大学生にオススメの返済不要の海外留学奨学金で、トビタテ!留学JAPANというのがあります。その奨学金でオランダ、タンザニア、フィリピンに留学した大学生の体験談です。彼は自分の体験を、大学生向けにパッケージにして教育業界をよくしていこうと取り組んでいます。
海外留学奨学金、トビタテ留学の体験談
静岡大学の教育学部の鈴木です。大学3回生で休学中です。「トビタテ!留学JAPAN」でフィリピンに3カ月、タンザニアに3ヶ月、オランダに1ヶ月半行ってきました。
いつ帰ってきたんですか。
4月の頭です。2016年の夏から1年間休学しているんです。4月からは東京の「トビタテ!留学JAPAN」でインターンをしてます。
トビタテって何か国も行けるんですか。
自分は、半年で3カ国ですが、1年で5カ国行く人もいます。28日から2年の範囲で自由にできます。
トビタテの奨学金は、大学生は絶対使ったほうがいいですね。留学計画書を提出して、審査が通れば留学費用を国が出してくれる。今はどれくらいの倍率ですか?
倍率はだんだん上がってきてます。今は3か4倍。でも、他の奨学金に比べたら、まだ低いと思います。まだまだ周知できていないので。
何で知ったんですか。
大学にあったチラシです。
大学生の中でトビタテって知られているんですか。
いや、僕の大学では知らない人が多いです。使った人は僕のまわりにはいません。
でも、帰ってきて体験を話していると興味を持つ人もいるんじゃないですか。
トビタテに興味を持つ人は増えてきてますが、なかなか応募まで到達しないです。トビタテは審査が面倒なので、知っていても使わない子も多いです。
奨学金の金額は結構大きいでしょ。返済不要だし。
奨学金の金額は国ごとで決まってます。僕は半年で100万円以上支援してもらいましたし、2年で200万円ぐらい貰う子もいます。最短の28日で、ちょっと調査して帰ってくる子もいます。
帰国後に領収書を提出するんですか。
いえ、行く国によって支援金額が決まるので、どう使ったかは関係ないです。お金が余れば観光に使ってもいいです。
奨学金は留学前に貰えるんですか。
留学前にもらえます。お金に余裕がないと、いろんなことに飛び込んでいけないから。お金のサポートするから、やりたいことに専念してくださいという奨学金なんです。だから、目標が設定できる子じゃないと受からないんです。
カンボジアのスタディツアーでカルチャーショック
大学1年生の夏に初めての海外に行ったんです。「僕達は世界を変えることができない」という映画を観て、カンボジアのシェリムアップに行きました。大学生がよく行くスタディツアーです。それで、海外にハマったんです。いろんな人に会うのが楽しくて。大学では学べないことがあるし、大学の日常とは違う世界があって、すごく魅力的だったんです。教育に興味があったので、教育支援もいつかはしたいと思いました。
英語はできたんですか。
いや、全然できなかったです。
海外の何が魅力だったんですか。
日本の当たり前がアジアにはないことです。あと、目の前の貧困にカルチャーショックを受けて。もっと見てみたいと思ったんです。知った先のことは深く考えてなかったです。
それで、バイトしてお金を貯めて、夏休み、冬休みのたびに海外に行ってました。観光をしながら、東南アジアをバックパッカーして、カンボジア、マレーシア、シンガポール、タイに行きました。あと、フィリピンの「誰でもヒーロー」でインターンもしました。
そしたら、長期で海外に行きたくなってきたんです。最初は勉強よりも、世界1周をしたかったんです。でも、1年休学するなら、親とか周りの人が納得するように、しっかりした目的を作らないとダメだと思ったんです。
お金の問題もあったので、どうしようかと思ってた時に、たまたまトビタテの奨学金を知ったんです。教育支援やボランティアも興味あったし、いろんな場所に行きたかったので、留学として支援してもらおうと思って。教育の想いを伝えたらチャンスはあるかなと思って応募したら、合格できて。奨学金を頂いたんです。
トビタテ留学計画書
トビタテでは、どんな計画を立てたんですか。
海外で、学校現場の違いにすごく違和感を感じてたんです。海外って学校がないとか、先生が足りないとかが普通なんです。日本には海外にないものが当たり前にあるんですけど、充分に活かせていないんです。子供達は何でも学べる環境があるのにモチベーションがなかったりします。逆に、環境がないフィリピンの子供のほうがモチベーションがあるんです。すごく違和感がありました。
だから、日本の教育をよくするために、いろんな国の学校現場を見てきて、海外のいいものを日本にもって帰ろうと思ったんです。もともと先生になりたかったので、学校レベルに落とし込みたかった。それが1つの目標です。
もう1つが、僕は先生になるために大学の教育学部に入って、ずっと先生になることを目標に頑張ってきたんですが、海外でいろんなものに出会って、自分のやりたいことって、そもそも何なのかを考えるようになったんです。僕は先生になってしたいことがなかったんです。先生になるのは手段なので、先生になって何がやりたいかが大事だと思うんです。でも、僕の目標は先生になることだったので、ズレていると思って。それで、先生になるかは置いておいて、自分のやりたいことが何なのか考えてみたいと思ったんです。
