英語の上達に留学は必要ない、という感想。セブ島のサウスピークとブライチャーの経験者です。
英語学習に留学は必要ないかも
2018年1月半ばからサウスピークに4週間留学して、就活で内定後、4月半ばから7週間ブライチャーに留学してます。残り1週間です。トータル3ヶ月弱のフィリピン留学です。6月半ばからまた働き始めます。
仕事に英語が必要なんですか?
そんなに英語は必要ない気はしてます(笑)。あったほうがベター。マストではないです。
お仕事は?
前職も次もコンサルタントのような仕事です。前職では日本の大手製薬会社の担当をしていていました。その会社は内資なんだけど、最近はめちゃくちゃ外国人が増えてきていて、私の担当も外国人なんです。その外国人は18年間日本在住だから、一応日本語はできるんですけど、100%のコミュニケーションは難しいんです。だから、こっちが英語で歩み寄るしかないなと。それで、2年前の4月末ぐらいからNCCに通って、本気で英語の勉強を始めたんです。
NCCは勉強方法がしっかりしていて。200~300文字程度の日本語を英語に瞬時に直すインタープリテーションは、1週間かけてこなして授業で発表するんです。短文の暗唱と長文の瞬間英作が中心で、独り言英会話も推奨されています。
NCCと並行してすみれ塾っていう学校にも通ってました。すみれ塾はTOEICの本をたくさん出版されている中村澄子先生の学校なんです。NCCを休学してTOEIC対策をやっていた時期もあったんですが、TOEICスコアが700ぐらいになったので、今度はスピーキングだと思って、またNCCに入り直して。いろいろやってきました。
英語学習は継続が大事ですけど、継続ができない人が多いので、コツコツできるのはすごいですね。
いや、昔の僕はそんな頻繁にやっていたわけではないんです。NHKラジオ英会話とか、スマホの動画ぐらいです。もともとは英語が大嫌いで、高校2年生までは、studentの単語ぐらいしか知らなかったですから。dogとかは別にして、抽象的なものは知らなかった。
そんなことはないでしょう。大学受験もしているし。
真面目っぽく見えるみたいなんですけど、英語の成績は本当に良くなくて。出身高校は偏差値50くらいですけど、高校にも理数系ができていたから入れた感じなんです。良くあるパターンで、小学校まではできて、中学校でつまづいて…。
英語ができないから、大学進学は考えていなかったんです。でも、高校2年の時に、自分のしたいことは大学に行かないとできないと気づいて、そこで初めて英語の勉強に向き合いました。他の教科はなんとか良かったんですが、英語の偏差値だけが全然上がらなくて、ずっと足を引っ張っていて。結局2浪したんですけど、最後まで英語がネックでした。
その苦手だった英語に今またトライしているんですね。
僕の中で、やり残したことなんです。やり始めは38歳で、今、40歳ですけど、まだやり直せるかなと。
なぜフィリピン留学しようと思ったんですか?
仕事を去年10月に辞めて、1年間は英語学習に専念する予定だったんです。でも、1年もブランクがあると転職が難しくなるでしょ。それに長期間、日本で英語の勉強をしていても、面接でのウケが悪い。だから、NCCに3ヶ月行ってから、留学を3ヶ月しようと考えたんです。本当はNCCで良かったんですけどね(笑)。
英語学習はNCCで達成できると思ったけど、留学したほうが、面接で有利だと思ったんですね。
もちろん、留学すれば英語がしゃべれるようになるかな、って期待もありました。
日本である程度、手ごたえは得ていたんですか。
いえ、しゃべれるところまでは全然いってなかったです。
学校選びの条件は授業は少ないこと
サウスピークを選んだ理由は?
