フィリピン留学を3ヶ月後、マレーシア、タイ、イタリア、フランス、イギリスを5ヶ月旅してたアイスくんが帰国したので話を聞きました。
ヨーロッパ旅行前のフィリピン留学
アイスです。2014年の4月1日から3ヶ月アジアンズブリッジで勉強して、その後、ヨーロッパを5ヶ月ぐらい旅行してました。今、日本に帰って来たところです。
お会いしたのは、4月の1週目。あの時は、まだフィリピンに来たばかりでしたよね?
そうです。クラークのバーで5人で飲みましたね。
なぜ英語を勉強してるんですか?
食べる意味を日本人に伝えたいんです。「いただきます」の意味をみんなに考えて欲しくて。
なんでそう思ったの?
キッカケは母親の話です。昔に鶏を飼っていて、学校から帰ったら鶏が晩飯になってたみたいで。その話を聞いて衝撃を受けて。日本人は「いただきます。」って言うけど、食べ物の背景は見えないから、形式的に言ってる人が多いと思うんです。
コンビニで何でも買えるし、美味しい牛丼も安く食べれちゃう。でも、食べ物に恵まれてるのに、不幸せな食べ方をしてるから。もっと考えないといけないって大学の時からずっと考えてたんです。だけど、日本にいても、飢餓の人を見れるわけじゃないから、世界に足を運んで、世界から発信しようと思ったんです。そしたら英語が必要だから。
最初からフィリピンで考えていたの?
弟が結構アジアを旅行してて、フィリピンも何回か行ってるんです。それで、英語がすごい聞き取りやすかったって言ってて。軽い気持ちで決めました。
なんで、アジアンズブリッジを選んだの?
偶然です。ネットで調べてたら出てきて。問い合わせしたら、すぐ連絡が来て、反応もよかったんです。夢があるなら、是非学んくださいって。次の日には、会社辞めますって言って、パパっと。その後は早かった。
4月時点の英語力は?
全くダメです。受験勉強はしましたけど、英会話は基本的な会話しかできなかったです。自己紹介ぐらい。
フィリピンの3ヶ月は本気で勉強したの?
80%ぐらいかな(笑)。アジアンズブリッジの時は、正しい勉強方法が分かってなかったので、がむしゃらにやってました。8時から17時まで、毎日8時間マンツーマンで。文法とか会話を必死にやってました。間違ってもいいから、英語で何かする習慣を作ろうと思って、3ヶ月英語で日記を書いて、ひたすら洋楽を聞いてました。
結構本気だ。
もう26歳なので、なんとなくで終わらせたくなかったんです。会社を辞めるプレッシャーがヤバかったので、やらないといけない状態に自分を追い込みました。
モチベーションの波は?
波はありました。うまくいかないと考えちゃってダメですね。最初の壁は1週目、音が聞けなくてヤバイと思いました。2回目の壁は、1ヶ月半ぐらい。聞き取れるけど、単語がなくて、言葉がでない。その後はなかったですね。
どうやって乗り換えたの?
どうなんだろう。ひたすらやれることを毎日やってた。
誰かに相談した?
先生にはずっと相談してました。言われたのは、継続すること。みんな壁にぶつかるから、それは乗り越えるしかない。そういう時期は必ずあるって。
フィリピンはイメージ通りだった?
トラブルもありましたけど、トータルで大満足でした。絶対必要な3ヶ月でしたね。
フィリピンで英語の上達を感じれたんだ。
学校にいた時は実感はなかったです。でも、いま、旅を終えて感じます。あの3ヶ月がなかったら、自分の英語は崩壊してたと思います。フィリピンで勉強してから、ヨーロッパに行ってよかったです。
マレーシアでは英語は問題なし。ラマダンで断食
フィリピンの後にどこに行ったの?
1回日本に帰って、7月21日からマレーシアに行って、ラマダンで断食をしました。断食をして、食べ物への感謝の気持ちは高まりました。食べ物を見るといつもありがとうって思います。
マレーシアに行ったときは英語のコミュニケーションは問題なくなってたの?
