エンジニア海外留学のIT講師の平井真哉さんってどんな人?

英語留学で評判のセブ島ですが、英語だけでなくプログラムが学べる学校もあります。僕はもともとプログラマで、日本のパソコンスクールで講師をしていた経験もあるので、エンジニア海外留学でITのどこまでが学べるのか前から気になっていました。セブで一番歴史があるITを学べる学校がネクシードです。ネクシードでITを教えてる平井さんに話を聞きました。

平井真哉 セブのIT留学の講師 ネクシード
平井真哉 ネクシード IT留学の講師
平井真哉、26歳、エンジニア

バスケット三昧の学生時代

どういう経緯でエンジニアになったんですか?

ずっとバスケットボールをやっていて、大学もスポーツ推薦で入ったから、勉強したことなかったんです。進路も全然考えてなくて。大学3回生になった時、適当に就職活動をしていたら、オジイちゃんにすごい怒られたんです。これから40年の人生をそんな簡単に決めるな!って。

オジイちゃんは何をされてたんですか?

自営業のボディビルダーです。僕は体育会系の家族なんです。それで、楽しいことは何かなと考えたら、ゲームだったんです。で、プログラムを覚えたらゲームが作れるって知ってエンジニアに興味を持ったんです。

ネットサーフィンしてたら、同じ年のブログラマーがめちゃくちゃ稼いでることも知って。カッコええと思って。それで、親のウインドウズを出してきて、iPhoneアプリを作ろうとしたら、ウインドウズでは作れないことを知ったんです…。

高卒で起業していた中学の同級生の友達の家に入り浸ってたんですけど、興味があるならエンジニアになったらいいやんって言われて。やっぱりそうだなと思って、肉体労働のアルバイトを10日間して、10万稼いで、マックを買ったんです。

でも、マックの使い方も分からないから。全然意味が分からなくて、当然アプリも作れなくて。レベルが高くて諦めたんです。でも、プログラムはゲームみたいで面白いから続けたいと思って。簡単そうなHTMLとCSSを勉強したら、Hello Worldってページが作れて、めちゃテンションが上がったんです。1週間ぐらい部屋に引きこもってHTMLを書いてました。父親は自営業だったので、父親のホームページを作った時に、これを仕事にしていきたいと思ったんです。

でも、HTMLだけでは稼げないので、もっとレベルを上げなければいけないと思ったんです。だけど、まわりに頼れる人もいないから、ネットで繋がろうと思って、苦手意識を持ってやってなかったFacebookとtwitterをはじめたんです。2012年頃ですね。当時21歳かな。そしたら、有名そうな人からフォローしてもらったので、ダイレクトメッセージを送ったんです。

あとで知ったんですが、自動フォローツールでフォローされていただけでした。でも、その時は何も分かってなかったので、フォローされると嬉しくて片っ端からメッセージを送ってたんです。そしたら、東京に来る機会があったらお茶しましょうって言われて。次の日の夜行バスで東京に行ったんです。

渋谷のオシャレなカフェで待ってたら、カジュアルなジャケットを着て、MacBookだけを持った人が現れたんです。多摩大学を休学している同じ年のフリーのエンジニアでした。時給5000円から7000円で仕事してると聞いて、マジか!と思って。またテンションが上がったんです。兵庫県で埋もれてる場合じゃないと思ったんです。彼はエンジニアが集まるシェアハウスも運営していて、東京に来るときは使っていいよって言ってくれたんです。

それで、関西に帰って、『東京に行きたい!』って親に相談したんです。絶対反対されると思ってたら、1年ぐらい休学してもいいから東京に行けって言われたんです。実は、父親が昔にホームページビルダーでホームページを作っていたんです。

全然分からない家族ですね(笑)。

はい(笑)。それで東京に行ってシェアハウスに住んで、Railsを触ったり、Python 、Rubyを書いてました。でも、独学だとなかなか進まなくて、3ヶ月ぐらいで挫折しました…。

居酒屋で接客アルバイト

お金もなくなったので、渋谷の居酒屋でバイトを始めたんです。そしたら、すごい楽しくて、プログラムを全然しなくなったんです。そうこうしてると、人が集まらなくてシェアハウスが閉じてしまって、家がなくなったので居酒屋に住んで、ますますバイト三昧の生活になったんです。28連続勤務で35万ぐらい稼いでました。

