
セブで長距離バスに乗ったとき、隣に座ったフィリピン人と話す機会があった。僕が日本人だと知ると、目を輝かせて日本のことを話しだした。その人は日本旅行が大好きで、日本の話になると止まらない。印象に残った話をメモしておく。
「日本は安い。韓国やシンガポールは高いけど、日本は本当に安い。そう言ってもみんな信じてくれないんだけどね(笑)。」
そんな話から始まった。コロナ前から毎年、日本には年に2回は来ているそうだ。
「日本から帰ってきたら、次の航空券を予約しちゃう。『今回が最後の日本旅行だよ』って息子に言うんだけど、『じゃあ2025年最後の旅行だね。2026年にまた行こう』って言うの(笑)。」
日本旅行がよほど楽しいらしい。
好きな場所は浅草。上野では桜を見たそうだ。
「成田空港からの移動はバスが安くて便利!電車は高い。」
日本人より日本のことを知っているんじゃないかと思うほど詳しい。
息子は秋葉原でフィギュア探し、本人はショッピング。
「日本はご飯が安くておいしいから最高。朝昼晩、すき家。すき家が大好き。おいしい。サイゼリヤもお気に入り。」
マクドナルドは夕方5時以降の限定メニューが好きだという。
ダイソーでは何時間でも過ごせるし、無印良品(MUJI)も必ず立ち寄る。
お気に入りのレストランは牛カツもと村。
「3,000円くらいするけど、おいしい!」
コンビニで売っているスモークチーズも大好物らしい。
一方で、お盆に旅行したときは目当ての店が休みで、とてもショックだったそうだ。
さらに面白かったのが、フィギュアを買う場所。
「街中のブックオフより、成田のブックオフのほうが安い。同じチェーンなのに!」
だから、帰国前日は成田に1泊して買い物をするのが定番コースになっているという。
これまで何度も東京や大阪を訪れ、次は京都へ行く予定。
「ビザは更新を重ねると10年ビザが取れる。でも最近は少し厳しくなってきたね」
話を聞いていて印象的だったのは、「日本は安い」という感覚だ。
日本では「物価が高くなった」という話題が多い。しかし、外国人旅行者にとっては、日本は「安くて、ご飯がおいしくて、買い物も楽しい旅行先」になっている。
円安の影響もあって、今ではフィリピン人にとっても「日本は物価の安い国」になっている。
実際、日本とフィリピンを往復していると、その変化を肌で感じる。海外で両替すると円の価値がないことに愕然とする。飛行機が遅延するのは日常だったけど、最近は直行便が経由便に変わったり、日程が変わったりする。利用者が少ないのだろう。
飛行機に乗ると、日本人はほとんど乗っていない。帰国後の入国審査でも、日本人レーンはスカスカ。空港で働く外国人スタッフばかり。成田空港からのバスにも日本人は半分も乗っていない。有効なパスポートを持つ日本人が2割にも満たないという数字を見ると、それも納得してしまう。
そんな時代だからこそ、日本から一歩外へ出て海外を経験してほしいと思う。留学の価値は英語だけではない。コンフォートゾーンから抜け、不快さや失敗を経験し、それを乗り越えることが人を成長させる。壁を避けることも大切だけど、乗り越える挑戦もしてみてほしい。