会話はできたんですが、その時の壁は、単語が少ないことでした。形容詞や副詞が少なくて、会話内容が楽しくなかったです。でも、フィリピン留学を経験せず、マレーシアに行ってたら自信がなくて、あまり交流できなかったと思います。本当に先生のお陰です。断食が終わってから、タイに行きました。
タイ旅行でヨーロッパの友達を作る作戦
タイは旅行で行ったの?
ヨーロッパに行く予定だったんですけど、すでに円安が始まってたので、ヨーロッパで安く滞在する方法を考えたんです。それで、タイのカオサン通りには、ヨーロッパのバックパッカーが集まってるって知って、カオサンで友達を作ってから、ヨーロッパに行こうと思って。そしたら、泊めてもらえるかなと(笑)。
その作戦は成功したの?
大成功でした(笑)。ヨーロッパに3ヶ月いましたけど、宿泊費は全部で1万5千円ぐらいです。
すごいね。タイでは英語は?
タイでは日本人を避けてて、イギリスとフランスとイタリアの人と行動してたんです。だけど、英語が全然聞き取れなくて本当に落ち込みました…。アジアの英語はなぜか聞き取れるんです。だけど、ヨーロッパやアメリカの英語は聞き取れないんです。大きい壁でした。ひたすら音に慣れる練習をしてました。
英語は伝わるの?
ちょくちょくですね。今思うと、ほとんど伝わってなかったと思います。つまらないこと言ってる日本人だなと思われてたと思います。すげー、悔しかったです。それが、4、5ヶ月目ですね。ヨーロッパに行く前に、音に慣れる訓練をしないとヤバイと思って、洋楽を聞きまくって、音に慣れようとしました。
タイの後にすぐヨーロッパに入ったの?
いえ、ヨーロッパに行く前に、フランス人の友達とインド、ネパールに行きました。でも、お金がなくなって、1回日本に帰りました。9月の末ですね。それで、10月16日からヨーロッパに行きました。
イタリア旅行では英語は問題なし
ヨーロッパはどこの国に行ったの?
最初はイタリアです。イタリアでは英語は問題なかったです。最初に泊めてもらった家の方が、イタリア語、スペイン語、英語もできる人で、大丈夫かなと思ったんですけど、話してみると、全然聞けたんです。
じゃ、英語に慣れるには、洋楽を聞きまくるのも効果あるんだね。歌詞を見ながら、洋楽を聞いてブツブツ言うの?
当時やってたのはそうです。歌詞を見て、洋楽聞いて。あと、聞き取れないところは書いてました。自分がどこが聞き取れないのか理解したくて、全部書いてました。
フランスの人は英語が喋れない
イタリアの次はフランスです。フランスは全然ダメでした。フランスの人は英語が喋れない(笑)。本当に難しかった。
いろんな国でトライしました。何回泣いたか分からないです。フィリピンで3ヶ月勉強したのに、なんでこんなに聞けないんだって。だから、ヨーロッパでも英語の勉強をしてました。フィリピンの時より勉強してたと思います。本当に悔しくて。
失敗体験ってすごく大切だと思う。モチベーションになるから。
試行錯誤しましたが、ベストは尽くしました。
イギリス旅行では英語をバカにされた
ヨーロッパの旅の最後がイギリスでした。
最後の最後にネイティブ国のイギリス。わざとそういうルートにしたんですか?
いや、たまたまです。ただ、これはガチの勝負だなと思ってました。いろんな国に行くたびに、少しずつ英語が成長してるって思ってたんです。でも、違った。
イギリスは1週間だけでしたけど、空港のインフォメーションでホテルまでの行き方を聞いたら、早くて分からない。全部音が繋がってるように聞こえて、全く聞こえない。本当に焦った。イギリスでは日本人の英語だねって笑われました(笑)。
バカにした感じなの?