シェアハウスを転々として知り合いも増えて、東京生活は楽しかったんですけど、地元の友達が心配しだしたんです。『エンジニアになるって言って、東京に行ったけど、居酒屋でバイトしてるらしいぞ』って(笑)。

このままではヤバイって思って、独学でプログラムをやるんですけど、関数は覚えるし、変数を使って計算もできるんですけど、どうやったらログイン画面ができるかわからなかったし、どうやったらFacebookが作れるかもさっぱり分からなかったんです(笑)。独学なのでグルグルまわってたんです。やっぱり独学では限界があるから、学ぶ環境を手に入れようと思って、Wantedlyに載ってる社長のメールアドレスに片っ端からメールしたんです。

なんて書いたんですか?

東京に来た大学生です。エンジニアとしてやっていきたいから独学で勉強してます。HTMLやCSSはだいたいわかったけど、この先が見えないです。お話を聞いてくれませんかって。もちろんほとんど返事は帰ってこないです。けど、20通ぐらい送ったら、3社から返事がきて、会社に遊びに行ったんです。そしたら、1つの会社が、『無給でいいなら1ヶ月トレーニングしてあげる。』って言ってくれたんです。その1ヶ月の評価で今後を決めようって。

phpとiOSの2冊の本を渡されたので、本を見ながら、アイデア発想法ってアプリを作って。友達がブログを書いてたので、そのRSSを集計してまとめて表示するサイトを作ったんです。1ヶ月教えてもらったんですけど、やっぱり教えてもらうと効率がいいんです。はじめてそこでプログラムを書きました。それまでは関数を使ってるだけのコーディングでした。それで、1ヶ月が終わったんですが、その後も引き続き教えてもらってたんです。

出版社でプログラマのアルバイト

そしたら、社長さんが新宿の出版社を紹介してくれたんです。中国人が作った電子書籍を読み上げるアプリがあるけど、中国人が退職して、後任のエンジニアを探してたんです。だから、作ったアプリをポートフォリオに入れて、面接を受けに行ったんです。iPhoneのスキルについて質問されて、たまたま知ってることばかりだったのでうまく答えて。その場で採用されたんです。時給1500円でした。

スケジュールはフレキシブルで、時間が空いてる時だけ出社して時給で働いてました。その会社にはエンジニアは1人もいなかったので独学でしたが、スキルもわりと伸びて、だんだん条件もよくなっていきました。トータル3ヶ月いたんですが、最終的には週5で行くようになって。32万ぐらいもらいました。

わらしべ長者ですね(笑)。

でも、就職したことないから、マナーも分かってないし、仕事もわかってなくて、よく仕事を忘れてたんです。だから、調べながらToDoリストを作ったり、業務フローを整えたり試行錯誤してやってたんです。プログラムをやったことでロジカルな考え方になったと思います。

3ヶ月経って、わりと良い待遇になってきたときに、海外に行きたいと思ったんです。エンジニアとして生きていくのはもう決めてたので、英語が必要だと思ったんです。だけど、英語は赤点しか取ったことない苦手教科だったので、英語を学びに海外に行きたいと思ったんです。

遠隔で働いてもいいですかって、社長に相談したら、いいよって言ってくれて。待遇も下がらず遠隔で働けることになったんです。実家に帰って、海外に行くからもう1年休学したいって伝えたら、いいんじゃないって言ってくれて。旅をしながら開発しようと思ってバックパックを買ったんです(笑)。

ちょうど飛行機のチケットを探してるときに、知り合いから連絡があって、海外に行きたいエンジニアのインターンを探してるけどどう?って言われたんです。それって俺のことだ!って思って応募したのがセブのネクシードなんです。

プログラムをはじめて、まだ半年ぐらいですよね。

そうですね。でも、3ヶ月は居酒屋でバイトしてたので、ちゃんと仕事をしたのは3ヶ月ぐらいです。

3ヶ月で人生が変わりましたね。ずっとそんな密度で生きてきてるの?

