国際協力の海外インターン体験談!経験して感じたNPOやボランティア団体の実態。小規模の学校DETiと大規模のスパルタ学校MONOLを経験した大学生の感想です。
国際協力の海外インターン体験談
バギオのMONOLで勉強した後に、ドゥマゲテのDETiに行ったんですよね。DETiは何カ月いたんですか?
2カ月です。MONOLが2ヶ月、DETiが2ヶ月です。2017年10月から2018年1月までで4ヶ月です。半年の予定が4カ月になりました。日本に帰ってきたばかりです。
バギオからドゥマゲテに自力で行ったんですか?
はい。ピックアップはお金がかかると言われたから自分で行きました。ドゥマゲテの空港からトライシクルに乗って。
よく行けましたね。あの学校は目印もないし、空港からもだいぶん遠いでしょ。
メールで学校の行き方を教えてもらって行きました。バギオで2カ月生活して、旅行も結構行っていたので。フィリピンには慣れてたので、スッと行けました。飛行機の都合でマニラの空港で1泊しました。
DETiに行ったときは生徒50%、インターン50%?
はい。50%、50%です。
生徒100%より、生徒50%でインターン50%のほうが留学費用が安いんですよね。
はい。インターン比率が多くなると安くなります。
授業は何時間受けていたんですか。
僕はインターン50%だったので、月火水が授業で基本5時間です。月火水は生徒で、木金がインターンです。
英語の授業はどうでしたか。
MONOLとの違いにびっくりしましたね。すごくフレキシブルなんです。
韓国の大型スパルタ学校のあとに、小規模の日本人経営の学校に行くと全然違うと感じるでしょうね。どういうオーダーを出したんですか。
リスニング重視にしてもらいました。あと、国際協力に興味があると言ったら、国際協力に関するディスカッションの授業を入れてくれました。授業内容を自分の興味に合わせてくれて面白かったです。
DETiでは、ビサヤ語の授業もありますよね。
とってました。ビサヤ語はめちゃめちゃ覚えました。簡単な文法の構造がわかったから、自己紹介や、「これいくら?」みたいなのはビザヤ語を使ってます。でも、ビザヤ語で何か言われてもわかんない…。「オーケー」をビサヤ語で「セゲ」って言うんですよ。だから、「セゲ、セゲ」ととりあえず言ってました(笑)。
生徒は何人ぐらいいたんですか。
僕が行った時は僕だけでした。
2カ月いて、1番多かったときで何人ですか?
10人ぐらいです。マダムが大量にきたときがあったんです。普通の生活とはかけ離れた生活を送っているであろうお金持ちのお姉さま方が…。僕はインターンだから食事の準備とかを手伝っていたんですが大変でしたね。長い1週間でした。高校生も1人いました。
マダムは親子留学?
いえ、女性だけの6人集団。バケーション的にきてましたけど、英語の勉強は真面目にやってました。
途上国で実践して英語力アップ
DETiは毎週水曜日にミッションデーといって。学校の外に出かけて授業をしますよね。月火で準備をして、水曜にミッションをして、木金に発表しますけど。どこに行ったんですか。
いろいろ行きました。ミュージアムに行ったり。ローカルマーケットに行ったり。お土産屋さんに行って実態を調査したり。
1番印象に残っているのは?
山の中の学校に行った時です。発展途上国だから課題があるので。その課題を調査して、農産物を調べて。できることはないかと考えたんです。そのミッションデーが印象的でした。毎回ミッションデーは緊張しました。的確な情報を得ないといけないので質問を用意して。その後のプレゼンでは結構質問されますから。
MONOLのときは決められたテキストをやっていただけでしたけど、DETiのときは、題材が興味がある内容だったのすごくよかったです。あと、MONOLの時は学校に籠ってるのがしんどかったので、僕には外に出られるDETiのほうがあってました。
DETiの2カ月で英語力の変化は感じられたんですか。
自分ではあんまりわからないんですけど。あそこは最初にTOEICを受けるんです。僕は特にリスニングが駄目だったから、リスニングだけ受けたんですけど。TOEICは2カ月で95点上がったんです。
何点から何点になったんですか。
最初も低かったんですけど、リスニングが240点から335点。
リスニングは495点満点だから、結構上がってるね。
TOEICの対策はしてないのでよかったです。自分的には、感覚として英語が出るようになりました。インターンでもミッションデーでもそうですが、英語が自分の言語みたいになってきた気はしていたんです。自然に英語が出てくるなと。ある日、急に思いました。積み重ねがあったからだと思うんですけど。留学する前に比べると、間違いなく変化は感じています。夢でも英語を喋っているみたいです。
DETiの学校環境
施設はどうでしたか?