あざ笑う感じかなぁ。英語の基礎をフィリピンで学んで、すごくよかったけど、終わりじゃない。始まりだなと思いました。
積み上げたものが最後のイギリスでボロボロにされて、いま帰って来たんですね。
フィリピン留学とヨーロッパの旅でやっと英語のスタートライン
いまアジアンズブリッジに戻ったら、すごくスキルアップしてると言われるかもしれないし、クラス分けしたら、結構上になるかもしれない。でも、世界にでたら鼻で笑われると。
成長してる自信はあります。でも、あんまり言いたくないけど、フィリピンで3ヶ月勉強したぐらいじゃ全然通用しない。
この前にインタビューした人が言ってたんですけど、フィリピンでは会話できたつもりが、マレーシアに行ったら全然ダメだったそうです。
フィリピンは生徒が日本人ばかりだから、先生が日本人英語に慣れてるんですよね。
留学で上級になっても、ビジネスシーンで即戦力にはなれないですよ。学校では、先生は行間を読んでくれるから、通じ合ってる気になるけど、ビジネスシーンでは違いますからね。
旅行でも悔しかったから、働いたらたぶんみんな泣くと思う。
そういうのをたくさん見てきました(笑)。学校というビニールハウスでちょっと話せるようになっても、まだまだスタートラインです。英語学習はエンドレスだから、留学でちょっとできる気になったら、さっさと外に出て、次の壁にぶつかったらいいと思う。
自分が体験したから、すごく分かる。まだ始まったばかりです。
僕はフィリピンは英語学習の最初の1歩に良いと思ってます。行間を読んでくれて、会話が楽しいほうが話しやすい。話すから上達しやすい。まず慣らす感じ。
最初はフィリピンが絶対良いと思います。
今後の勉強はどうするの?
イギリスの友達に、音に慣れることが大事って言われました。どの音が分かってないのかまず知る。コネクションを理解する。音の繋がりを。例えば、like itだと、ライク イットじゃなくて、ライキット。それを増やすこと。
テキストは使わず、ビデオを見る。海外ドラマをシャドーイング。フレンズとか。あとはアニメとか。リスニングはそれで改善しようと思ってます。
中途半端な英語留学はただの旅行
留学エージェントをやっていて感じるのが、英語ができることの価値を過剰に期待している日本人が多い。英語が出来たら、人生が変わると勘違いしてる。でも、3ヶ月で簡単に人生を変えられるなら、みんなも変えられるから差別化できないですよ。
みんなできますもんね。
僕のまわりでビジネスやってる人は英語に情熱ないですよ。仕事ができるから。英語にすごい期待してる人って、社会人としての強みがまだない人が多い。
キャリアに軸がないんですね。
だから、英語を手に入れたら無敵になると思ってる。英語が出来る人なんて、世界中にいっぱいいるんですよ。日本語できるフィリピン人を雇ったほうが早いですよ。
絶対そうですね。
だから、過剰期待には警告をしたいんです。僕に相談がきて、勘違いしてる人には結構冷たい対応してしまってるかもしれない。でも、英語に価値がないわけじゃない。これからの時代は英語に苦手意識を持ってたら絶対ダメ。英語とITは必須。だけど、別に専門家にならなくてもいいと思ってます。専門家を目指すなら、その道のりは予想以上に険しいですよ。
英語がヘタクソでもなんとか話せるようになるのはマスト、その先に、更に1000時間英語学習に投資するなら、IT学習に投資したほうが武器になるかもしれない。簿記とか会計とか、いろんなスキルあるでしょ。どれでも極めたら武器になる。
僕はフィリピン留学にはすごい価値があると思ってるし、フィリピンのマンツーマンは初級にすごく効果的と思ってます。でも、予想してた経験が得られず落ち込んでる生徒もたくさん見てます。それって、理想が高すぎたり、覚悟がなかったりするだけだから留学前に潰せるんです。地に足がついた留学をして欲しいんです。
中途半端な気持ちで留学すると、ただの旅行になりますね。本気で英語を身につけたいなら、しっかり軸を定めてから来たほうが良いです。僕は行って本当によかったです。やっと英語を話すときに、日本語を考えなくなりました。やっとです。嬉しいです。
英語留学に大事なのは目的
英語が勉強したい友達から相談されたらどうアドバイスをします?