復習の時間を確保したかったので、授業時間が多い学校は望んでいなかったです。インプットの重要性はすごく感じていたので、しっかり英作の授業を受けて、添削されたものを暗唱したかったんです。そうなるとサウスピークしかなくて。
フィリピン留学ラジオは拝見していて、いろいろ調べている中でもサウスピークなのかなって。サウスピークのハルジェーさんのtwitterを見ていて、学習アプローチだけでなくて、政治的なことも、考え方が自分と合うと思いました。マニラのEBも気になっていたので、オーナーの神谷さんのtwitterもフォローさせていただいていたんですが、個人的に意見は合わなそうだなと思って…。政治的、経済的に日本のことを否定的に書かれることが多くて…。
学校オーナーのtwitterをフォローして、どんな人かも判断した上で学校を選んだんですね。慎重ですね。
フィリピン留学を調べ始めたのが6年前なんです。英語の勉強をしようとしたけど、実際はやらなかったんです(笑)。その時からフォローはしていたので、なんとなく知ってたんですよ。「学習時間は短い方が良い!」って言いきっているのはサウスピークぐらいでしょ。授業を減らすのはどこの学校でもできるとは思うんです。けど、それを推奨しているかどうかですよね。
サウスピークの日本語禁止校舎の感想
サウスピークはどこの校舎だったんですか?
EOP校舎です。移転しましたので、昔の古い建物です。
1人部屋ですか?
1人部屋の空きがなくて、3人部屋になってしまって。でも、40歳で3人部屋は嫌だったから、翌日、ホテルプランに変更してもらいました。部屋は比較的広くて、それなりにきれいで、居心地はよかったです。
EOP校舎はどうでしたか?
基本、1階のダイニングで勉強していましたが、虫が多かったですね。それに、授業の度に6階まで上がるのが面倒臭かったかな。
1日の授業数は?
4コマです。発音1コマ、英作1コマ、TOEIC長文を利用した音読1コマ、グループレッスン1コマ。英作添削の暗唱を中心にしたかったので、リーディングはあまり意味がないと思って途中で削ったんです。だから、後半2週間は、発音1コマ、英作2コマ、グループレッスン1コマでした。自習は6時間ぐらいしていました。
EOP校舎だからTOEIC600以上あったんですよね。
あの時はTOEIC700点ぐらいで、レベル7でした。リーディング350、リスニング350の半分半分。中村先生はリスニングがリーディングに対して100点ぐらい高いのが一番取りやすい点数だと言われているんですが。リスニング目標スコアの400点台には到達できてなかったです。
EOP校舎では英語で交流していたんですか?
交流はしていないです。英語があまりしゃべれないのもありますけど、交流があまり好きではないので。基本的に自分の世界に入って勉強してました。
スピーチコンテストはどうでした?EOP校舎は4週以上の生徒にはスピーチが義務付けられているでしょう?
スピーチはやっていないです。5週間目からが必須で、4週はしなくて大丈夫って言われたんです。だから、逃げました(笑)。
なんで逃げるんですか?(笑)。
あの時はしんどかったんです。実は財布がなくなったんです。学内かホテルか分からないんですけど、気づいたら鞄が開いていて。僕が開けっ放しにしたのかも覚えていないんですけど。鞄の外側のポケットに入れていた財布がなくなったんです。現金より、免許証とかクレジットカードの紛失手続きが面倒で。そういうのもあって、緊張感があったんです。
あと、ガチガチのルールがあるので、ルールを守らないといけないという緊張感があったかもしれないです。サウスピークの時は、残り日数をカウントダウンしていて、終わったときは、「やっと終わった!」って感じでした。
サウスピークでの成果は?
リスニングは改善できた気がします。最初は先生が言っていることが分からなかったんですが、分かるようになりました。でも、もしかしたら、同じことを言われるから、何を指示されているか察する能力がついただけかもしれません。ただ、日常会話的はできるようになったから成長はしていると思います。サウスピークから帰った時に、駅の英語のアナウンスがすっと頭の中に入ってくるようになりました。
サウスピークから帰ってきて、すぐ仕事は決まったんですか?
わりとすんなり決まりました。ビズリーチっていうサイトに登録したんですけど、去年11月に今回内定した会社からアプローチがあったんです。でも、その時は英語を勉強したいからお断りをしたんです。サウスピークから戻ってきた時に、問い合わせをしたら、まだ募集されていたので、面接を受けて4月に内定をいただきました。面接の時に、また1ヶ月フィリピン留学したいと伝えていたので、入社を6月半ばにしてもらって、セブにまた来たんです。
サウスピークがすごく辛かったのに、また留学しようと思ったのはなぜなんですか?
会社から勉強する時間を2ヶ月もらえるとかなかなかないですからね。行かないよりは行った方がいいかなって感じです。
ブライチャーにした理由は?
