セブ島にある日本人経営で厳しい学校のブライチャー。卒業生に英語の授業内容と注意点を教えてもらいました。
セブ島にある日本人経営で厳しい学校のブライチャー
セブ留学してました。セブのセガに6週間、ブライチャーに4週間です。もともとは6週間、2週間の予定だったんですが、ブライチャーで1週間経った時に、投資する価値があると思って2週間延長しました。費用は高いんですが、発音の授業がよかったので、ここで一気に習得してしまおうと思って。
ブライチャーはどうでしたか。
発音はかなり変わったと思います。まだまだですけど。
どんな授業を受けたんですか?
6コマで、マンツーマンが5コマ、グループが1コマ。授業は、発音2コマ、ライティング2コマ、リスニング・スピーキングが2コマです。授業名は、厳密には途中で変わってますが。
ブライチャーに期待していた部分は何ですか。
ライティングと発音です。その2つの柱をがっつりやられました。
思っていた通りの授業だったわけですか。
いや、思ってた以上の負荷でした。だんだん慣れてきて、途中からはちょうどいい負荷になりましたけど。最初はとんでもない所にきちゃったなと思いました…。
セガで6週間やって、マンツーマンの授業にも慣れてきた時に、またギアが上がるような感じですか。
まさにそんな感じです。自分でも、ギアを上げなきゃと思っていたのでよかったです。IELTSも一区切りしたい気持ちもあったのでイメージ通り。
生徒層も変わりますよね。
めちゃめちゃ変わりました。うまく表現できないですけど。英語に対する学習意欲がすごく強い。意識が高いとかじゃなく、学習意欲をヒシヒシと感じました。
生徒数は?
お盆過ぎで、ブライチャーは30人弱ですかね。セガも同じぐらいです。
英語力の高い生徒が多いんですよね。
間違いないです。サウスピークからきている生徒が2、3人いたんですけど。ブライチャーのほうが下地が高い生徒が多いって仰ってました。生徒の雰囲気が違っていて、遊ぼうって雰囲気が全くなかったです。
でも、初心者にはしんどすぎると思います。なんとか頑張りましたけど、初級者が行くと絶対大変です。
みんな他の学校に行ったら、喋れる生徒ばかりでしょ。
そう思います。話し慣れてない方もいるんですけど。みんな知識はあります。喋るのが速くて、流暢な生徒が多かったです。みんなもまだまだ改善点はあるんでしょうけど、あの人みたいに喋りたいって思えるような生徒がいました。私が行ったときに日本の大学で英語の講師をやっていて、アメリカの大学院に留学経験がある方がいたんです。その方と授業が一緒だったんですが、かなり刺激を受けました。これからやろうとしていることをまさに経験された方だったので。大学院が終わる頃にはこうなっていたいと思いました。
ブライチャーのライティング授業
最初の1週間はライティングの質が低かったんです。書き方が雑でした。ライティングは2つあって、1つは記事を読んで要約するんですけど、コピペしてたんです。途中で、「これじゃあ君の意見が見えないから、要約はいいから意見を述べる書き方をして。」って言われて、だんだん負荷が上がってきて。最後の1週間は本当に大変でした。いい意味で。生徒を見て負荷を与えてると思います。
そのときにはIELTSの試験は終わってるんですよね。そのライティングのトレーニングはIELTSにも活かされる?
んー、どうなんだろう。何ともいえないですね。スコアはあまり変わらないかも。IELTSは時間制限があるし。正直なところテクニックもあるし。嘘でもオッケーなんですよ。時間が無制限だからいろんな表現を使えるので。今まで使ったことのない表現を使ってみたり、分量を増やしたりするとかなり練習になります。試験に対してというより、自分の意見をしっかりまとめて、本質的に答える練習だと思います。
ライティングが多いから、話す時間は減ってしまうんですか?