英語で何がしたいの?目的次第ですね。
出発前の自分はそれに答えられました?
答えられました。「いただきます」を広めたかったので。そのための英語力は得られたと思います。
たとえば、友達がオリンピックがあるから英語を勉強したいって言ったら、何てアドバイスする?
オリンピックで英語をどう使うの?
まだ分からないと答えたら?
じゃ、行かなくていいよ(笑)。
わはは。でも、こういう人は結構多いです。僕はこういうタイプの人にどうアドバイスしていいかすごい悩むんですよ。行かなくて良いというのも1つの答えだと思うけど、行ったら、何か発見があるでしょ。たぶん、英語力はそんなに上達しない。長い道のりの1歩を踏み出す感じ。何をもって「英語が出来る」と定義するかは個人差があるし、ゴール設定次第ですね。
バイリンガル英会話の映像で言ってたんですけど、日本人の英語学習って、アメリカやイギリス英語を目標とする人が多いんですって。完璧主義な性格に加えて、具体的目的がないからだと思う。でも、インド人はインド英語をゴールにするんですよ。ゴールを低く設定してるんですよ。結果、インド英語を喋る人がいっぱいいるから、ネイティブがインド英語に慣れて市民権を得るんですよ。
日本人がネイティブ英語を追求したら、ゴールはめっちゃ遠いですよ。僕は留学相談を受けたら、現実的なことを言うんです。本人次第な部分も多いから。
留学中に思ったのが、そこまで努力してないのに、先生の質が悪いとか文句言ってる人が結構多いんです。
すぐ先生を変える人はいますね。先生の質って確かに大きいですよ。でもね、世の中では、話しにくい人とも話さないとダメでしょ。話しやすい先生のほうが楽しいですし楽ですよ。でも、トレーニングですからね。快適な環境ばっか探してる人って苦境を乗り越えれてるのかなって思う。まず自分がベストを尽くさないとね。
英語は手段でしかない。本当に。だから目的次第。あと、終わりはないです。僕は8ヶ月いろんな国に行って英語に触れてきましたけど、やっと、英語学習が始まった感覚なんです。ただ、ここから1ヶ月で日本で英語力を伸ばせる自信があります。勉強のやり方が分かったし、自分が分かってないことが何なのか分かったから。
自分の現在地を知るのは本当に大切ですね。
これからは音の繋がりを意識して勉強します。あと、日本の小説もたくさん読みます。
やっぱり日本語ができないとね(笑)。日本語ができない人は上達速度が遅い気がします。英語ははっきり結論を言うけど、日本語は曖昧って言うでしょ。僕は日本語でもズバズバ言うタイプなので、話し方が多分英語的なんです。関西人は英語学習が早いってたまに聞くんですけど、それは関西人はお喋りが多くて、意見をはっきり言う人が多いかもしれない。
それもあると思います。
だから、僕は英語学習のカウンセリングする時は、日本語と英語で話して、その人の性格や話し方も観察して、合う学校を考えるんです。英語の知識量だけじゃなくて、性格も重要なんです。自分が紹介した生徒が留学後にどうなったかも全部聞いてるので、パターンが掴めてきて、いまは、留学前にその人がどれぐらい伸びるかはだいたい予想できます。でも、僕も昔は分かってなかったので、リアルな体験談を発信して、みんなに参考にしてもらいたいんです。
日本でも英語の勉強はできる。でも、経験という意味で語学留学には大きな意味がありますね。
最後にアジアンズブリッジってどんな学校でしたか?
自分次第でなんとでもなる環境ですね。柔軟に対応してくれるので、ゴールが明確な人にはすごい良い学校だと思います。
(2015年1月10日(土) 新宿のカフェにて)
編集後記
アジアンズブリッジのイメージは僕も同じ。少人数でアットホームで自由度が高い。目的が明確であればあるほど効果的に使えると思います!このインタビューの生音声は下の再生バーで聞けます。
Podcast: Download (Duration: 48:19 — 33.2MB)