サウスピークのEOP校舎は移転して新しくなったんですけど、前の校舎が古くて嫌だったので…。あと、TOEICのテキストを使うので、やっぱりTOEIC中心の授業になるんです。僕はTOEICを目的としていないので。サウスピークは自分の言いたいことを表現するトレーニングの場所ではないと思って。
あと、サウスピークのグループ授業があわなかったんです。グループクラスのレベルを落としていたのもあったと思うんですが、課題があわなくて。それで、授業が少なくて、厳しくて、ビジネス向けという条件で探して、ブライチャーに決めました。
ブライチャーの感想
6コマですよね。
授業は5コマで、1コマは先生はいますけど、何をしても良い授業です。
ブライチャーはどうですか?
英作の量は、日本にいる時よりもブライチャーでやっている方が多いです。ただ、翌日の自習で復習をするんですが、1日では定着できないんです。NCCの影響かもしれないですが、7日間やってようやく腑に落ちる…、そのサイクルで考えると1日6時間の授業は多い。
ブライチャーでは、最初グループ授業もありましたけど、英作の復習時間を確保したかったので、途中で削りました。先々週からは、英作をリライズして、発表して、それを添削してもらう授業にしてます。
平日の授業後も週末もずっと勉強をしているんですか?
土日は手を抜いていますけど、プレゼンの準備がある時は、どうしても7、8時間はやらないといけないです。でも、ネタ集めという感じだから、勉強とカウントして良いのかは分からない。
授業内容は結構満足しています。ただ、やっぱり授業数がちょっと多い…。復習の時間がないのは気になります。もうちょっと授業は減らしてほしいですね。
生徒が希望しても減らせないんですか?
できるんじゃないですかね。分かんないですけど。
手ごたえは感じているんですか?
最初は、初級の音声教材も全然聞き取れなかったんです。ちょっと変化球みたいな内容が多くて、人の名前か?っていうのが人の名前だったりして難しいんです。でも、先々週の金曜日くらいに聞こえるようになったんです。
毎回リスニングに変化が表れたんですね。スピーキングは?
スピーキングは、サウスピークの最後の日には、I have a pen.とか…、3ワードぐらいの文章しか瞬時には出てこなかったんです。それが今はもうちょっと文章が長くなってる感じです。ただ、それが留学の成果なのかは分からないです…。今もずっとNCCの教材も使って勉強しているので、なんとも言えないですね。
フィリピン留学は無意味?
僕の感想ってフィリピン留学をオススメしていないんですけど、大丈夫ですかね?
いいんじゃないですか?そういう感想もあるってことで。日本でも英語学習はできると感じてるんですね。
そう思っています。今後も日本で勉強を続けますし。ブライチャーがオンライン英会話をやっていますので、それを1週間に1回やろうと思ってます。英作をチェックしてもらって、1週間かけて覚えるサイクルができますので。
NCCの独り言英会話は、英語で3時間独り言を言うんですが、ネタがなくて、何を言っていいか分からないんですよ。でも、オンラインをやれば、ネタを強制的に与えてくれるし、添削してくれますから。1、2年やれば上達するかなと。NCCも継続します。
留学せずに、日本で勉強していても大差はなかったという感覚もあるんですか?
正直その気持ちもあります。ただ日本だと、いろんな誘いもあるから、勉強だけに集中するのが難しいですからね。日本だと7、8時間勉強できれば良い方かな。1日10時間以上、英語だけに専念できるのは、フィリピン留学の価値ですよね。
最近は日本の倍ぐらいの効果があるかなという感触です。とはいえ、がっつり1、2ヶ月やっても英語はそんなには伸びないので、日本でもフィリピンでも継続して勉強することが大事だと考えています。
サウスピークとブライチャーの違いを比較
2つの学校の特徴を教えてください。
サウスピークは良くも悪くもTOEICを上げる学校ですね。TOEICが目的なら、日本で公式問題集を解けばいいと思いますけど。ただ、サウスピークでも喋れてる生徒はいるので、喋る能力もあがる人もいると思います。ブライチャーはビジネスのグループレッスンで濃い授業を受けれるので、レベルが高い人には良いとは思います。
サウスピーク、ブライチャーの生徒のレベルは?
サウスピークEOP校舎に入るにはTOEIC600が必要なので、700とか900とかで、喋れる生徒も多いです。600点台でも普通に喋れる人がいて、本当にすごいと思いました。もちろん、喋れない人もいましたが。ブライチャーもある程度できる人が来てますね。
できる人の集団にいると、モチベーションは上がるんですか?
