たされるということだ」と宣言した。(竹下友章)
https://www.manila-shimbun.com/category/society/news290220.html
マニラ留学はダメージ受けそうですね。
マニラの治安
フィリピン英語留学に関わるものとして、フィリピンの治安はしっかり説明しないといけない。このようなトラブルは定期的に起きています。しかし、トラブルはだいたいお金、女性問題なので、一般人が普通に生活していて殺されることはまずない。
しかし、銃社会のフィリピンでは、運悪く巻き込まれる可能性がゼロとも言えない。だから、日本と同じような感覚で行動してはいけない。マニラのマラテやトンドは治安が悪いと言われていますが、トンドのスラムツアーやローカルマーケットは人気です。治安がいいと言われているマカティでも、2024年から日本人を狙った拳銃強盗が定期的に起きています。
マニラ治安悪化で拳銃強盗トラブルが多発!マカティでも夜間の外出は控えよう!居酒屋「おおきに」に拳銃強盗!
セブの治安
「マニラは危険、だけどセブは安全!」と煽る人もいますが、セブでも事件は起きてます。「ラグビー(Rugby)」という商品名の接着剤を、貧困層の若者が袋に入れて吸引し、ドラッグ代わりに使うのが流行ってます。違法薬物ではなく工業用製品の乱用ですが、依存性や健康被害が深刻で、治安問題とも直結しています。途上国の現状をしっかり理解して、気をつけて行動してください!
今回の事件は、日本人がフィリピン人に殺人依頼したと報道されていますが、日本人に騙される日本人は多いです。注意してください。