授業時間は減っているかもしれませんが、会話密度が濃いです。ブライチャーでは会話のスピードが速くてポンポンいくので。トータルではそんなに変わらないと思います。DMEは話す時間が確保されてますけど。DMEを除いたら、会話量はほとんど同じだと思います。
ただ、ライティングではサンプルアンサーがないので。どれだけ時間をかけて、どれぐらいのものを書けばいいのか考えるのが難しかったです。先生が示してくれる回答のレベルがすごく高くて、真似できない場合があるんです。だから、自分がどれだけできてるのか判断が難しいです。レベルに合わせたモデルケースがあれば真似しやすくなるし、モチベーションも上がる気がします。
ブライチャーのプレゼン授業
プレゼンは最初の週と最後の週は必修なんですけど、真ん中は今は任意なんです。自分は負荷を上げてやりたかったので、毎週プレゼンをやったんですけど。大変でした…。あまりスライドに時間をかけないようにして。写真をペタっと貼って、中身を考えていたんですけど。それでも、原稿にしたら1000ワードとかになっちゃって…。
結構なボリュームですね。
先生も一緒に考えてくれたので、先生の負荷も高かったと思います。でも、よかったです。なんでかというと、自分の興味のあるトピックを話したんですよ。部活で陸上競技をやっていて、仕事はエンジニアだったので、陸上競技の話と、技術的な話をしたんです。オーストラリアに行ったら話すと思うので練習になりました。文字に起こして書いて、発音もめちゃめちゃ丁寧に直してもらいました。
みんなの前でプレゼンして、フィードバックされるんですよね。
されます。ただ、プレゼンにどれぐらいの負荷をかけるべきかはちょっと分からなかったです。
セガのときに比べると、ブライチャーでのほうが勉強時間は多いんですよね。
多いです。ずっと勉強してました。
ブライチャーの食事
食事はどうしていたんですか?
朝はビッグホテルのビュッフェです。昼は学校の中のモールでサンドイッチばかり食べてました。焼きたてのサンドイッチ。安いですよ。1個、80ペソぐらいです。
夜は?
最初の2週間は一緒に入った歳の近い方と、ホテルに帰ってから一緒に食べていってたんですが、意外に時間もとられるので。最後の2週間はモールにあるイナサルとジョリビーで食べていましたね。帰りに買ってきていました。夜は、だいたいファーストフード店です。イナサル、オレンジ・ブルータス、ジョリビー。ローカル店のファーストフード系をまわしていました。100ペソちょっとですね。
ササッと食べてという感じですね。
そうです。ジョリビーはめちゃめちゃ行ってました。土日もジョリビーに行くって感じでした。ブライチャーは朝のホテルビュッフェだけしかついてないので、地味にお金がかかります。何を食べるか考えるのも結構困りました。
学校の食事が合わないから、食事は自由なのがいい人もいますからね。でも、外食してたらお金はかかるから。それは想定していたほうがいいですよね。
ブライチャーの注意点
ブライチャーの注意点を教えてください。
生徒は多国籍ではないです。
まあ、それはセガも同じだし、日系の学校はだいたいそうですよ。でも、初心者が英語を伸ばしたいなら気にしなくていいと思います。交流重視なら多国籍がいいですけど。
あと、部屋が寒すぎる。エアコンで調整できると思うんですけど、どこで調整できるかわからなくて。オープンスペースなので。全体的にめちゃくちゃ寒かった。
勉強面でいうと、アウトプットを意識しているからなのか、インプットの説明がほとんどないです。どういうふうに読む、どういうふうに書くっていうのもガイドラインはあるんですけど、時間をとってしっかり説明する感じではなくて。読んでてねって感じなんです。僕がある程度できると判断されてスキップされたのかもしれないですが。いわゆるインプットはかなり少ないです。時間短縮してるのか、本当にアウトプットに重視してるかは分からないです。
インプットはできてる生徒が多いんでしょうね。
そう思います。だから、インプットの少ない初心者が行ったらどうなるかは分からないです。下地がない学生はかなり辛いと思います。
先生はどうでしたか?