全然違いますね。キレイな家です。目の前の海で毎日泳いでました。目の前の海にニモがいるんですよ。
学校の前の海は綺麗なんですか。
綺麗ですよ。たまに汚いときもあるんですけど、基本は綺麗です。プールで泳いだり、海で泳いだりしてました。今、レッスン用の建物を敷地内に建てているんですよ。今後は、授業はその建物でやるみたいです。
今は、生活空間と勉強する場所が同じですもんね。
一緒です。部屋で寝ていたら。先生に「授業がはじまるぞ。」って起こされて。隣の部屋で勉強してます。
DETiのインターンは食事が含まってないけど、どうしてたんですか。
僕はお金を払って学校の食事を食べてました。
MONOLでは食事が口に合わなかったみたいですが、DETiの食事はどうでしたか。
DETiの食事はめちゃめちゃおいしいです。MONOLとのギャップに本当にびっくりしたんです。日本人が作るときもあるし、フィリピン人のシェフもありますが、フィリピン人のシェフもちゃんと日本人の好みの味を教育されているんですよ。
量が足りなかったことはなかったですか。
問題なかったです。残っているぐらいでした。MONOLでは食事がつらかったけど、DETiでは食事がおいしくて本当に驚きました。醤油や味噌もあって。野菜多めとか、日本食でした。海ブドウとか。海が近いので安く買えるみたいです。
バギオは涼しい、ドゥマゲテの自然が好き
同じフィリピンでもバギオとドゥマゲテでは全然違うでしょ。
全然違います。バギオは涼しくて、ドゥマゲテは暑い。でも、DETiの場所はドゥマゲテの中でも特殊ですね。
バギオとドゥマゲテはどっちが好きですか?
僕はドゥマゲテが好きです。ドゥマゲテには山もあって。山に登ったら温泉もあります。ドゥマゲテのほうが自然を堪能できました。
バギオでも自然は感じられるでしょ?
ジプニーで1時間ぐらいかけて洞窟に行きましたね…。ドロドロになっていて。すごいよかったです。言われてみれば、確かにバギオにも自然はありますね。ただ、ドゥマゲテでは毎日自然を感じられたけど、バギオではスパルタ学校だったから、学校に籠もっているので週末しか自然を感じられないんですよ。だから印象が違うのかもしれません。
でも、DETiは辺鄙な場所にあって、門限があるでしょ?
門限は20時です。ドゥマゲテの街に出かけても、20時までに帰らないといけないから。毎回電話して、「20時過ぎます。」って言ってました。
生活はどっちが便利ですか?
うーん。基本的に語学学校に籠もってますからね。バギオのMONOLも不便な所にあって。ジプニー、タクシーじゃないと出かけられないんです。DETiもバスに乗らないといけないし。両方とも辺鄙な場所だけど、どちらも不便に感じなかったですね。
DETiのインターンでコミュニティ開発
DETiのインターンって何をするんですか?
人によって違うと思うんですけど、僕は生徒さんのサポートと。あと、ミッションデーに行った村に興味を持ったので、その村のコミュニティ開発をしました。大海さんもフィリピンでコミュニティ開発しようとしていたので。
具体的には何をするんですか。
小さな街があるんですけど、そこの人達の収入がすごく低いんです。1日100ペソみたいな、少ない収入で一家の生計をやりくりしているんです。でも、そこにいる主婦は夫の収入に頼りっぱなしで仕事を持ってないんです。だから、お母さんが家の中でできる仕事を作ろうということで、お土産を村の人と一緒に作ってます。
何を作ろうとしているんですか?
今、作っているのがキャンディーです。ジャックフルーツからキャンディが作れるんです。あと、フィリピンではジンジャーコーヒーが人気なので、それをパッケージングしようしたり。ミサンガも作ってますね。
それを生徒に売るんですか?
はい、最初はDETiの生徒に売ろうとしていますが、他の日本人学校にも広げていきたいと思っています。
インターンは英語の勉強になるんですか?
めちゃめちゃ勉強になります。インターンの時のほうが勉強になりました。
どこで鍛えられるの?
仕事がタフなんです。1回耳が聴こえない日本人生徒が来たことがあるんです。デフのためのNPOが学校の近くにあるんですけど、その生徒はそのNPOでボランティアがしたかったんです。NPOのオーナーはカナダ人なので、耳が聴こえない日本人と、カナダ人の通訳をしないといけなくて。
1人でやらないといけないの?
はい。カナダ人が言ってることをちゃんと聴いて、生徒に見せるんです。そんな通訳をしないといけなくて。カナダ人と喋ったときは必死でした。そういう状況が結構あって鍛えられました。仕事だから緊張感が違います。日本人のサポートでは日本語を使いますけど、コミュニティ開発では全部英語ですしね。
地元の人とのやり取りで英語を使うんですね。じゃ、生徒とインターンの50%50%がオススメですか。
人によります。ビギナーは全部授業がいいと思います。それに全く英語が喋れないとインターンはできないです。最初にメールでやり取りして英語力をチェックされるんですよ。それで、「インターンは50%がオススメです。」みたいに決めてくれるんです。
海外国際協力で見たNPOやボランティアの現実
もともとインドで国際協力の現場を見たかったわけじゃないですか。DETiのインターンで見たかったものは見れたんですか?