あと、正直言って、人としての魅力が、自分にはあまりなかったので、単純にいろんな経験をしてみたいと思いました。海外では、いろんな経験や出会いで自分が成長できたと思えるときがあったんです。だから、いろんな国に行って視野をもっと広げたいと思いました。
それでフィリピン、タンザニア、オランダ。なぜこの3か国ですか。
いろんな地域を見てみたかったので、アジア、アフリカ、ヨーロッパの3箇所に行こうと考えました。英語ができなかったので、まずフィリピンの語学学校で英語の勉強をしようと思いました。あと、フィリピンが去年から教育改革をしていて、K-12というアメリカの教育方針を取り入れたんです。その改革現場を見たかったんです。
タンザニアは?
専門が開発教育学だったので、教育がない所で学校がどう作られて、どう浸透していくかを見てみたかったんです。日本だと学校があるのは当たり前だけど、学校がない所で子供達が学んでいる様子を見たかったんです。
オランダは?
大学でオランダについて研究していたんですが、オランダは教育先進国なんです。ヨーロッパではフィンランドも有名ですが、オランダのイエナプラン教育という教育メソッドが特徴的なんです。それで、この3つの国に行く留学計画を立てて、トビタテに申し込みました。
トビタテに応募するとき、留学計画書はどれぐらいの量を書くんですか。
留学の目的を400字ぐらいで書きます。字数的にはそんなに多くないです。でも、交換留学に比べると、留学が決まるまでが長いですし、書類審査や面接もあるので、ハードルが高く感じます。
申し込むときは、学校も決めておかないとダメなんですか。
応募時に、学校名は書かないといけないんですが、交渉中でも大丈夫です。確定している必要はないので、変わっても大丈夫です。
フィリピンの教育改革の現場
なぜドゥマゲテのSPEAにしたんですか。
最初はセブのサウスピークを考えてたんです。学生インターンとして働ける学校がいいと思ったんです。たまたま青年海外協力隊の人を紹介してもらったら、その方が、ドゥマゲテのSPEAとウィルの2つの学校を紹介してくれて。サイトを見てたら、SPEAの体験の中で英語を学ぶスタイルが自分にはあうと思ったんです。
それで、SPEAの野田さんに連絡したら、「ネットワークがあるから、現地の学校にも行けるかもしれない。」って話をしていただいて、現地の教育現場を見れるのはいいなと思って、SPEAに決めたんです。
SPEAはどうでしたか。
すごくいい経験ができました。
3カ月をどんな風に使ったんですか。
最初の1カ月半は、学校で英語を学んでました。SPEAでは毎週金曜日は先生と外に出て実践するので、現地の学校や、ドゥマゲテの教育省に行ってインタビューしたりしました。外に出る前にはネットで調べたり、フィリピン人の先生に教えてもらったりするので、フィリピンの教育について結構詳しくなりました。
次の1カ月では、いろんな学校に行かせてもらって、実際に子供達と触れあったり、現場の教師と話をすることができました。改革が行われてる現場を見て、たくさんのことが学べました。
最後の1週間はパンプローナという田舎の小学校で1週間インターンさせてもらいました。SPEAのフィリピン人の知り合いが、その学校で先生をやっていたので、その先生の親戚の家にホームステイさせてもらいました。地元のフィリピン人の家にホームステイして、ローカルの学校でインターンしたのは貴重な体験でした。
SPEAではインターンはしてないんですか。
1カ月半は生徒として勉強して、あとの1カ月は、SPEAでインターンをしました。学校に住まわせてもらいながら、学校の業務をお手伝いして。インターンをしながら現地の小学校に行ってました。フレキシブルに対応してもらいました。
海外経験が少なくて、実践慣れしてない生徒は、「実践コース」は英語に慣れれていいと思います。ただ、ご自身は旅の経験が豊富でしょ。それでも、目新しさや学びはありましたか。
海外には結構行っているので、話すのは慣れてましたが、英語はうまく使えていなかったと思います。机の上で勉強していても覚えられなかったんですが、実際のコミュニケーションの中で英語を使うことで、予想以上に英語が身についたと感じました。
6週間で英語力の手ごたえを感じたんですか。
感じました。TOEICやTOEFLで点数が取れるかというとそんなことはないと思いますが、スピーキングとリスニングは上達したと思います。
スムーズに話せるようになったんですか。
今までは、その場その場でコミュニケーションをしていたので、使える言葉だけで話してたんです。でも、英語の授業として実践すると、今まで使ってなかった単語を意識して使います。使える単語は増えました。
それは準備していくからですか。
はい。事前に使いそうな単語を準備します。現場では意識的に単語を使っていきます。机の上で単語を学んで先生と話すより、必要なシーンで単語を使えるのはよかったです。自分には単語が定着しやすかったです。
3ヶ月で何を感じたんですか?