先生はビジネスライクです。他の学校のような友達感覚はないですね。
それはすごいですね。そういう学校はフィリピンにはなかなかないと思います。
あと、行ってみて思うのが、ブライチャーの体験談はちょっと凄すぎますね。
まあ、公式サイトとはそういうものなので(笑)。どこでもそうですよ。
中谷さんに相談した時に、4週間行こうと思ってますといったら、「4週間はきついかもよ。」ってメールで教えてくれたじゃないですか。実際行ってみて、個人的には4週間でよかったです。限界ではないですけど、あれ以上は体力的に無理でした。
2週間で申し込んで、よかったから延長するのは、1番いいんじゃないですかね。
個人的に長期は辛い学校と思います。でも、3カ月以上の方も4、5人いて驚きました。だから、頑張れる人は、頑張れるんだと思います。けど、僕は無理かな。
卒業される方が、「宿題がないと落ち着かない。」って言ってたんです。勝手に「ブライチャーシンドローム」って呼んでたんですけど。僕もなりました。最後の金曜日が終わったときに、飲み会が終わって帰ってきて、席に座ったときに「あ、宿題、ないんだ。」と思いました。いい習慣だったと思います。
ブライチャーの特徴
金曜日に成績表をもらえるんですが、かなり綿密でよかったです。発音もこの音はよくて、この音は駄目とか。MBAに行っていた生徒もいて、MBAもフィードバックがしっかりあるみたいですが。ブライチャーのほうが整っているといっていました。
毎週もらえるんですか?
短期の生徒は毎週で、長期だと隔週です。自分は4週間滞在して、1、2、4週間でもらいました。数字が適切なのかは正直疑問なんですけど。上がっていなかったら、先生自体の評価もありますし。前の週と今の週の比較もあるので。結構長いんですよ。評価が数字で出るのはモチベーション保つのによかったです。
よくスポーツに例えちゃうんですけど、どういうふうに強くなれるかは、どういうふうにメニューを組んでるかにかなり影響されると思うんです。ブライチャーがライティングと発音を重視してるのは、地味ですけど、やるべきことをやっている感じがしました。
フィリピン留学では、生徒はあまりライティングを望まないですし。フィリピン人も話せるけどライティングが弱い人が多いです。だから、ライティングに主軸をおいているカリキュラムは特徴ですね。発音の授業も、ほとんどの学校が任意教科です。受けたい人しか受けてないです。生徒に自由に選ばせるカリキュラムと、学校がカリキュラムを指定するのがどっちが自分にあうかって話ですよね。
たしかにそうですね。
生徒に授業を自由に選んでくださいというと、発音は地味なので選ばない生徒が多いんです。
たしかに。あまり楽しい授業ではないですね。修行的な要素が強いと思います。
だから、楽しさを求める生徒は、1週間受けてスピーキングに変更したりするんです。
あー、いそうですね。
カリキュラムの軸を定めてる学校は実は少なくて、生徒のニーズに合わせますって学校が多いので。そうすると、先生にとっても生徒にとっても地味なトレーニングの授業って、どうしても人気がないんですよね。
教えるほうも辛いと思います。先生も話してるほうが楽しいですよね。発音の先生は元気だし、よくここまで頑張れるな。熱意がすごいなと思いました。
必須の学校では、先生も慣れてくるし洗練されていきますね。任意教科の学校は、発音がいい先生がたまにやっている感じなので全然違います。
発音の先生になるのに厳しいトレーニングをされているように思いました。自分にはよかったです。
モチベーションの高い生徒を集めてるから成り立ってるので、楽しさを求める生徒が多い学校では機能しないですよ。
ブライチャーでは、目的意識がある生徒が多かったと思います。
セガに行かなくてブライチャーだけでもよかったですか。
もしIELTSスコアがとれていたら、それもアリだったと思います。でも、2カ月はもたない気がします。それに、瞬発力を鍛えるために、DMEはどこかでとっておきたい授業でした。
オンライン英会話と留学の違い
そういえば、日本でもDMM英会話というオンラインの英会話をやっていたんですけど、なんかちょっとモヤッとしてました。多少は喋れるようになってきているけど、瞬発力とかは変わってなかったと思います。そこを変えたいと思ってたときに、DMEがハマった感じがあります。
オンライン英会話よりも、フィリピン留学の授業のほうがストレスがあったんですか。
あります。授業の密度が違います。
オンライン英会話って先生は1コマで評価されるわけじゃないですか。厳しい授業をして評価が低かったら査定に響くでしょ。だから、無難に楽しい授業になりますよ。それに、また次に選ばれるか分からない生徒に本気で向き合えないですよ。
確かにずっと同じ先生というのは大きいですね。現地に行く良さって、長期で見てもらえることですね。そこはオンライン英会話と留学の違いですね。
先生の立場からしても、30分の授業だけで生徒の英語力を正しく評価できないですよ。ずっと授業をすることで、その生徒のウィークポイントや求めているものがわかってくる。オンライン英会話が効果がないとは思わないですけど、似てるけど比較しにくい部分があるんです。だから、僕は先生をコロコロ変えるのも反対。
フィリピン留学の成果
セガとブライチャーという2つの学校に行ったのは、よかったですか?
