コロナ禍、セブシティがロックダウンしてホテルに半年間引きこもってました

新型コロナウイルスでセブシティがロックダウンしていたときに、セブシティにいた生徒に話を聞きました。海外でのパンデミック体験談です。パンデミックの時にフィリピン留学していた方は本当に大変だったと思います。

コロナでセブシティがロックダウン

40代男性

セブでのパンデミック体験談

コロナで街がロックダウンした時に、セブ留学してました。異常な世界だったけど、いい経験でした。

運悪く、コロナがはじまる直前にセブ留学したんです。2020年3月です。セブに到着して早々に、世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスのパンデミックを宣言しました。2020年3月11日ですね。数日して学校も休校になりました。

2020年3月15日に、マニラ首都圏で夜間外出禁止令が発令されて、セブ島も3月29日からロックダウンです。6月に帰る予定だったんですが、6月の便が欠航になりました。それで日本に帰れなくなったんです。

ロックダウンになる前に、セブの日本人会がチャーター便を出してましたけど、またチケットを買わないといけないでしょ。料金も高かったので、悩んだ挙句、乗らなかったんです。片道1000ドル以上したと思います。

2020年3月27日、セブ・日本人会は、フィリピン航空機をチャーターして臨時便を飛ばす。

https://www.excite.co.jp/news/article/Global_news_asia_6250/

フライトが再開したのは、8月ぐらいだったと思います。ただ、自由にフライトを選べる状態ではなかったです。寒くなってから日本に帰るのは嫌だったので、9月のフライトで日本に帰りました。

11月にはフライトはもうなかったです。10月もなかったかもしれない。ギリギリ日本に帰れた感じです。だから3月から9月まで半年ぐらいセブに引きこもってました。

ロックダウンして静かなセブシティ

ロックダウンは異常な世界でした。セブって賑やかでうるさいじゃないですか。ロックダウンになった直後は、行動制限がすごく厳しくて。まったく車が走ってなかったんです。めっちゃ静か。シーンとしてるんです。たまに、緊急車両が走る音がするんです。特に夜中は静かでした。まったく音がない。音がない世界って不自然でした。たまに遠くのほうから犬の鳴き声が聞こえてくるんです。

僕は部屋に引きこもってました。4月末のホーリーウィーク以降、少しずつ人が出てくるようになりました。時々食料を買いに行ってましたけど。お店は閉まっているし、街に活気はなかったです。車が走ってないから、道路を渡るときに待つことがなかったんです。セブシティじゃありえないでしょ。違和感がありました。8月ぐらいまで車はほとんど走ってなかったですね。

夏頃からだんだん車が走るようになって、道路を渡る時に、道路の真ん中で久しぶりに止まったんです。あのときは、なんか懐かしかったです。道路が混雑しているのが嬉しかった。

外出には通行証が必要

セブで外出するには通行証が必要でした。要所要所にチェックポイントができて、厳しくチェックしてました。もちろんマスクをしてないと通過できないです。でも、しばらくすると緩くなってきてました。ある時、スーパーに行こうと思って出かけたんです。チェックポイントを通過して、スーパーに近づいたときに、マスクをしてないことに気づいたんです(笑)。そんな感じです。

「セブはマスクしてない!」ってドゥテルテ大統領が怒ったときがありました。それで、セブに役人を送って、軍隊も送ったんです。物々しい雰囲気だったときがあります。銃とかライフルとか必要ないけど。「お前らわかってるんだろな!」っていう意味で軍隊を見せているんです。戦車も走ってました。日本じゃ戦車なんて見れないですから貴重な経験でした。

コロナの間はずっとホテルに泊まっていたんですけど、最後は、宿泊者は僕を入れて2人でした。もともと引きこもりなので精神的には大丈夫でした。時間があるからYouTubeを見るようになったんです。おかげでめちゃくちゃ勉強になりました。どっちかというと、コロナは個人的にはよかった。

衝撃的な経験でした。いい経験でした。よかったというと語弊があるかもしれないけど、僕にはプラスが多かった。オンラインで英語の授業を受けながら、いろいろ調べてました。時間がたっぷりあったから、日本の歴史、世界情勢、ワクチン、いろんなことを勉強していました。英語の勉強はあまりしなかったですね(笑)。

(2020年3月26日 セブ)

編集後記

2020年3月にパンデミックになったとき、何が正しいか誰も判断できなくて、みんながパニックになっていました。寒い日本より暖かいセブのほうが安全と言う人がいました。冬になれば寒くてウイルスは収束すると言う人もいました。コロナはただの風邪だと言う人もいました。そして、結局3年かかりました。たくさんの学校が閉校しましたが、セブ留学はほぼ復活しました。そんな中、セブでパンデミックを体験した生徒に話を聞く機会があったので、コロナウイルスの体験談として残すことにしました。

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中谷 よしふみ

エンジニアベースの元コンサルタント。2012年にフィリピン留学を体験。自身の体験をシェアするため、このサイトを作ると、サイトが有名になり、学校に呼ばれるようになる。体験した学校は100校以上。いろんな学校を体験すると、ほとんど同じだけど、一部の学校は全然違うことを知る。業界で一番詳しい自信を持った、2016年に「英語はフィリピンで学べ」という書籍を出す。TOEIC845(リスニング450、リーディング395)。年間半分以上は海外で生活しているノマドクリエイター。英語を身につけて日本から出て視野を広げてほしい。そんな思いでエージェントをやっています。

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