国から下りてくる教育改革は、現場ではなかなか難しいと感じました。先生は苦労されていました。まだ改革がおこなわれたばかりなので、今後どうなるかは気になります。
具体的にどういう改革が行われているんですか。
今まで、小学校6年で中高が3年で、義務教育は9年間だったんです。でも、世界のスタンダードが13年なんです。フィリピンとアフリカの数か国だけが1桁台の義務教育で、期間が短いから基礎学力がないんです。高校がないけど大学はあるから、16歳で中学校を卒業したら、働き始める18歳まで、2年間をフラフラして過ごしてしまうんです。他の国では高校や専門学校に行って手に職をつける時期にフラフラしてしまってるので、フィリピンの若者が育っていかないんです。
だから、義務教育の期間を伸ばす必要もあるし、それだけじゃなくて、高校も作っていかないといけない。高校も、職業学校と進学校を分けて。大学に行くなら大学にまでの流れをつくって。就職するなら職業学校を作っていかないといけないんです。
あと、フィリピンで1番問題なのが、ドロップアウトする子供がすごく多いんです。経済的な理由が大きいと思います。だから、教育の無償化も検討して継続的にサポートする必要もあるんです。
難しい問題ですね。そういう現実を見たわけですね。
いい経験ができました。
フィリピンで問題と感じたことはなかったんですか。
フィリピンだからダメという部分はないですけど、やっぱり海外というのは意識しておかないとダメだと思います。当たり前のことですが、日本の清潔さはないし、接客対応は全然違います。ただ、フィリピンではそのカルチャーショックを是非体験してほしいです。
前にセブに行ってたけど、ドゥマゲテは違いましたか?
違いました。ドゥマゲテはすごくいい場所でした。ドゥマゲテに行ってわかったのが、セブがフィリピンの中では特別だということです。観光地の部分が強いです。ドゥマゲテのパンプローナの小学校や山奥の田舎に行ったときは、フィリピン人の陽気さや生活を肌で感じました。
あと、セブと比べるとドゥマゲテは安全だと感じました。セブでは2週間だけの滞在でしたが、日本人がスリに遭ったり、ストリートチルドレンに囲まれたりしてました。でも、ドゥマゲテではなかったです。
SPEAの3カ月は目的達成ですね。
自分の目的は達成できました。そして、タンザニアに行きました。
タンザニアの中学校でボランティア活動
タンザニアでは、日本人が作ったさくら中学校で3ヶ月ボランティアをしました。ローカルの人向けの私立の中学校です。さくら中学校はJICAの草の根活動も入っている学校で、自分が行ったときに学校ができて2年目で、まだいろいろ不備がありました。
途上国では、女の子が男の子と一緒にいるといろいろ問題が起きるんです。女の子はマイノリティで立場も弱いので、女の子のための全寮制の中学校です。ある日本の女性教育者がJICAや日本の企業をスポンサーにして作った学校なんです。
どんなことを感じたんですか?