よかったですね。セガはDMEというスパイスの効いた授業でギアが上がって、ブライチャーで更にギアが上がりましたから。
大満足ですか?
んー、満足かというと、そうではないんです。着実にレベルは上がっていると思うんですが、一山登ったと思ったら、次の一山が見えた感じと言いますか…。まだまだ登っている途中です。松井さんにお会いした際にも、「英語の勉強に終わりはないよ」っておっしゃっていました。ブライチャーで刺激を受けて、まだまだ勉強しないといけないなと感じました。
期待していたものは2カ月で得られたんですか?
いや、正直なところ、IELTS 6.5をとったら、もっと喋れると思ってました。スコアは上がっても全然喋れないんだな、というのが正直な印象です。TOEIC900点をとっているような生徒にもたくさん会いましたけど、ネイティブみたいに話せてるかというと全然そうじゃないです。月並みですけど、これでようやくスタートラインに立ったんだなという感じです。
勉強すればするほど、予想していた目標までの道のりが遠のいていくんですね。
そうです。いい意味でですよ。まだまだ道のりは長いです。
でも、慎重に学校選びをして、結果を伴ってよかったですね。
慎重でよかったです。行く前に中谷さんに教えてもらったことが、「こういうことだったのか。」って途中途中で思い出しました。相談できて本当によかったです。これからオーストラリアですが、どう勉強していったらいいかはなんとなくわかりました。引き続き、日本で勉強していきます。
フィリピン留学の注意点
これから留学する人に注意点があればお願いします。
留学は魔法ではなく、評判の良い学校に長く滞在したからと言って、劇的に英語が伸びるわけではない気がします。全て自分次第。だから、自分で留学スタイルを作るべきだと思いました。
あと、ブライチャーもそうですが、完璧な学校は存在しないので、目的、目標をもって、自分の優先事項を決めて、それに合う学校選びをしてほしいと思います。それは強く思います。せっかくお金をかけて行くのに遊んでる人も多いので、もったいないと思いました。
その人が望むなら、交流重視の留学もいいと思います。けど、本気で勉強したいんだったら、自分の性格を理解して、自分がどんな環境なら勉強に集中できるかを考えたほうがいいですね。やっぱり流される人が多いので。
大学生は特に注意ですね。
学生が多い学校は、そういう雰囲気になっているので。
自分も、昔だったら絶対に流されてたと思います。今回は、オーストラリアに行くのにIELTS6.5が必要、という明確な目標があったから頑張れたと思います。
でも、ほとんどの人が具体的な目標がないので。楽しいほうに流されていくんですよね。
目標は大事ですね。あと、やっぱり生徒層も大事ですね。
でも、生徒層は運なので。人に恵まれたら、最高の留学になりますけど。人に恵まれなかったら最悪になる。紙一重ですよ。そして、それは学校の価値じゃなくて偶然の価値です。入場制限をしてない学校に、生徒層を期待しても仕方ないですよ。プラスアルファーの価値ですから。
傾向とかでも分かればいいですけどね。
金額、集客方法、場所、時期とかで生徒層の傾向はあります。でも、保証はできないからね。今回はうまくいってよかったです。
本当によかったです。ありがとうございます。
(2017年10月3日(火) 渋谷にて)
編集後記
ブライチャーの特徴がよく分かると思います。参考になれば幸いです。興味ある方は公式サイトへどうぞ。