見たかったものが見れたわけではないです。実際にやってみて、国際協力は思っていたものと違いました。もっと過酷な状況をイメージしてたので。
過酷じゃなかった?
いや、日本と比べると収入とかは過酷です。ただ、ストリートチルドレンとかは、その子達が児童売買される危険性もあるし、人道的にマズイと思うんですけど。僕が関わったコミュニティは、収入が低くても幸せに生きていたんです。だから、ギャップがありました。
日本人のほうが幸せそうじゃなかったりしますからね(笑)。
あと、実際にやってみて、どこの国際協力もそうだと思うんですけど。財源が問題なんですよ。お金で苦労していて。それが、現実だなって思いました。
それは世の中のジレンマな気がします。お金やスキルがない人が誰かを助けようと思っても何もできないから自己犠牲になりがちなんです。だから続かないんです。人を助けたいなら、まず、お金を稼ぐ能力を身につけて自立してからのほうがいいんじゃないですか、というのが僕の考え方です。でも、NPOやボランティアに憧れる若い人はすごく多いですね。
学生は憧れてしまうのかもしれないですね。
会社で働いて納税することも社会貢献だし。会社が大きくなれば、雇用も増えます。しっかり稼いでめっちゃ納税している会社は社会貢献の一面はありますよ。助成金で運営してるNPOはカンパしてくれる支援者に頭が上がらないし、雇用も生まず、納税もしないという一面もあるので。しっかり現実を見た上でどういう道に進むのか決めればいいと思います。
そうですね。そこにぶつかった感じですね。本当にいい経験になりました。マダム達も、そういうことを言ってくるので。「うるせえよ!」って思ってたんですけど…。
マダムは何を言ってくるんですか?
「お金を持ってないのに、他人を助けようとしても自分が潰れるだけだ。」みたいなことを言われました。でも、僕には理想があったから、聞き流してましたけど…。
僕もそのマダム達と同じ考えで。経済的に自立してない人が誰かを助けるのは難しいと思ってます。誰かを助けたいのなら、まずは自分が強くなってハッピーになって。自分の周りをハッピーにして。その輪を広げるのがいいと思ってます。ボランティアにはまったく興味がないんですけど。NPO支援も本気でやったことあります。いろいろやった結果、今の考えに行き着いたので、いろいろ体験して自分なりの答えを見つけてください。正解があるわけじゃないから。
そうですね。
自分の能力が高いほど、できることの選択肢は広がるし。お金があれば可能性も広がります。理想を達成するには武器が必要なので、頑張ってください。
そうですね。予定していたことがどんどん変わっていってますが、頑張りたいと思います!
海外留学検討者へアドバイス
休学してフィリピン留学したい大学生にアドバイスはありますか?
海外に行ったら英語力は何とかなるぜ、みたいな感じで行く人が多いと思うんですけど。そんなことはないです。僕も海外に行けば英語は上達するとちょっと思っていました…。でも、やっぱり自分でやらないと、DETiでもMONOLでも英語は伸びなかったと思います。授業を受けているだけではそんなに伸びないです。
今、英語学習の課題って何ですか?
喋っているとき、適切な単語を使えてないんです。ちゃんとバシッと正しく話せるようになりたい。あと、リスニングはまだまだなので。だから、自分自身にも言い聞かせる感じですけど。自分で工夫をしないとダメです。時間の使い方、他の人との関わり方を工夫しないと。
MONOLみたいなスパルタ学校だったらどうやって工夫するんですか?
例えば、僕の友達はずっと先生と過ごして英語を使っていて。英語が伸びていたかはわかんないですけど立派だと思いました。そういうのが大事だと思います。あと、先生に恋をした生徒がいて。その子はものすごく英語が伸びてました。学校からでられないスパルタ学校でも本人の意識次第で全然変わってくると思うんです。
MONOLでは台湾人と恋愛をしたんでしょ。英語を使うじゃないですか。
あのときは、僕も英語が伸びました。必死だったから1番伸びたかもしれないです。その台湾人も、ぐちゃぐちゃな英語をブワーっと喋る子だったんです。
お互いにぐちゃぐちゃで喋ってたんだ。英語が上達したのか、コミュニケーション能力が上がったのかは微妙なところですね(笑)。2月からDETiに戻って、スタッフになるんですよね。
はい。休学が終わるのが7月なので、ゴールデンウィークぐらいまではいると思います。またドゥマゲテで会えたら嬉しいです。
タイミングがあえばまた現地で状況を聞かせてください。
(2018年2月5日(月)渋谷にて)
編集後記
帰国後に原因不明の高熱になり入院していたタオ君。なんとかお会いできて話を聞けてよかったです。養豚場に行ったらしっかり手は洗いましょう!年上の意見を「うるさい!」と思って前進する若者が増えてほしいです!
彼はこれから数ヶ月DETiでスタッフをやるそうです。DETiは実践を大切にした学校です。英語以外の体験も大切にしたいなら是非検討して欲しい学校の1つです。
この5年後、フィリピンで社会起業家として頑張ってました。