うーん。レベルが高い人がいると、気後れしたり、「俺の方が年上なのに…。」とかネガティブになることもあります。でも最終的には、「あのレベルにいきたい。」「英語で対等に喋れるようになりたいな」とポジティブに作用しますね。
生徒の年齢は?
時期にもよるけど、サウスピークのほうが断然若い。大学生や若めの社会人が多いです。若い人はサウスピークで友達つくりながら勉強するのは楽しいと思います。ブライチャーは僕より年上の人が結構います。ブライチャーは今10人前後で、最大でも30人だから小規模です。
環境面は?
ブライチャーは自分の席が固定さていて、自分の荷物を置けるのが良かったです。サウスピークはそうじゃなかった。
サウスピークのプレミアム校舎は自習室の席が固定ですけど、EOP校舎は違いますね。
あと、教室。発音を学ぶ時って、声を張らないといけないでしょ。サウスピークの発音授業は、部屋が狭くてやりづらいんです。英作とかの授業は狭くても良いんですけどね。ブライチャーの発音の教室が広いから、先生がわざわざに遠くにいって、「聞こえんよ~!」みたいなジェスチャーをするんです。発音練習にはスペースがある教室のほうがいいと思いました。
そんな感想があるんですね。発音の手ごたえは?
サウスピークでもブライチャーでも、劇的に変化があったわけではないです。サウスピークでは単語単位で、ブライチャーは文章単位です。ブライチャーでは、文章を話すときに、LRはできても、NMで間違うことが多いとか気づきがありました。
サウスピークで単語単位で発音を学んで、ブライチャーで文章単位で学べたのはよかったかもしれないですね。でも、サウスピークのリーディングの授業でも発音を指摘されますよね。
リーディングは途中から削っちゃったので。
他にもありますか?
僕は紙と本で勉強できなくて、デバイスを使って勉強するんです。メインはパソコンで、ノート代わりにiPadです。だから、その点でもサウスピークは辛かったです。
本で勉強するのが辛いんですか?
ツライですね。短文の暗唱は、アプリを使うからパソコンかスマホ上でしかできないんです。ブライチャーでは、授業の資料がグーグルドキュメントで共有されるので、基本的に画面を見ながら授業をするんです。それが性に合ってました。
デバイスがない生徒はブライチャーではどうするんですか?
買ってくださいってことだと思います。今思うと、自分にはそれが非常に重要だった気がします。本だと肩こりがひどいので、パソコンのスタンドを使うんです。それでも肩こりはしますけど、デバイスでないと勉強できない(笑)。
日本での勉強はどうしてるんですか?
テキストはデバイスに取り込んでます。最近はNCCの授業もiPadだけで受けるようになりました。2年前に英語学習をスタートした時に、このスタイルに決めて、今も継続してます。
留学検討者にアドバイス
留学検討者にアドバイスありますか?
復習の時間をちゃんと確保した方がいいと思います。だから、授業時間はそんな多くしないほうがいいと思います。個人的な感覚ですけど、英検1級とかTOEIC900ぐらいがスタート地点で、そこまで行っていない場合はインプット重視がいいと思います。
目標には近づいていますか?
いえ(笑)。正直もっとペラペラになると思っていました。あと、4、5年コツコツやってようやくモノになってくるんじゃないですかね。
ブライチャーでは毎週成績をもらうでしょ。上がっていないんですか?
発音、リスニングはちょっとずつ上がっていますが、スピーキングはそんなに上がっていなかったです。劇的には上達しないですね。
TOEICスコアには変化は出たんですか?
まだ受けていないんです。日本で6月に受ける予定です。
日本に帰って、英語の授業を受けたときに変化を感じるのかもしれないですね。参考になりました。残り1週間、満喫してください。
(2018年6月2日(土)セブにて)
編集後記
極論、どんな勉強でも独学でできると思います。留学のメリットは学習の効率性ですが、その効率性は、生徒の性格や英語レベルや目的によって変わってくます。僕はフィリピン短期留学で英語がある程度喋れるようになって恩恵をうけましたが、みんなが僕のようにはならないですし、英語の勉強は日本でもできると思う方もいますので、自分はどうなのかよく考えて留学を検討してください。