大学生に人気の海外インターン。フィリピンの行政機関でインターンした大学生の体験談です。フィリピン留学で英語を学んだ後、社会福祉開発省のDSWD(Department of Social Welfare and Development)でインターン。海外の女性問題に関心がある方に読んでもらいたい!
女性問題の支援団体DSWDで海外インターン
大学4年のマリアです。21歳です。大学では児童教育を専攻しています。休学をして、スービックのiYESに来て6ヶ月です。英語が4カ月、インターンが2カ月で、今日の夜の飛行機で帰ります。フィリピン最終日です。
語学留学の4カ月で終わってから、インターン生活がはじまったんですよね。
はい。フィリピンの社会福祉開発省にDSWDっていうのがあるんですけど、その中のCenter for Womenという所で2カ月インターンをしました。女性のためのシェルターで、虐待されたりいろいろな問題を抱えた人達が駆けこむ場所なんです。
フィリピンの行政機関でインターンしたんですね。その間は学校の生徒ではないんですね?
そうです。
何時から何時まで働くんですか?
8時から17時ぐらいです。
滞在場所は同じで、毎日その施設に通うんですか?
その2カ月間は、オロンガポのローカルに泊まらせてもらいました。もともとは学校から通ってインターンをすることになってたんですけど、通うのは危険な気がして、施設のすぐ前に住みました。日本人スタッフの方が必死に探してくれて。
留学前からDSWDでインターンすると決まっていたんですか?
はい。10個以上のインターン先があったんですけど、子供中心の施設が多かったんです。でも、子供だと絶対にタガログ語になると思うんです。私は、問題を抱える人と直接英語で喋りたかったので。そういう要望を伝えたら、iYESさんがDSWDを探してくださったんです。すごいなと思いました。
DSWDでインターンしている間は、学校と完全に切り離された生活になるんですか?
学校のスタッフさんが提案してくださって、毎週1回は、学校に帰ってきて先生にプレゼンするようになりました。
昨日やっていたようなプレゼンを週1回やっていたんだ。
そうですね。
施設では何をするんですか?
相談者から来た時に記入する相談援助のシートの書き方を教わって。そこにズラッと専門用語が並んでいるので、まずそこから勉強しました。
施設で使われている言葉は英語なんですか?
相談にくる方は、英語かタガログ語。
毎日問題を抱えた女性がくるんですか?
こない日もあります。でも、シェルターに住んでいる方もいらっしゃるので、仕事はあります。仕組みを学んだり、相談援助をスタッフさんがしているのを見たり。相談しにきた人達に英語でインタビューをしたり。
上司にインタビューしてって言われるんですか。
はい。上司も相談者の情報が必要なので。他のスタッフが手伝って更に深堀するんです。でも、自分で勝手にやっているときもありました。
2カ月で、何人ぐらいにインタビューしたんですか?
15人ぐらいですかね。みんなそれぞれ違う問題を抱えていました。インタビューは1人に何時間もかかるし。聞いて、まとめるまで2日かかるときもありました。
それが、経験したかったことなんですね。
はい。あとは、DSWDっていくつかブランチがあって、法に触れた少年が入る施設もあるので、そこにも行きました。目が揺れてる子がいて、焦点があってないから、なんでだろうと思って。インタビューしてみたり。
DSWDって問題を抱えている人を見つるのも仕事の1つなんです。気付かないけど、問題が起こっていたりするので。
見つけてどうするんですか?
いろんなパターンがあるんですけど、センターに連れてくる場合もあるし。話を聞いて、家に帰りなさいと言うときもあります。
インタビューを英語でするのは全然問題なかったんですか?
私の英語力に問題があったので、何回も聞きましたけど。フィリピンには英語が上手な方が多いので大丈夫でした。なぜか、ストリートで物乞いしてる人も、英語を話せるんです。外国人に話しかけるために。
教育を受けていない人も、英語でコミュニケーションはできるんですね。
はい。それはすごく驚きました。
4カ月英語を勉強してからインターンをやっていますけど、4カ月がなくてもインタビューはできましたか?