タンザニアは日本とはかなりギャップがありました。学校がしっかりと整備されていなくて、子供が学べる場がすごく限られていました。授業があっても、カリキュラムがないこともあります。日本に当たり前にある環境が、タンザニアにはないんです。そんな中で子供達は勉強しています。タンザニアに行って、子供には学ぶ環境が本当に大事だと強く感じました。
タンザニアでは授業は英語ですか。
英語です。タンザニアでは小学校まではスワヒリ語で話しますが、中学校からは英語で授業するように、国が指定しているんです。だから、中学校では基本的に英語で授業していて、子供達も英語で問題を解いていました。その学校では、先生達とも基本的に英語でやりとりしていました。ただ、タンザニア人同士で話すときはスワヒリ語です。
フィリピンで学んだ英語は問題なかったですか。
全然通じました。少しブリティッシュでしたけど、慣れたら大丈夫でした。
3カ月、ボランティアで何をされたんですか。
毎日1時間授業をしてました。音楽と図工と体育、あとは日本語と日本文化を教えていました。国の統一テストが国語、算数とかの5教科なんです。それを自分が教えると責任が問われるので、テストの対象にならない教科を教えてました。
英語で教えてるんですよね。
英語です。フィリピンで学んだ英語が活用できました。
ドゥマゲテのときに、中学生に教えることも意識して英語を勉強していたんですか。例えば、図工の授業を想定してたりとか?
してません。でも、コミュニケーションをとる姿勢はフィリピンで得られたので、問題はなかったです。
それで、次はオランダですね。
オランダのイエナプランを見学
イエナプランですね。それは何のメソッド?
小中の教育メソッドです。いろんな年齢の生徒が一緒に学ぶんですが、個別学習を重視しながらグループで協調性を学ぶんです。日本は集団ベースですが、オランダは個ベースです。個で学べない部分をグループで学ぶんです。
個別学習だと先生がたくさん必要になりますよね?
先生1人に対して30~40人のグループクラスです。でも、先生が一方的に教えるのではなくて、子供達は基本的に自分で時間割を作るんです。先生が用意した教材を生徒が選択するんです。
生徒が自主的に学ぶんですね。先生はアドバイザー的な感じ?
ファシリテーターみたいな感じです。
それは生徒のリテラシーも必要ですね。
そういうのを含めてイエナプランといいます。イエナプランの学校は、全体の3%なんです。イエナプランが合う子もいれば、合わない子もいる。イエナプランがいいというよりは、学校が選べて、自由なのがオランダの強みなんです。その現場を見に行きたかったんです。
オランダでも学校で働いたんですか。
オランダはボランティアの受け入れが難しかったです。だから、1日学校見学をさせてもらいました。1カ月半で12校の学校を見てきました。授業を見学して、子供達と話をしたり、先生にインタビューしたりですね。
学校にメールしたら、普通に見学はさせてくれるんですか?
そんなことはないです。何十通とメールを送って、返事があったのは2、3割、OKしてくれたのは数校です。現地で知り合いに紹介してもらって、行ける学校が少し増えました。
ホテルに泊まって行くんですか。
Airbnbで泊まって転々としてました。
オランダのどこですか。
いろんな所に行きました。デンハーグの中心に近い学校や、ユトレヒトとか。行ける所を周りました。
でも、学校すべてがイエナプランをしているわけじゃないんでしょ。
そうです。いろんな教育メソッドがあるんです。ドイツはシュタイナー教育が有名ですが、その教育法を取り入れている学校もあります。全部総称してオルタナティブ教育といって、特徴的なカリキュラムや教材を活用している学校が、オランダ全体の1割を占めています。その1割の学校に、他の学校も刺激されていい競争が生まれているんです。
私学だけですよね。
公立でも認められています。オランダの学校は全部無償なので、公立も私立も区別がないんです。学区制もないので、学校の選択が自由で、遠い学校にも行くことができます。今はなくなったのですが、昔は交通費も国が補助してくれたんです。あと、学校を設立するのも自由で、子供を200人集めると誰でも学校を建てられるんです。
その代わり、全部自己責任なので子供が減っていくと監査が入ります。学校のクオリティを上げていかないと、子供が集まらなくて学校も成立しないんです。学校の競争が激しいので、よくしていこうという思いが強いです。
オランダでは、子供は減っていないんですか。
減ってないです。ただ、オランダは小国で人口も少なくて、もともと子供の数は多くはないです。
オランダでも英語は問題なかった?
