フィリピンで起業!養鶏のソーシャルビジネス、農村部の貧困問題を卵の売上で解決する!

フィリピンで養鶏のソーシャルビジネスに取り組むタオくんのビジネスモデルが面白い。農村部の貧困問題を解決するために、サトウキビ農家の人たちの収入を作ろうとしています。

フィリピンで養鶏ビジネス

峠慶太郎、26歳

フィリピンで養鶏のソーシャルビジネス

峠(タオ)です。フィリピンの農村で、ネイティブチキンのファーマーをやってます。フィリピンのサトウキビ農家に貢献できる何かをしたかったんです。それでたどり着いたのが養鶏ビジネスです。

フィリピンの農村部の方にニワトリを飼ってもらって、そのニワトリが産んだ卵を僕が買うんです。そしたら、みんなの収入源になるじゃないですか。そして、その卵を僕が育てて、ネイティブチキンとして売ってます。サトウキビ農家の人たちにサトウキビ以外の収入を作りたかったんです。

大量に買ってくれるレストランがドゥマゲテに3つあるんです。毎週おろすだけです。これからはわからないけど、売り先には困ってないです。困っているのは生産です。飼育が大変なんです。

鶏舎には、いま1500羽のニワトリがいます。本当は、3000羽を飼ってないといけないんです。でも、半分しかいません。なぜなら、ヒヨコが半分死んだから…。1週齢から、2週齢の間にバタッと死んだんです。ニワトリはすごく環境にセンシティブなんです。

地鶏の養鶏は温度管理が大事

ニワトリは寒さと暑さ、温度変化に弱いんです。温度管理が難しいんです。だから、同じ温度にする機械を買いました。成果が見えるのが3ヶ月後なので。もう少し様子を見ないといけないけど。今のところ、かなりいい感じ。これから寒気雨季がくるので、数ヶ月いけたら大丈夫な気がしてます。

僕の養鶏所には電気がないんです。電気がない中でニワトリを育てるのが思っていたより難しい。養鶏所で修行したとき、みんな電気を使っていました。だけど、電気がなくても育っている事例があったので、大丈夫だと思ったんです。実際、少数羽ならそんなに難しくないんです。

30羽でいけるなら、増やしてもいけると思っていた。でも、そんなに甘くなかった。だから、戦略を変えて、養鶏所を使わずに、知り合いの裏庭でやることも考えています。

養鶏は、餌を食べる量と、成長する速度なんです。ニワトリは風邪をひくと、食べても成長しないんです。しっかり成長するように健康な状態を保って、効率よく育ってもらわないといけない。なんとか再現性がある状態にもっていきたい。

ーーフィリピンで養鶏やってる人はいっぱいいるでしょ。そういうノウハウはないの?

ブロイラーが多いんです。地鶏(ネイティブチキン)の大量飼育をやってる人は少ないです。地鶏でも少量の飼育は簡単なんですが、規模が大きくなると難しいんです。

あと、みんなそんなに効率性を考えていないんですよ。土地を持っていて、大量に飼っていて、放し飼いが多いです。でも、それは土地を持ってるからできるので、僕とは前提が違うんです。だから、そもそもできないことをやろうとしてたのかもしれない。

いま話をしていて、日本の地鶏の飼育現場は見たことないので見たいですね。最近、困っているのが床です。床の状態が大事なんです。鶏が壁をつつくんです。壁が凹んで放置してると、そこにウイルスが溜まって、それが原因で病気になったりするんです。だから、毎週掃除してます。最初は気にしてなかったんですが、数字にでるんです。

ーー農村部の人にニワトリを育ててもらうことで地元に還元しているんだね。彼らの生活に貢献しているよね。

そう思います。卵を僕が買い取ってるので、そのお金は彼らにとっては大きい収入です。彼らの生活が変化したことは感じます。いままではタンパク質が取れてないことがあったんです。でも、彼らの食卓に魚がならぶようになりました。

フィリピンの農村部の人たちの食事

あと、病院に行けるようにもなってきてると感じます。前も、必要なときは病院には行ってました。でも、借金して病院に行くので、利息を払わないといけなかったんです。やっぱりお金がないと、何かあったとき大変なんです。

フィリピンの農村部の人たちの家

いま1年経ちました。いっぱい失敗しました。

今月からインターンが来るんです。いままで学ぶ側だったのが、学んでもらう立場になります。僕から学んでもらうのもいいけど、いろんな人に会ってもらいたい。フィリピンでいろいろ見てもらって、自分の道を切り開いていってほしいです。インターン募集中です!

(2023年4月訪問)

編集後記

フィリピン留学する学生は、留学後に彼の養鶏所でインターンするのもいいかもしれない。フィリピン人のリアルな生活が体験できる。めちゃくちゃ大変だと思います。でも、自走できる人なら、いろんな出会いがあると思うし、経験値が上がると思います。

僕が訪問したあと、ダイヤルイレブンさんのYouTubeチャンネルにエピソード2の映像がアップされていました。

フィリピンのソーシャルビジネス・アントレプレナーとして頑張ってほしい。

峠慶太郎

峠慶太郎🇵🇭サトウキビ農家と養鶏

誇りを持てる農村社会を。フィリピンネグロス島のサトウキビ農家に副収入を作る養鶏事業 #TAO’s Native Chicken代表 #フィリピンのサトウキビ農村にてツアーやってます #ボーダレス・ジャパン #北大水産学部出身

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トラブル体験談

中谷 よしふみ

エンジニアベースの元コンサルタント。2012年にフィリピン留学を体験。自身の体験をシェアするため、このサイトを作ると、サイトが有名になり、学校に呼ばれるようになる。体験した学校は100校以上。いろんな学校を体験すると、ほとんど同じだけど、一部の学校は全然違うことを知る。業界で一番詳しい自信を持った、2016年に「英語はフィリピンで学べ」という書籍を出す。TOEIC845(リスニング450、リーディング395)。年間半分以上は海外で生活しているノマドクリエイター。英語を身につけて日本から出て視野を広げてほしい。そんな思いでエージェントをやっています。

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