この4年間はそんな密度でずっと仕事してます。

セブのネクシードでIT留学の立ち上げ

それで、社長と面談したんです。面接が6回ぐらいあって、採用まで長かったです。当時ネクシードはまだ技術者がいなくて、会社が技術者を評価できなかったんです。社長は年間数千人の面接してるので、人を見る目はあるので。まず遠隔で一緒に働くことになりました。朝9時に、こういうサイト作ってってオーダーがあって、昼に提出したら、午後はこれを作ってみたいな。

すごい慎重に採用するんですね。

ネクシードの採用は慎重ですね。応募者が何人かいたんですけど、なんとか残れて合格したんです。電話ですぐにセブに来て欲しいって言われて。電話しながら2日後のチケットを買って、セブに行きました。3ヶ月無給のインターンだったんですが。生活費は出してくれるので、いい経験と思って行きました。

何をする仕事だったんですか?

まだ決まってなかったです。その3ヶ月のミッションが、ITの事業を立ち上げることで、立ち上がらないとクビでした。ネクシードが英語留学をやることは決まってたんですが、まだ英語留学もスタートしてなくてオフィスもなかったです。社長の家に住んで、社長の家に毎日10人ぐらいが集まってビジネスを考えていました。

とりあえず採用されて、何か考えろって感じだったんですね(笑)。

そうです。それで考えたのがIT留学なんです。自分がエンジニアになった経験をパッケージ化したら需要があるだろうと思ったんです。自分は気合いでやっていたから遠回りしたんです。知識をまとめて体系化して、3ヶ月でエンジニアになれるような授業を作ったら価値があると思ったんです。それを、社長に提案したら、反応をみてみようって言われて、『みんなエンジニアになろうぜ!』ってFacebookにポストしたら、いいねが1000ぐらいついて。やることになったんです。

考え方がサラリーマンじゃないですね。そんなエンジニアはあまりいないから、希少価値でしょうね。

そうなんですかね。3ヶ月のインターンの後は、フリーランスで契約しました。カリキュラムを作って、IT留学を立ち上げて、生徒にITを教えて、評価システムも作りました。

セブで評判のIT留学でプログラムを教える平井さん

でも、次の年の4月に、ネクシードを辞めました。大学に戻るために日本に帰ったんです。親との約束もあったので。ネクシードには1年間いました。

まだ大学生だったんですね(笑)。

東京でプログラム塾を立ち上げ

帰国して大学生を再開?

でも、大学で授業を受けていても、意味ないわと感じてしまったんです。フリーランスで仕事もしたんですけど、周りと話があわないし、全然面白くないんです。それで、東京に行って起業したんです。

どんなビジネスをしたの?

昔にシェアハウスに住ませてくれた友達が教育事業をやってたので、2人でプログラムを学ぶ塾を立ち上げたんです。相方が営業で、僕がカリキュラムを作って、講師したり、講師採用したりして1年やりました。我流ですけど、その時が一番スキルが上がりました。サービスを立ち上げたら、自分たちでやるしかなかったので。本屋にずっといました。

毎回気合いで頑張ってるんですね。

最初はいつでも詳しくないので調べながらやってます。トラブルが起きて、必死に調べて解決して、その繰り返しです。自分でサービスを作るとやるしかないじゃないですか。データベースは分からない。インフラは分からないとか言っていられない。何でも解決しないといけないので。気合いで詳しくなっていきますね。サービスをやってる時が一番技術力がアップしたと思います。

その学校では何が学べるの?

HTML、CSS、JS、Ruby、DB、Ruby on railsが学べます。オフライン、オンラインの両方あって、僕らがやってたときは、半年60万、3ヶ月30万、1ヶ月10万で、社会人が週1で、オンラインでスカイプやったり、オフィスに来て勉強します。それを講師がサポートします。僕は当時12人ぐらい見てました。勉強ペースはヒトそれぞれで。最短だと2ヶ月でフリーエンジニアになった生徒もいました。

ネクシードのIT留学を日本用にアレンジしたんですね。

はい。カリキュラムを作りながら教えてました。最初はRubyが全然分からないから、教えるために勉強しました。ドットインストールみたいに動画も作って、動画学習もできるようにしました。ゲームを意識してレベルが上がったり、スキルアップしたのが分かるようにして生徒のモチベーションが続くように工夫しました。

なんで1年でやめたの?

