治安が悪いトンド地区のスモーキーマウンテンに行きました。

フィリピンの首都マニラにトンド(Tondo)という治安が悪い場所がある。そのトンドにはNPOがよくスラムツアーを開催しているスモーキーマウンテンがある。ゴミ山ですが、もうゴミは捨てられてないのでスモーキーマウンテンの残骸です。そんなトンドの現在の様子を見に行った。

マニラの危険地帯トンドのスモーキーマウンテン

トンド地区のスモーキーマウンテンの現状

トンドの歴史は知っていた。だけど、トンドにずっと住んでいるフィリピン人に直接聞くとリアルだった。海際のトンド地区にはもともと漁師が住んでいたんです。だけど、政府がゴミを捨てるようになって、ゴミが山のように積もっていった。ジリジリと暑いフィリピンでは山には煙が立ちのぼり、スモーキーマウンテンと呼ばれるようになった。

ゴミは海を汚染して魚が取れなくなり、漁師はスカベンジャーになった。スカベンジャーはゴミをあさって生きる人たちです。

スモーキーマウンテンとスカベンジャー

スモーキー・マウンテン(英語: Smokey Mountain)とは、フィリピンマニラ市北方に位置するスラム街のことである。名称の由来は、自然発火したゴミの山から燻る煙が昇るさまから名付けられた。かつては海岸線に面した一漁村であったが、1954年に焼却されないゴミの投棄場になった。それ以来、マニラ市内(マニラ首都圏)で出たゴミが大量に運び込まれ、その中から廃品回収を行ってわずかな日銭を稼ぐ貧民(スカベンジャー)が住み着き、急速にスラム化した。

1980年代後半頃から、フィリピンの貧困の象徴として扱われるようになった。政府は国のイメージが損なわれることを理由に閉鎖を決断し、住民は公共住宅をあてがわれて強制退去させられたが、一部の住民はパヤタス・ダンプサイト(スモーキー・バレー)をはじめとする別の処分場周辺に移住し、従来通りのスカベンジャーとしての生活を続けている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/スモーキー・マウンテン
トンドのスモーキーマウンテンの残骸

トンドのスモーキーマウンテンはほんとに小さな山でした。フラッとやってきても山には入れるけど、説明してもらったほうが理解が深まるのでフィリピン人にガイドしてもらった。ガイドしてくれたのは、トンド出身の4人の子供がいるお母さん。

「お金を求められても、お金はあげるな」と最初に言われた。

ゴミ山のスモーキーマウンテンに入る

小さなゴミ山を登っていく。危険な感じはまったくなかった。

トンドのスモーキーマウンテンの子供たち

子供とすれ違うと、笑顔でハイタッチを求めてくる。

ゴミが再利用されていた。タイヤは鳥小屋になり、扇風機の蓋はコンロになり、ベットのスプリングはフェンスになっていた。クリエイティブだ。

スモーキーマウンテンで育つ果物

1995年11月にフィリピン政府はここにゴミを捨てるのをやめた。山に土を被せて、その上に野菜や果物を植えた。ここにはもうゴミはないので、スカベンジャーもいない。スモーキーマウンテンじゃないけど、いまだにスモーキーマウンテンと呼ばれている。

すくすく育った植物に囲まれた細い道を進む。

ガイドが赤い実をくれた。甘くておいしかった。

山の上でバナナやマンゴーがすくすくと育っていた。ポテトは雨が降れば簡単に育つようです。台風で定期的に山は崩れる。食物は土壌を頑丈にするけど、山の中はゴミ。ゴミの上の土で育った作物は健康上問題はないのだろうか。

5分ぐらいで山頂に到着。広いガーデンの横に小さいな家がポツポツある。子供たちがビリヤードみたいなゲームをしていた。

オバちゃんたちは井戸端会議。目が合うと、ムール貝をくれた。おいしかった。食事中のフィリピン人と目が合うとだいたいくれます。

トンドのスモーキーマウンテンの横にできた住宅地

政府はゴミ山の隣に総合住宅を作った。トイレも水も電気もある。家賃は月2500ペソ。払えるものは移動して、払えないものはゴミ山に残った。

生活している人がいるのでゴミはでる。ゴミ置き場のゴミが燃えていた。

ゴミ山のバランガイホール

学校や集会場所があって、子供が多い。

スモーキーマウンテンでキリスト教を教える

1995年11月にこのゴミ山が終了したあとは、ゴミ山はパヤタスという場所に移動する。根本解決せずゴミ山は移動するだけ。パヤタス・ダンプサイトにも行ったことがあるけど、もっと大きいゴミ山です。2000年に崩落事故が起きて、2018年1月に閉鎖しています。

フィリピンのゴミ山は複雑な社会問題

フィリピンのゴミ問題は衝撃だ。この状況に心打たれてたくさんのNGOが存在する。だけど、フィリピン政府が変わらない限り、なにも変わらない。スラムには不要滞在している人も多いと聞く。そういう人たちを立ち退かせたいのかもしれないし、利権があるのかもしれない。

スラムでは子供がどんどん増えて、住んでいる人は笑顔で楽しそう。ゴミを捨てるのをやめて30年経つのに進歩が見えない山。問題は複雑に入り組んでいる。

治安が悪いと言われるスモーキーマウンテン

日本では考えられない世界。フィリピンの最初のゴミ山がこのトンドのスモーキーマウンテンのようです。どこかに行く時は歴史的背景を調べてから行くと見え方が変わる。だから、スモーキーマウンテンに訪問する前にもいろいろ調べた。

スラムに自分で行けば無料。ガイドを雇えば500-2000ペソ。スラムツアーに参加したら5000ペソ。ツアーはスラムを助けるためではなく、スラムをサポートするNPOを支えるためのような気がしてしまう。

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中谷 よしふみ

エンジニアベースの元コンサルタント。2012年にフィリピン留学を体験。自身の体験をシェアするため、このサイトを作ると、サイトが有名になり、学校に呼ばれるようになる。体験した学校は100校以上。いろんな学校を体験すると、ほとんど同じだけど、一部の学校は全然違うことを知る。業界で一番詳しい自信を持った、2016年に「英語はフィリピンで学べ」という書籍を出す。TOEIC845(リスニング450、リーディング395)。年間半分以上は海外で生活しているノマドクリエイター。英語を身につけて日本から出て視野を広げてほしい。そんな思いでエージェントをやっています。

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