できなかったです。4ヶ月英語を勉強してからインターンをしてよかったです。
インターンで働くなかで、英語は上達しました?
やっぱり実践で使うと覚えます。知らない単語がいっぱい出てくるので。英語の勉強もしてました。仕事から帰ったら、その日やったことを文章にしたり、単語を調べたり。でも、疲れて寝てしまうことが多かったです…。
施設の人達とずっと一緒に行動していたんですよね。
はい。食事も一緒です。ずっと英語でコミュニケーションできたので、本当によかったです。
施設で働いている人達って、政府の予算で生計を立てているんですか?
はい。だから、一般のフィリピン人よりは多少生活はいいと思います。
モチベーションが下がった時はなかったですか?
英語を勉強してる時に、何回も聞いてるのに思い出せないとか。話せなくて歯がゆい気持ちになったことはあります。でも、先生がすごく励ましてくれて。伸びているから大丈夫だよとか。それがモチベーションになりました。
あと、ネガティブになりかけたら、日本人スタッフさんが柔軟に対応してくれて救ってくれました。私は、結構滞在場所を変えたんです。外食してるとお金がかかるから、自炊したくてキッチンがついてるホテルに変更したくなったんです。そういうお願いをすると、一生懸命探してくれて、本当に柔軟に対応してくれて、すごく感謝してます。ホテルは3回変えました。4回目がホームステイで、フィリピン人と生活していました。
海外インターンでの学び
昨日のプレゼンで、やっぱり教育が大切だと仰っていたじゃないですか。でも、教育の機会を与えても、学校に行かないわけでしょ。それは、どうやったら解決できると思いますか?
すごく難しい問題なんですけど。同じスービックにアクションジャパンっていう日本人の団体があるんです。活動分野が似ているので、お話を伺ったんですけど、同じ問題を抱えていらっしゃって。アフターケアが大事だって仰ってました。施設を出たあとの未来をつくってあげる。
施設にいる間に、ソーシャルワーカーがどれだけ励ませるかがすごく大事だと感じてます。施設で心が変わって、生活を変えようと思う方もいらっしゃったので。人間性ってすごく大事だなと。
みんなネガティブになっているんですか?
そうですね。それを励ましてポジティブにしてあげるんです。
でも、フィリピン人ってポジティブな人が多いじゃないですか。
一見ポジティブなんですけど、中を見てみればネガティブなことも多いです。
なるほど。途上国の女性問題を知ったことで、何か変わりましたか?
心が強くなったと思います。あと、楽な生活をしていたら駄目だなって思うようになりました。安易にギャンブルに走ったり。安易な道にいくと本当にダメだと思いました。
安易な道を選択する人が、うまくいってないケースが多いですか?
そうですね。
日本人でも同じですね。
だから、自分自身も気をつけようと思いました。この海外インターンの経験を活かして、自分がどう教育に関わるか考えようと思ってます。
インターンはイメージ通りの経験でしたか?
そうですね。こういう経験がしたいと思ってインターンをしたので。すごくいい経験ができました。楽しかったです。日本に帰りたくないです。
海外インターン検討者へアドバイス
最終日だから友達に挨拶に行かないといけないですね。
この後にみんなに会いに行きます。友達がたくさんできたのは本当によかったです。再来年ぐらいに親を連れてまたフィリピンに来たいと思ってます。
そういう経験をした人が先生になるのはすごくいいですね。頑張ってください。
ありがとうございます。プラスに活かしたいです。
最後に留学検討者にアドバイスお願いします。
フィリピンではいろんな人に会うのがいいと思います。現地のことも知れるので。だから、積極的にいろんな人と交流してください。
(2017年11月7日(火)スービックのiYESにて)
編集後記
最初から具体的にインターンの仕事をイメージしていたのが素晴らしいと思います。インターンでもワーホリでも事前に具体的なイメージがある方のほうがいい経験をしていると思います。今回の海外インターン経験を活かしていい先生になってもらいたいです。iYESはスービックにある小規模な日本人経営の学校で、ビジネス英語と海外インターンに力を入れています。興味ある方は公式サイトをチェックしてください。