基本的に問題なかったです。オランダ人は英語ができますし、こっちの英語もすごく汲み取ってくださるので、そんなに不便は感じなかったです。オランダ語は喋れなかったんですが。
日々学校訪問してたんですね。
あと、オランダの教育を研究をされている日本人がたまたま来ていて、1週間の研修会をやっていたので、参加してオランダの教育について学びました。
トビタテ帰国
それで帰国。帰国すると論文を提出するんですよね。
書類を書いて、留学の報告はします。あと、留学後に1泊2日で研修があります。留学で何を学んだか、それをどう活かしていくかをシェアする報告会です。3カ月に1回ぐらいあるので、参加できるときに参加します。
トビタテは事前研修と事後研修は必須になっていて、留学前であれば、留学で何を学んでくるかをみんなで準備します。
半年で予想していた経験ができたわけですよね。
そうです。
大学生のための教育プログラムを作る
トビダテの経験をどう活かすか模索してるんですか。
模索しながら活動をしています。その1つとして、今の教育現場をよくしていくために、留学プログラムを作っています。自分の学びを共有したいんです。フィリピンの環境で学ぶことは、大学生にとてもいいと思ってます。
実践学習がよかったんですか。
英語を学ぶというより、異文化を感じる、非日常を体験することがよかったです。先生を目指す学生が、海外の教育現場を見て視野を広げることは価値があると思います。他の人にもこの経験して欲しいんです。でも、自分が「フィリピンでこういうことを学べるよ。」と言っても、なかなか伝わらないので、初心者の方が来れるような特別プログラムを作ろうと思ったんです。
それが、SPEAの教育者向けプログラムなんですよね。
立ち上げは自分がやりました。僕と同じように、最初は実践で勉強しながら、後半はローカルの大学とか中学校とかの現状を見てもらいます。それを3週間のパッケージにしています。
海外で、子供達が学べる環境と、教える側の改善が必要だと感じました。だけど、自分はまだ大学生で、これから教育に関わっていくので、教育現場を変えるには経験不足です。特に、すでに先生をやってる人達に啓発できることはないと思ってます。
だから、今できることは、同世代で先生を目指す学生の意識を変えることだと思ったんです。教育現場に入っていく大学生みんながモチベーションが高ければ、教育現場からでも変えられるかもしれないと思って。それで、自分と同じような経験をしてもらうために、留学プログラムを作ったんです。
トビタテを利用して、Starting Pointの教育プログラムを経験してもらいたいんですよね。
それもあるんですが。フィリピンの教育プログラムは、トビタテに行く前の海外経験として使ってもらいたいんです。トビタテは目標設定しないといけないので、海外初心者が使うのは難しいんです。そもそも海外を知らないと、海外で何ができるのかもわからないから。
確かに、海外経験がないと目標をたてるのは難しいでしょうね。
だから、スタート地点としてこのプログラムを使ってもらいたいんです。教育プログラムの中では、英語の勉強だけでなく、現地の教育現場にも行きます。海外が初めての方はいろいろ得られると思います。教育プログラムで自分の目的を見つけられたら、具体的な目標をもって、長期でトビタテで行けばいいと思います。もし、フィリピンで「自分は海外が合わない。」と思ったら、日本で勉強すればいいと思います。だけど、海外の選択肢を最初からなくして欲しくないんです。魅力的な選択肢だと思うので、1回見て欲しいんです。
先生として教えていくよりも、仕組みや制度を作るほうにまわっていきたいんですね。
環境づくりですね。今後は、一般社団法人を作るか、起業して教育サービスを提供したいと思っています。
英語で学ぶ学校SPEA
SPEAってどんな学校でしたか?
英語を学ぶ学校じゃなくて、英語で学ぶ学校。
どういう人が合うと思いますか?
2パターンいると思います。1つは、今まで机の上で英語を勉強してきて行き詰まってる人。そういう方は、見方を変えて英語を学べると思います。あとは、本当に初心者で全然英語が話せない人。そういう人にはいいキッカケになると思います。堅苦しい勉強ではなく、いろいろなことを経験できるので、英語に興味を持てると思います。
逆に合わない人は?
TOEICやTOEFLの試験のスコアが必要な人は絶対に合わないですね。英語だけを学びたい人にも合わないと思います。SPEAでは、体験を通して何か目的を得られることが大きな価値だと思います。
教育関係の大学生にメッセージ
留学検討者に伝えたいことがあればお願いします。
海外に行くと、こういうことが得られる、絶対にこうなるというのはないと思います。人によって得られるものも、行ってみて感じるものも違います。でも、非日常や異文化で得られるものは必ずあると思います。
自分は海外に行ったことで、今東京でいろんなことをさせてもらっています。海外での経験が原動力となって活動できているので、同世代の大学生には、海外で学ぶことも選択肢の1つとして頭の片隅に入れておいてほしいです。その魅力を伝えるため、大学生に魅力的なコースにしていきたいと思っています。
ありがとうございました。引き続き、頑張ってください。
(2017年6月7日(水)渋谷にて)
教育学部の大学生向けフィリピン短期留学プログラム!途上国で「理想の先生」を目指す!
Podcast: Download (Duration: 1:03:18 — 29.0MB)