セブ留学で社会学的に考察した「お金と依存」のリアル。個人戦の日本と集団戦のフィリピンの違い

セブ留学で感じた「お金と依存」のリアル

転職したいフィリピン人講師

セブ留学では、英語の勉強だけじゃなく、異文化を知るという意味でも面白かったです。フィリピンの先生たちって全員転職したいと思っているんですよ。聞いてないのに、「昨日休んだのは面接だった」とか教えてくれるんです。みんな公立学校の先生になりたいみたいです。

公立学校で働いたほうが安定しますからね。公立学校で採用されるまで、ESLの先生として働いているんです。海外で働きたい人も多くて、「日本で働きたい」「ドバイで働きたい」とか、よく言います。

そう。海外で働きたいんですよね。それがダメだったら、「私もう25歳やし、このままだとおばあちゃんになっちゃうわ」って言っていて、昔の日本でいう「25歳までに結婚しないといけない」みたいな感覚があるみたいです。最後の手段は外国人と結婚する、って考えています。

すごく努力もしていて、授業が終わってから、夜10時まではオンラインで英語を教えてる先生が8割くらいいました。1割くらいは、オンラインで英語を教えながら土日は大学院の授業も受けていました。本当に頑張っています。休憩したらいいのにって思うし、半分同情していました。

先生は、一家の大黒柱。家族を養わないといけない責任感が強い。もっといい条件で働きたいから頑張るし、手を抜くところは抜く。

一人、日本人の元生徒から「日本に来い」って言われてる先生がいました。仕事も探してくれてるそうです。その先生はその話ばかりするので、途中で担当を変えました。しんどくなっちゃって。

お金の貸し借りと「集団で生きる」文化

「お金を貸して」と言ってくる人も多いです。文化的に、フィリピンではお金の貸し借りが普通なんですよね。実際に3000ペソ貸した日本人の子がいました。なかなか返ってこなくて、そうこうしているうちに、その先生は別の人にも借りていました。

その先生と仲の良い別の先生が代講で来たときに、お金の話になりました。「あの先生はお金に困ってるの?」って聞いたら、「私が貸したときは返ってきたけどね」って言っていて。日本人がお金持ちと思って借りてるわけじゃなくて、みんなに借りているんです。

フィリピンでは、海外で働く子どもの仕送りで生活している家庭もあるじゃないですか。それで車を何台も持っていたりしますよね。子どもの仕送りで生活しているのに、「また車を買ったんや」って驚いたことがあります。

海外で結婚した親戚が何人もいる子がいて、その子の家族は大家族で住んでいるんです。塀で囲まれていて、路地もすごくきれいで。「海外から送金されてくるお金を無駄遣いしないために、みんなで一緒に住んでる」って言っていて、偉いなと思いました。その子は夜のアルバイトとかもしていなかったです。

社会学的な視点から見た人間模様

そういう世界を見られたのは面白かったです。私は大学で社会学を専攻していたので、「この社会ってどうなってるんだろう?」みたいなのを見るのが好きなんです。面白かったです。

人間模様もいろいろ見えました。中国人だからみんな仲が良いわけじゃないとか、台湾人は中国人が嫌いだったり。アジアの国ごとの関係を考えるいい機会になりました。

(2026年6月11日)

編集後記

友達のフィリピン人が日本で働いていて、フィリピンにいる家族に送金しています。「一線を引かないと海外送金はきりがない」って言ってます。お金だけ要求してくる家族もいるし。最初は感謝していても、当たり前になってしまうんです。

昔は「金を貸して」っていうフィリピン人の感覚がよく分からなくて、カトリックだから「誰か助けてくれる」と思っているのかな?って解釈してました。でも、いまはちょっと違う考えで、「フィリピン人は個人で生きていなくて集団で生きている」と解釈してます。誰かが困っていたら貸す、余裕があったら貸す。大きな財布をみんなで共有しているような感じ。それが成立しているなら、幸せだろうなと思います。

お願いしたら誰かが貸してくれる。逆に、自分も誰かに貸してあげたり、路上の子どもに恵んであげたりもする。だから、恥ずかしがらずに簡単に人へ頼る。

日本人は、昔は集団で生きていた気がするけど、いまは完全に個人戦。全然違う文化です。だから、防衛線は張っておかないとダメ。押しに弱い日本人は断るのが面倒で払ってしまう。そうすると、その噂が広まって、どんどん頼られるようになってしまう。フィリピン人には悪気はない。「持っているなら払ってよ。」「嫌なら断るでしょ」という感覚。だから、主張するのが苦手な人はフィリピンでは注意してください。

いまを生きているフィリピン人は幸せそう。人生の目的は幸せだから、一つの生き方だと思います。でも、誰かに依存することは当たり前になると思っています。だから、誰かが助けているうちは、フィリピンが発展するのは難しいと思っています。

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トラブル体験談

中谷 よしふみ

エンジニアベースの元コンサルタント。2012年にフィリピン留学を体験。自身の体験をシェアするため、このサイトを作ると、サイトが有名になり、学校に呼ばれるようになる。体験した学校は100校以上。いろんな学校を体験すると、ほとんど同じだけど、一部の学校は全然違うことを知る。業界で一番詳しい自信を持った、2016年に「英語はフィリピンで学べ」という書籍を出す。TOEIC845(リスニング450、リーディング395)。年間半分以上は海外で生活しているノマドクリエイター。英語を身につけて日本から出て視野を広げてほしい。そんな思いでエージェントをやっています。

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