ぶっちゃけセブのほうが刺激的で楽しかったんです。あと英語をもっと学びたくなった。東京よりセブは暖かくて住みやすいし、自分にあってた。あと、ネクシードの社長が自分のロールモデルでもあったんです。考え方や働き方やスキルに学ぶものがあった。だから、そのプログラム塾は法人化して任せて離れました。それでセブに戻ったんです。

海外でエンジニアとして働いて感じたこと

いまセブに戻ってきて、2年経ちます。カリキュラムをもっとよくするために、満足度アンケートを取ったり、評価システムを入れてPDCAまわして、カリキュラムをバージョンアップしていってます。

セブで人気のIT留学の授業の様子

エンジニアが海外で働く際に必要なことは何だと思いますか?

日本人はコストが高いから、英語が喋れないとフィリピンに来ても使えないヤツだなって思われるでしょうね。開発能力が高いだけだと重宝されない気がします。セブでは日本人は管理が得意と思われてるので、マネジメント能力を期待されます。もしセブで働くならマネジメントスキルはあったほうがいいですね。開発力はもちろんですが、何かプラスアルファが必要だと思います。

これからのキャリアはどう考えているんですか?

まだ海外のキャリアが浅いので、今はまだセブで基盤を作っているところです。僕よりスキルがあって、日本で価値を出してるエンジニアはたくさんいると思います。でも、僕のほうがスキルが低かったとしても、1歩進んでいるという自負があります。自分の強みは、技術力よりもコミュニケーション能力とやりきる力なんです。

自分がエンジニアとして天才じゃないのはもう分かってるので、自分にしかできないスキルを磨いていこうと考えてます。キャリア設計としては、より早く成長するために、コミュニケーション能力を活かしてマネジメント能力を伸ばすことを意識しています。

エンジニアを目指してる方にアドバイスありますか?

自分の経験から、仕事しないとスキルは上がらないと思っています。だから、スキルがないなら仕事を選んでないでできることを頑張ったらいいと思います。僕は必要に応じて無給でも働くし、待遇を落として転職したこともあります。勉強できるなら待遇が下がっても経験してみたいんです。でも、案外そういう人は少ないんですよね。僕は転職も多いんですが、一カ所に留まらないでよかったです。いろんな価値観を見れたし、マネジメントの仕方も学べたので。

エンジニアになってよかったですか?

間違いなく正しい選択でした。みんなにオススメしたいです。何かにのめりこむタイプはむいてると思います。

ネクシードは動物園って呼ばれてるんですよね。

そうですね(笑)。個性的なスタッフが多いですね。元プロスノーボーダー。ストリートファイターで日本4位。ハンドボール関東代表。だいたい何かの代表です。ネクシードはグローバル人材を育成する会社で、いまはセブで英語留学とIT留学をやってますけど、教育事業にこだわってるわけではなくて、海外での新規事業も立ち上げもやってます。興味ある方は是非一緒に働きましょう!講師も募集中です。もちろん生徒も募集中です!(笑)

プログラム知識がゼロの生徒でも大丈夫なんですか?

MacBookを買って1週間みたいな生徒もいます。興味があって本気で取り組む気持ちがあれば3ヶ月でエンジニアになれますよ!

(2016年11月11日(金)セブにて)

編集後記

セブにあるネクシードのエンジニア留学は入校日が決まっていて、期間も3ヶ月間と決まっています。仲間と一緒にITを学ぶ合宿のような感じ。僕は授業を1週間だけ受けましたが、課題も多くて大変です。遊び半分だと脱落すると思います。

プログラマだった僕にとって、「プログラムをフィリピンで学ぶべきか?」というのは正直疑問な部分もあります。ただ、ネクシードは本気でやってるし、満足してる生徒もたくさん見てるので選択肢としてオススメできます。講師も個性的だし、合宿のように仲間と一緒に学ぶスタイルがいいと思います。エンジニア海外留学に興味あれば、ネクシードの公式サイトをどうぞ。生徒も講師も募集してます。

ネクシード公式サイト

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中谷 よしふみ

中谷 よしふみ

エンジニアベースの元コンサルタント。2012年にフィリピン留学を体験。自身の体験をシェアするため、このサイトを作ると、サイトが有名になる。圧倒的に詳しくなったので書籍を出す。そして、留学エージェントになる。体験した学校は105校。TOEIC845(リスニング450、リーディング395)。年間半分以上は海外で生活しているノマドクリエイター

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